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弁護士コラム

民法改正が不動産賃貸経営に与える影響についてセミナー実施

2019年05月22日|ブログ, 不動産

2019年(令和元年)5月19日,大東市立市民会館にて,「やさしい賃貸経営」というタイトルで,近隣の不動産会社様が,主催セミナーを開催されました。

 

内容は,以下のとおりで,第1部を,守口門真総合法律事務所の所長弁護士村上和也と弁護士喜多啓公において,担当させていただきました。

 

第1部 2020年民法改正が不動産賃貸経営に与える影響とは!?

①民法制定以来120年ぶりの大改正の経緯と不動産賃貸業との関係とは!?

②賃貸借契約上の保証人は,極度額を定め書面契約しなければ保証契約は無効に!?

③敷金の定義,返還時期と原状回復義務の範囲の明文化が与える影響とは!?

④建物(部屋)や設備が不具合で予定通りに使えない場合,家賃減額の対象となる!?

 

第2部 人口減少社会の到来!!オーナー様に実行して欲しいこととは!?

①国内の賃貸市況と今後の賃貸経営のポイントとは!?

②年商400億円超えの不動産運用術大公開!

③JPMCの運用ノウハウとサブリース商品について!

 

第3部 8割近くが払い過ぎ!知らなきゃ損する「相続税還付」について

①なぜ相続税が払い過ぎになるのか!?その仕組みを大公開!

②これまでの最高還付額は2億3千万円!平均還付額は約2千万円(アレースの実績)

③相続税の法定申告期限から5年間は更正の請求手続きが可能!

 

 

改正民法では,保証人保護の規定(極度額の定め・保証契約締結時の情報提供義務・保証契約締結後の情報提供義務等)や賃借人保護の規定(原状回復義務の範囲・賃料減額等)が新設されていますので,不動産オーナーとしても,改正内容を理解し,賃貸借契約書を修正する必要があります。賃貸借契約の更新時期も,随時,到来するしょうから,気になっておられるかと思いますので,その良い機会をご提供できたと思います。

 

守口門真総合法律事務所においては,随時,研修講師・セミナー講師を承っております。ご用命がございましたらお声かけください。

 

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区分所有マンションにおける高圧受電方式を採用する決議の効力

2019年04月11日|不動産, 弁護士コラム

区分所有者の方も,管理会社の方にとっても,マンションの総会決議の有効性について,今後は十分に検討しなければならない重要な判決が,平成31年3月5日に,出されました。

最高裁平成31年3月5日第3小法廷判決について,ご紹介します。

1 事案の概要

事件の当事者は,同じマンション(団地)の区分所有者です。

平成26年に,マンション管理組合の通常総会において,マンション内の電力供給に関して,「高圧受電方式」への変更をする決議がなされました。というのは,従来,マンション内の区分所有者は,個別に電力会社との間で専有部分において使用する電力の供給契約を締結して,共用部分である電気設備を通じて電力の供給を受けていました。この電力の供給契約について,専有部分の電気料金を削減する目的で,管理組合が一括して電力会社との間で高圧電力の供給契約を締結し,区分所有者が管理組合との間で専有部分において使用する電力の供給契約を締結して電力の供給を受けるという「高圧受電方式」へ変更するという決議でした。

この方式へ変更するためには,従来から個別で電力受給契約をしている区分所有者の全員がその個別契約を解約することが必要とされます。

しかし,「高圧受電方式」の導入に反対した区分所有者の方がおられ,個別契約の解約を申し入れませんでした。

もし,一括受電方式が導入できていれば共用部分の電気料金が安くなるということで,一括受電方式が導入された場合の1kw当たり23.4円と推計して算出した5ヵ月分の電気料金計3万1075円と,導入しなかった場合の通常電気料金4万240円の差額9165円(1戸当り)の合計約500万円を,導入に賛成されていた区分所有者の方が,導入に反対された区分所有者の方に対して,支払うよう提訴しました。

 

問題となるのは,マンション内の電力供給につき,マンション管理組合の決議で決定することができる「共用部分の変更またはその管理に関する事項」かどうかです。

2 第1審と第2審(控訴審)

第1審及び第2審ともに,本件決議の有効性を認めて,請求を認めました。

その理由として,本件マンションにおいて電力は共有部分である電気設備を通じて専有部分に供給されており,本件決議は共用部分の変更またはその管理に関する事項を決するなどして高圧受電方式への変更をすることとしたものであって,その変更をするためには個別契約の解約が必要であるからである,としました。

