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弁護士コラム

遺産分割協議と貸金回収の解決事例

2019年07月15日|相続, 解決事例

1,事案の概要

相談者は,弟に1000万円の貸付をしていたところ,貸付けを受けた弟が返済しないまま死亡し,相続が発生しました。相続人は,被相続人の配偶者(相手方)と,被相続人の姉(相談者),つまり兄弟相続の事案でしたので,相続割合は,配偶者(相手方)が4分の3,姉(相談者)が4分の1です。

2,相続の発生,相続割合

この相続割合で,資産のみならず負債も相続しますので,被相続人の貸金返還債務についても同割合で相続します。よって,配偶者(相手方)は750万円の返還義務を相続し,姉(相談者)が250万円の返還義務を相続します。

つまり,姉(相談者)は,貸主として1000万円の貸金返還請求権を保有すると同時に、貸金返還義務を負う被相続人の相続人として250万円の貸金返還義務を承継するという複雑な事案でした。

3,分析

ここで,悩ましいのは,被相続人の遺産は,遺産不動産(自宅)と若干の預金であり,配偶者(相手方)が相続する遺産の4分の3相当額では,1000万円に充たず,相談者(姉)は貸金1000万円の回収が難しい状況でした。

 

もっとも,配偶者(相手方)は遺産不動産(自宅)に居住している訳ですから,解決に向けた合意が成立しない限り,相談者(姉)は,配偶者(相手方)に対し,遺産不動産(自宅)の4分の1の共有持分権者として,共有物分割請求ができる法的地位にあります。といいますのは,遺産分割協議が未成立であり,不動産の登記名義が形式的に被相続人のままであったとしても、相続が発生している以上,相続人である相談者(姉)は実質的には4分の1の共有持分権者だからです。 

4,弁護士による法的対応

そこで,このような相談者(姉)の法的地位を主張することで,配偶者(相手方)に弁済原資を確保させることに成功しました。

具体的には,配偶者(相手方)が,被相続人の資産も負債(1000万円の貸金返還義務)も全て相続(相談者への代償金支払いは無)する内容の遺産分割協議を成立させ,それと同時に,相談者(姉)が相手方である配偶者相続人から1000万円の返済を受けるという合意書を作成し,実際,貸金1000万円の返済を受けました。同日,遺産分割協議の履行として,相談者(姉)の印鑑証明書を配偶者(相手方)に交付しました。

このようにして,貸金1000万円の回収に成功し,大変ご満足していただきました。

なお,相談者は,寝屋川市の介護付き有料老人ホームにいらっしゃいましたので,出張相談をさせていただきました。

5,無料の出張相談のご案内

守口門真総合法律事務所では,事案によっては,守口市・門真市・寝屋川市・枚方市・大東市・四条畷市・摂津市でしたら,無料の出張相談も対応させていただきますので,お気軽にお問い合わせいただければと思います。

 

 

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相続法改正について その3 ~相続の効力等・特別の寄与制度~

2019年07月8日|弁護士コラム, 相続

1 民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律の成立

  2018年7月6日,民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律が成立し(公布は同年7月13日),一部の規定を除き,2019年7月1日から施行されます。

  改正法においては,主に,①配偶者の居住権を保護するための方策,②遺産分割に関する見直し,③遺言制度に関する見直し,④遺留分制度に関する見直し,⑤相続の効力等に関する見直し,⑥相続人以外の者の貢献を考慮するための方策等が中心になっていますが,今回はそのうちの,⑤相続の効力等に関する見直し,⑥相続人以外の者の貢献を考慮するための方策についてご説明いたします。

 

2 相続の効力等に関する見直し

相続させる旨の遺言により承継された財産については,登記なく第三者に対抗することができるとされていた現行法の規律(判例)が見直され,法定相続分を超える部分の承継については,登記等の対抗要件を備えなければ第三者に対抗することができないものとされました。

