【Q＆A】10年以上前に借りた20万円。督促状が届いたが支払いは？

Q4、今から10年以上前に消費者金融で20万円を借りました。しかしこれまで返済を一度もしていません。すると最近になって督促状が届いたのですが、これは支払いをしなければいけませんか？

A4、「時効」が成立していたとしても「時効援用」を行わないと支払いの義務は継続していきます。

現在の法律では、消費者金融で借りたお金に対して「商事債権」ということで「商法」が適用されています。そのため、最終的な返済日から5年が経っていれば「消滅時効」となります。

しかし、お金を借りた事実（債務）というのは、時効期間が経過しても消えることはありません。そこで債務者が「時効制度」を使うためには、制度の利用に対して「意思」を示さなければなりません。
この意思表示が「時効の援用」です。

今回のケースでは、借金を消すためには時効援用を行わなければなりません。そして、時効の援用は「内容証明郵便」を利用します。

借金、つまり債務というのは、時効が成立しただけでは消えることはありません。消すためには時効援用が必要です。
しかし、時効援用を行っても債務を消すことができないケースもあります。

時効の中断により債務が消滅しないケース

時効が成立するまでの間に「債権者」が提訴し「勝訴判決」が下された場合には、そこまで進んでいた時効がリセットとなります。

そして、その時点からまた新たに時効期間が満了となるまでは、債務を消すことはできません。
この状態が「時効の中断」です。

時効が中断される4つの条件

それでは、時効が中断されてしまう条件を4つご紹介します。

その1：訴訟の提起、支払い督促の申し立て、調停の申し立て、和解の申し立て
その2：内容証明郵便などで支払いの請求（催告：6か月以内に裁判上で請求を行わないと時効中断の効果がなくなります）
その3：差押え、仮差押え、仮処分
その4：借金を認める、返済をする、債務の承認

このような4つの条件に当てはまると、時効が中断となります。中でも1、4に当てはまるものが多い傾向にあります。