3 最高裁判決

しかしながら,最高裁判決は,以下のとおり述べて,本件決議は有効ではないとしました。

「高圧受電方式への変更をすることとした本件決議には,共用部分の変更またはその管理に関する事項を決する部分があるものの,本件決議のうち,区分所有者に個別契約の解約申し入れを義務付ける部分は,専有部分の使用に関する事項を決するものであって,共用部分の変更またはその管理に関する事項を決するものではない。したがって,本件決議の上記部分は,区分所有法第17条1項又は18条1項の決議として効力を有するものとはいえない。このことは,高圧受電方式への変更をするために個別契約の解約が必要であるとしても異なるものではない。

そして,細則が,高圧受電方式への変更をするために区分所有者に個別契約の解約申し入れを義務付ける部分を含むとしても,その部分は,区分所有法30条1項の区分所有者相互間の事項を定めたものではなく,同項の規約として効力を有するものとはいえない。なぜなら,区分所有者がその専有部分において使用する電力の供給契約を解約するか否かは,それのみでは直ちに他の区分所有者による専有部分の使用又は共用部分等の管理に影響を及ぼすものではないし,また,高圧受電方式への変更は専有部分の電気料金を削減しようとするものにすぎず,この変更がなされないことにより,専有部分の使用に支障が生じ,又は共用部分等の適正な管理が妨げられることとなる事情はうかがわれないからである。」

したがって,導入に反対された方が個別契約の解約を申し入れないことは,違法なことではないため,損害を賠償する責任はないと判断しました。

4 コメント

マンションの電力供給に関する事例でありますが,最高裁の判断は,より一般的に,マンション管理組合の総会決議が共用部分の変更またはその管理に関する事項なのかどうかを判断しています。マンション管理組合の総会決議の効力に関し,多数決で決する共用部分と,区分所有者が判断する専有部分との区別を明らかにした一例といえますので,今後マンション管理組合の総会決議をされる際には検討しなければならないこととなります。

区分所有者の方はご自身の利害にかかわる事柄で,管理者となっている管理会社の方にとっても業務に関し注意しなければならない判決といえます。

総会決議の有効性につき,疑問が生じた方は,ご相談ください。

5 まとめ

区分所有マンションで高圧受電方式を採用したい場合には,区分所有者全員の承諾が必要となります。

1人でも反対者がいれば,高圧受電方式を導入することはできません。

反対者は,導入すれば安くなったであろう電気料金の差額を損害賠償する責任を負いません。

 

 

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遺言書の書き直しについて

2019年04月2日|弁護士コラム, 相続

1,遺言書の書き直しの可否

最近,いわゆる終活が盛んで,遺言書や相続税に関するご相談が増えています。
そのなかで,「昔,遺言書を作成したのですが,作成当時と状況が変わったので,内容を変更したいんです。どうしたら良いですか?」というご相談が年数件ありますので,ご回答させていただきます。
結論から言いますと,遺言書はいつでも書き直せます。遺言書が複数ある場合,新しい作成日付のものが優先されるからです。
よって,現在お考えになられている内容の遺言書を作成すれば良いです。

2,実際のご相談例

最近実際にあったご相談の具体例として,前に,信託銀行の勧めで,公正証書遺言を作成したが,真意に添わない遺言だったので,作成し直したい,というものです。
「なぜ,真意に添わない遺言なのに作成したのですか」と御質問したところ,要するに,信託銀行としては,紛争を避けたいばかりに,遺言者に対して不義理の限りを尽くしている推定相続人の遺留分を保証する遺言にするために,そういう遺言内容に強く誘導されて,作成に応じたが,やっぱりあとになって,納得がいかない,ということでした。
ご相談者は,公正証書遺言の再作成にあたって,「信託銀行の許可を取らなくてよいですか」「信託銀行に預けている公正証書遺言を取り戻さなくてよいですか」など御心配されていましたが,いずれも不要ですので,ご安心して,真意に添った遺言を再作成していただきました。

3,前の遺言書の処遇

なお,前の遺言書をどうするか,その処遇ですが,前の遺言書が自筆証書遺言の場合は廃棄すれば良いですし,他方,前の遺言書が公正証書遺言の場合は,新しい公正証書遺言に「遺言者●●は,本日以前における遺言(公正証書遺言を含む)の全部を撤回する」という条項を盛り込めばよいだけです。

詳細につきましては,こちらの守口門真総合法律事務所のHPもご参照いただければと思います。
https://murakami-law.org/inheritance/heredity-004.html