現行制度では,相続させる旨の遺言がある場合,遺産分割や遺贈がなされた場合とは異なり,遺言の効力は絶対的なものとされ,不動産登記等の権利関係の公示がなくとも,第三者に対し優先的に主張できるものとされていました。すなわち,相続させる旨の遺言さえあれば,相続人は何らの手続きを行わずとも,遺言による自身の相続分を常に確保することができたものと言えます。

例えば,被相続人が生前土地Lを所有しており,相続人は妻Aと子Bで法定相続分2分の1ずつのケースを考えてみましょう。土地Lの共有持分が欲しい第三者Cが,子Bから土地Lの2分の1の共有持分を買い取ったものの,その後妻Aから,「土地を妻にすべて相続させる」との遺言があると主張された場合はどうでしょうか。

この場合,現行制度では,遺言の効力は絶対的なものとされ,第三者は子から買い取った2分の1の共有持分を妻に対し優先的に主張することは出来ませんでした。

しかし,第三者からすれば,遺言があるかどうかは分からないにもかかわらず,後に遺言の効力を主張されれば自身の買い取った共有持分が認められないという極めて不安定な地位に置かれ,一方で妻は遺言に基づき不動産の相続登記手続を行うことができたにもかかわらず,これを放置していた落ち度があります。

すなわち,このような結論は,遺言の有無及び内容を知りえない債権者・債務者の利益を害し,登記制度や強制執行制度の信頼を害する恐れがあるため,今回の法改正により,法定相続分を超える部分の承継については,登記等の対抗要件を備えなければ第三者に対抗することができないものとされました。上記のケースでは,第三者Cは妻Aに対しても自身の共有持分2分の1を主張することが可能になります。

相続人の立場からすれば,速やかに遺言に基づく相続登記手続を行い,自身の取得分を第三者との関係で守る必要性が高くなりました。

 

3 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

  相続人以外の親族が,被相続人の療養看護等を行った場合,一定の要件の下,相続人に対して金銭の支払いを請求できるようになりました。

  例えば,被相続人には3人の子供(長男,次男,三男)がおり,うち長男は既に死亡しており,子供もいないため相続権がないものの,長男の妻が被相続人の介護をしていたようなケースです。

  このような場合,相続人である次男,三男は,被相続人の介護を全く行っていなかったとしても,相続財産を取得できるのに対し,長男の妻はどれほど被相続人の介護に尽くしていても,相続人ではないため,相続財産の分配に関わることは出来ませんでした。

  しかし,新制度の導入により,長男の妻は相続人(次男,三男)に対し,金銭の支払いを請求できるようになり,介護等の貢献に報いることができ,実質的な公平が図られることになります。但し,遺産分割手続が過度に複雑にならないように,遺産分割手続は相続人(次男,三男)のみで行われ,相続人に対する金銭請求のみが認められます。

上記請求が可能なのは,あくまで「相続人以外」の「親族」です。上記請求について協議が整わない場合は,家庭裁判所に審判を申し立てることとなりますが,相続の開始及び相続人を知った時から6か月又は相続開始の時から1年の期間制限がありますのでご注意ください。

 

4 小括

  改正相続法は,一部規定を除き,2019年7月1日から施行されます。

当事務所は,地域密着型法律事務所として相続分野に力を入れております。
遺言相続についてのご相談は,守口門真総合法律事務所にぜひご相談ください。

 

 

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相続法改正について その2 ~遺言制度・遺留分制度~

2019年06月3日|弁護士コラム, 相続

1 民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律の成立

2018年7月6日,民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律が成立し(公布は同年7月13日),一部の規定を除き,2019年7月1日から施行されます。

改正法においては,主に,①配偶者の居住権を保護するための方策,②遺産分割に関する見直し,③遺言制度に関する見直し,④遺留分制度に関する見直し,⑤相続の効力等に関する見直し,⑥相続人以外の者の貢献を考慮するための方策等が中心になっていますが,今回はそのうちの,③遺言制度に関する見直し,④遺留分制度に関する見直しについてご説明いたします。

