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個人再生とは

個人再生とは、裁判所の監督の下、債務の大部分の免除・長期の弁済条件などを組み込んだ再生計画を作成し、無理なく借金を返済していく制度です。

しかも、住宅資金特別条項という条項を再生計画に組み込むと、住宅ローンは従前の条件で支払を続けて住宅を手放すことなく、それ以外の高利の借金を大幅減額できます。 

この個人再生手続は他の手続きより要件が厳しく、誰しもが利用できる手続ではありませんが、住宅を手放すことなく、借金を減額できるというメリットがあります。

個人再生の流れ

(1) 弁護士から債権者に受任通知書を発送

受任通知が債権者に届いたら、取立てが止まります。

(2) 個人民事再生を申立

申立書を作成し、裁判所に提出します。

(3) 再生手続を開始

裁判所が個人民事再生手続の開始を決定します。

(4) 再生計画案を作成

再生計画案を作成し借金免除額、残りの借金額を検討します。

(5) 再生計画案を提出

再生計画案を裁判所・債権者に提出します。

(6) 書面決議 (小規模個人再生の場合)

債権者から民事再生手続に反対である旨の意見が出た場合には、別途弁護士と打ち合わせをした上で対応策を検討します(ただし、反対である旨の意見が出ることは、多くはありません

(7) 再生計画の認可

裁判所が認可し、確定することにより手続は終了します。

(8) 返済を開始

再生計画に従って、返済をしていただきます。

個人再生のメリット

取立てが止まります。
住宅ローン特則を利用すれば、マイホームを手放さなくて済みます。
利息制限法による引き直し計算により残元本の減額が行われます。
過払い金の返還も場合によっては可能です。

個人再生のデメリット

ブラックリストに登録されます。ただし、金融機関のキャッシュカードは作れます。
官報に掲載されます。ただし、一般の人が官報を見る機会はあまりありません。

解決事例

事例1

450万円の借り入れを、個人再生の手続きで返済額が圧縮され負担が軽くなった事例

【ご依頼者 Tさん 48歳 男性】
【負債総額 450万円(住宅ローン除く)】
Tさんは、妻と子供2人(大学生・高校1年生)の4人家族です。
12年前に自宅を購入し、月11万円の住宅ローンを払っています。
夫婦ともに貯金をする習慣がなかったため、子供が大きくなるに連れて教育費にお金がかかるようになりました。

しばらくは銀行の教育ローンやカードローン、クレジットカードのキャッシング枠を利用してやり繰りしていましたが、半年前から消費者金融からも借入れをするようになりました。

消費者金融から借入れをするようになった頃から、返済の目途が立たなくなってきているのを感じていましたが、破産すれば自宅を手放さないといけないと思うと気が滅入り、どこかへ相談することができませんでした。相談に来た頃には、住宅ローン以外の借入れが450万円まで膨らんでいました。

Tさんは、家を残したいという希望があったので、個人再生(住宅資金特別条項付)の手続をすすめることになりました。

住宅ローンだけ通常どおり支払い,他の借入れは100万円に圧縮して支払うことで、手続前に比べ負担がだいぶ軽くなりました。
圧縮された100万円は、月々約28000円×36回(3年)の分割で支払う計画を立てたので、Tさんにとって無理なく返済を続けることができました。

事例2

600万円の借金財産を手放さずに圧縮できた事例

【ご依頼者 Kさん 51歳 男性】
【負債総額 600万円】
Kさんは、妻と子供1人(高校2年生)の3人家族です。
持ち家はなく賃貸マンションに住んでいます。

Kさんは数年前から投資にのめり込むようになりました。当初は上場株を少量買っては売るというやり方でしたが、今ではFXや先物取引を中心に売り買いをするようになりました。元々ギャンブルが趣味だったこともあり、損をすると、それを挽回しようと大きな取引をしてしまう傾向がありました。それが原因で3年間で600万円の借金を作ってしまいました。

Kさんには、持ち家はありませんでしたが、ローンを払い終えた車(時価30万円)、子供の学資保険(解約返戻金85万円)、退職金(280万円)などの財産がありました。

破産手続きをする場合、車の売却、学資保険の解約は避けられません。また,退職金に関して、退職する必要まではないですが、8分の1相当額である35万円を債権者に一括で配当しなければなりません。

そこで、個人再生を検討することになりました。

Kさんの借入額からすれば、通常個人再生の返済額は、5分の1に圧縮した額である120万円ですが、個人再生には「最低限、清算価値(財産の総額)以上の金額を支払わなければならない」という決まりがあるので、財産総額との関係が重要になります。つまり、個人再生手続では、「借金の圧縮額」と「財産の総額」のどちらか高い方の金額を分割返済する必要があります。

Kさんの場合、財産の総額が、車(30万円)+保険(85万円)+退職金(35万円)=合計150万円でしたので、その金額を分割返済すれば、それぞれの財産を手放さずに手続をすることができます。

Kさんは相談の当初から「学資保険だけは解約したくない」という希望があったので、迷いなく個人再生の手続を選びました。

返済総額150万円の場合、個人再生の月々の支払額は約42000円になり、決して楽な金額ではありませんでした。しかし、破産することなく、また保険を手放すことなく借金を圧縮できたことで、Kさんは大変満足していました。

借金問題担当弁護士

村上 和也

プロフィール

同志社大学卒。平成20年より事務所開設し、守口市・門真市を中心に大阪で借金問題に関する相談多数。自己破産(法人・個人)・民事再生・任意整理・通常清算・過払い金返還請求・消滅時効の援用など。

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