4,最後に

このように,遺言書はいつでも書き直せますが,手間がかかります。また,上記のような条項をいれた場合,敵対する相続人が,撤回前の公正証書遺言の内容や存在を持ち出して,争族に発展してしまうおそれがあります。
付言事項を詳細に記載することで,争族に発展するリスクを減らすこともできますが,100%争族に発展しない保証はありません。
ですから,遺言書の作成を考えている方は,守口門真総合法律事務所にお問い合わせいただき,綿密に弁護士と打ち合わせをしていただき,書き直しが不要なものを作成していただきたいと思います。

 

 

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相続法改正について

2019年03月27日|弁護士コラム, 相続

1 民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律の成立

  2018年7月6日,民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律が成立し(公布は同年7月13日),一部の規定を除き,2019年7月1日から施行されます。
 今回の改正は,急速に社会高齢化が進んだことで,相続発生時に既に高齢となっている配偶者の居住保護や,相続争いを防ぐための自筆証書遺言の方式の緩和等,現代の相続における問題意識を多分に反映したものになっています。

  改正法においては,主に,①配偶者の居住権を保護するための方策,②遺産分割に関する見直し,③遺言制度に関する見直し,④遺留分制度に関する見直し,⑤相続の効力等に関する見直し,⑥相続人以外の者の貢献を考慮するための方策等が中心になっていますが,今回はそのうちの,①配偶者の居住権を保護するための方策,②遺産分割に関する見直しについてご説明いたします。

 

2 配偶者の居住権を保護するための方策

※2020年4月1日施行

(1)配偶者短期居住権

   配偶者は,相続開始時に被相続人の建物に無償で住んでいた場合には,遺産分割によりその建物の帰属が確定するまでの間(但し,最低6か月は保障),居住建物を無償で使用する権利(配偶者短期居住権)を取得することができます。

但し,居住建物が第三者に遺贈された場合や,配偶者が相続放棄をした場合等には,居住建物の所有者から配偶者に対し配偶者短期居住権の消滅の申入れをすることができ,配偶者は,消滅の申入れを受けた日から6か月を経過するまでの間,無償でその建物を使用し続けることができることになります。

現行制度では,判例法理により,配偶者が相続開始時に被相続人の建物に無償で住んでいた場合,原則として被相続人と配偶者との間で使用貸借契約が成立していたと推認されることになりますが,居住建物が第三者に遺贈されてしまった場合や被相続人が反対の意思を表示した場合に使用貸借が推認されず,配偶者の居住が保護されないという問題点がありました。

(2)配偶者居住権

配偶者が相続開始時に被相続人の所有建物に居住していた場合に,終身又は一定期間,配偶者が無償でその建物を使用し続けることを内容とする権利(配偶者居住権)が新設され,遺産分割協議において配偶者に配偶者居住権を取得させたり,被相続人が遺贈等によって配偶者に配偶者居住権を取得させることができるようになります。

   現行制度では,配偶者が居住建物を取得する場合には,相続により取得できる他の財産の金額が大幅に減少してしまうという問題点がありました。

 

3 遺産分割に関する見直し

(1)配偶者保護のための方策(持戻し免除の意思表示の推定)

    婚姻期間が20年以上である夫婦の一方が他方に対し,その居住の用に供する建物又はその敷地を遺贈又は贈与した場合については,原則として,計算上遺産の先渡し(特別受益)を受けたものとして取り扱わなくてよいものとなります。

   現行制度では,配偶者に対し不動産の贈与等を行ったとしても,原則として遺産の先渡しを受けたものとして取り扱うため,配偶者が相続により最終的に取得する財産額は,贈与等がなかった場合と同じになってしまうという問題点がありました。

(2)遺産分割前の払戻し制度

 ア 家庭裁判所の判断を経ずに行う預貯金の払戻し

      各相続人は,被相続人の遺産に属する預貯金のうち,各口座毎に以下の計算式で求められる額(但し,同一の金融機関に対する権利行使は150万円を限度とする)まで,他の相続人の同意なく単独で払戻しができることになります。

    【計算式】

(相続開始時の預貯金額)×(3分の1)×(払戻しを求める相続人の法定相続分)

 イ 家事事件手続法の保全処分の要件が緩和

家庭裁判所は,遺産分割の審判又は調停の申立てがあった場合に,被相続人の相続財産に属する債務の弁済,相続人の生活費の支弁その他の事情により,遺産に属する預貯金を利用する必要があると認めるときは,他の相続人の利益を害しない限り,申立てにより,遺産に属する特定の預貯金の全部又は一部を仮に取得させることができるようになります。