 

2 遺言制度に関する見直し

(1)自筆証書遺言の方式緩和 ※2019年1月13日施行

 民法968条1項は,「自筆証書遺言をする場合には,遺言者が,遺言書の全文,日付及び氏名を自書して,これに印を押さなければならない」と定めています。

そのため,現行制度では,自筆証書遺言を作成する場合には全文自筆で作成する必要があり,パソコンによる目録の作成,通帳・登記事項証明書等の添付が出来ず,全文自筆は遺言者にとって相当な負担となっていました。

しかし,改正後に新設される民法968条2項により,自筆証書遺言を作成する際,パソコン等で作成した目録を添付したり,銀行通帳の写し・不動産の登記事項証明書等を目録として添付することが可能になりました。

上記方式緩和により,自筆部分を大幅に削減することができ,遺言書の負担が大幅に減ることになりました。ただし,財産目録の各頁に署名押印することが必要です。

 

(2)自筆証書遺言の保管制度 ※2020年7月10日施行

 自筆証書遺言は,遺言原本を公証役場で保管してもらえる公正証書遺言と異なり,これを保管してもらえる機関がなかったため,紛失・盗難・改ざん等の恐れがデメリットとして挙げられていましたが,今回の法改正に伴い,自筆証書遺言の原本を法務局に保管する制度が創設されます。

これにより,自筆証書遺言の上記デメリットが解消され,かつ,法務局に保管されるものは遺言書の形式審査(方式不備等の確認)を経ているため,家庭裁判所における検認手続が不要となり,相続手続の早期終結が期待されます。

 

(3)遺言執行者の権限の明確化等

 遺言執行者とは,遺言内容を実現すべくその執行手続を行う者のことをいいますが,遺言執行者の一般的権限として,遺言執行者が遺言執行者であることを示してした権限内の行為が各相続人に対し直接に効力を有すること等が明文化されました。

 

3 遺留分制度の見直し

(1)遺留分減殺請求権から生ずる権利の金銭債権化

 遺留分とは,被相続人の兄弟姉妹以外の法定相続人に留保された相続財産の割合を言います。この相続財産の割合は,遺言によっても奪えないという点に特徴があり,いわば相続人に最低限認められる権利といえます。

これまでは,遺留分減殺請求権の行使により物権的効果が生じるものとされており,遺産の共有状態が発生していたため,遺言によって財産を受け取った者の権利が制限され,会社の後継者が事業を円滑に進めることが出来ない等,事業承継の支障になっているという指摘がありました。

 今回,遺留分減殺請求権の行使によって遺留分侵害額に相当する金銭債権が発生することになり,上記遺産不動産の共有状態が解消されるため,遺留分権利者は財産を受け取った者に対し直接金銭を請求することができるようになります。

 

(2)裁判所による相当の期限の許与

 遺留分減殺請求権から生ずる権利が金銭債権化されることに伴い,金銭を直ちに準備できない受遺者又は受贈者を救済するため,受遺者等から請求があった場合に裁判所が金銭債務の支払に関し相当の期限を与えることができるようになりました。

 

4 小括

 改正相続法は,一部規定を除き,2019年7月1日から施行されます。

当事務所は,地域密着型法律事務所として相続分野に力を入れております。
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民法改正が不動産賃貸経営に与える影響についてセミナー実施

2019年05月22日|ブログ, 不動産

2019年(令和元年)5月19日,大東市立市民会館にて,「やさしい賃貸経営」というタイトルで,近隣の不動産会社様が,主催セミナーを開催されました。

 

内容は,以下のとおりで,第1部を,守口門真総合法律事務所の所長弁護士村上和也と弁護士喜多啓公において,担当させていただきました。

 

第1部 2020年民法改正が不動産賃貸経営に与える影響とは!?

①民法制定以来120年ぶりの大改正の経緯と不動産賃貸業との関係とは!?

②賃貸借契約上の保証人は,極度額を定め書面契約しなければ保証契約は無効に!?

③敷金の定義,返還時期と原状回復義務の範囲の明文化が与える影響とは!?

④建物(部屋)や設備が不具合で予定通りに使えない場合,家賃減額の対象となる!?

 

第2部 人口減少社会の到来!!オーナー様に実行して欲しいこととは!?

①国内の賃貸市況と今後の賃貸経営のポイントとは!?

②年商400億円超えの不動産運用術大公開!

③JPMCの運用ノウハウとサブリース商品について!

 

第3部 8割近くが払い過ぎ!知らなきゃ損する「相続税還付」について

①なぜ相続税が払い過ぎになるのか!?その仕組みを大公開!

②これまでの最高還付額は2億3千万円!平均還付額は約2千万円(アレースの実績)

③相続税の法定申告期限から5年間は更正の請求手続きが可能!

 

 

改正民法では,保証人保護の規定(極度額の定め・保証契約締結時の情報提供義務・保証契約締結後の情報提供義務等)や賃借人保護の規定(原状回復義務の範囲・賃料減額等)が新設されていますので,不動産オーナーとしても,改正内容を理解し,賃貸借契約書を修正する必要があります。賃貸借契約の更新時期も,随時,到来するしょうから,気になっておられるかと思いますので,その良い機会をご提供できたと思います。

 

守口門真総合法律事務所においては,随時,研修講師・セミナー講師を承っております。ご用命がございましたらお声かけください。

 

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債務整理の解決事例

2019年04月23日|借金問題, 解決事例

門真市在住の50代男性から債務整理のご相談を受けて,良い解決結果がでましたので,事例報告させていただきます。

この方は,貸金業者8社から合計約555万円の借り入れがありました。

1,受任通知の発送,取引履歴の取得,引直計算

弁護士において,各貸金業者に受任通知を送って窓口となり,取引履歴の開示を受けて,約定利息を利息制限法利息に引き直し計算しました。

その結果,8社中,なお5社からの借り入れについて残債務がありましたが,借入額は上記約555万円から約230万円まで圧縮することができました。

2,過払い金の回収,残債務の弁済

そして,8社中,残りの3社については過払い金が発生していましたので,新生フィナンシャル(旧:レイク)から55万円(注1)・アコムから410万円(注2)・アイフルから165万円(注3),合計640万円の過払い金を回収しました。

そして,その過払い金でもって、上記約230万円(SMBCコンシューマーファイナンス(旧:プロミス)・新大阪ファイナンス・ジャックス等)の残債務を弁済し,完済することができました。

 

(注1)

新生フィナンシャル(旧:レイク)との関係では,約定利息のもとでは約97万円の残債務がありましたが,利制法利率に引直し計算して過払い金返還請求をした結果,55万円の過払金の回収に成功しました。

(注2)

アコムとの関係では,約定利息のもとでは約150万円の残債務がありましたが,利制法利率に引直し計算して過払い金返還請求をした結果,410万円の過払金を回収することができました。

(注3)

SMBCコンシューマーファイナンス(旧:プロミス)との関係では,約定利率では約33万円の残債務がありましたが,利制法利率に引直計算して過払金返還請求をした結果,165万円の過払い金を回収することができました。

 

 この方は,貸金業者と10年以上取引がありました。10年以上,高い約定の利息を支払い続けていると,安い法定利息(利息制限法利息)に引直計算した場合,計算上過払い状態になっているのに,それに気づかず弁済を続ける結果,このような高額な過払金が戻ってくることがあります。

 この過払金は,最終取引時から10年が経過してしまえば時効で消滅してしまいますので,お心あたりがある方は,早急に,守口門真総合法律事務所に御相談ください。

 

 

 

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