 ウ 現行制度では,相続された預貯金は遺産分割の対象財産に含まれるため,相続人が単独で払戻しを行うことはできないものとされており,生活費や葬儀費用の支払,相続債務の弁済などの資金が必要な場合にも,遺産分割が終了するまでの期間について,被相続人の預貯金の払戻しができず,預貯金が塩漬け状態になるという問題がありました。

(3)遺産の分割前に遺産が処分された場合の遺産の範囲

相続開始後に相続人の一人が遺産に属する財産を処分した場合に,相続人全員の同意により,処分された財産を遺産分割の対象に含めることができるようになります。
 なお,相続人の一人又は数人が遺産分割前に遺産の処分をした場合には,当該処分をした相続人について同意は不要とされています。

現行制度では,上記処分がなされた場合に,当該出金分が遺産の範囲に含まれない結果,他の相続人の相続分が実質的に減少する可能性がありました。

 

4 小括

  改正相続法は,一部規定を除き,2019年7月1日から施行されます。

当事務所は,地域密着型法律事務所として相続分野に力を入れております。
遺言相続についてのご相談は,守口門真総合法律事務所にぜひご相談ください。

 

 

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保証契約に関しての民法改正

2019年02月15日|不動産, 弁護士コラム

1 保証契約とは

「保証契約」とは,保証人が,債権者との間で,借金の返済や代金の支払などの債務を負う「主債務者」がその債務の支払をしない場合に,主債務者に代わって支払をする義務を負うことを約束する契約をいいます。

主債務者から「保証人になってほしい」と依頼されることが多いかと思いますが,保証契約の主体は,保証人と債権者とになります。

 

なお,「連帯保証契約」とは,保証契約の一種ですが,主債務者に財産があるかどうかにかかわらず,主債務者に対する支払の催告や財産調査をすることなく,債権者が保証人に対して支払を求め,保証人の財産の差押えをすることができるものです。以下では,単に「保証」としていますが,すべて「連帯保証」を含みます。

2 保証契約のリスク

保証人は,主債務者の代わりに主債務者の負った債務を支払うよう債権者から求められることになります。保証人が任意に支払わない場合には,保証人は,自宅の不動産が差押え・競売されて立退きを求められたり,給与や預貯金の差押えを受けたりするなど,裁判所の関与の下で支払を強制されることにもなります。

このように,保証は大きな財産的リスクを伴うものですが,主債務者から「迷惑をかけないから」,「名前だけ貸してほしい」などと言われて,安易に保証人となった結果,後々,大変な状況に陥ってしまうというケースも見られます。

保証人になる際には,このようなリスクがあることを十分に認識しておくことが重要です。

3 極度額(上限額)の定めのない個人の根保証契約について

「根保証契約」とは,一定の範囲に属する不特定の債務について保証する契約をいいます。

例えば,保証人となる時点では,現実にどれだけの債務が発生するのかがはっきりしないなど,どれだけの金額の債務を保証するのかが分からないケースをいいます。

例えば,以下のようなケースが根保証契約に該当する可能性があります。

①子どもが1人暮らしのためにアパートを賃借する際に,その賃料などを賃貸人との間で親が保証人となるケース

②会社の社長が,会社の取引先との間で,自分の会社が取引先に対して負担する全ての債務につき保証人となるケース

③親を介護施設に入居させる際に,その入居費用や施設内での事故による賠償金などを介護施設との間で子どもが保証人となるケース

4 根保証契約のリスク

根保証契約を締結して保証人となる際には,主債務の金額が分からないため,将来,保証人が想定外の債務を負うことになりかねません。

そこで,次のようなルールが設けられています。

 

①極度額(上限額)の定めのない個人の根保証契約は無効

個人(会社などの法人は含まれません)が保証人になる根保証契約については,保証人が支払の責任を負う金額の上限となる「極度額」を定めなければ,保証契約は無効となります。この極度額は書面等により当事者間の合意で定める必要があります。

極度額は,「○○円」などと明瞭に定めなければなりません。上記の賃貸借契約のケースで,保証の極度額を「賃料〇〇か月分」と定めていても,無効になる可能性があります。

保証人は極度額の範囲で支払の責任を負うことになるので,保証をする際には,極度額に注意を払いましょう。

また,極度額を定めないで根保証契約を締結してしまうと,その契約は無効となり,保証人に対して支払を求めることができないことになるので,債権者にとっても注意が必要です。

 

②特別の事情による保証の終了

個人が保証人になる根保証契約については,保証人が破産したときや,主債務者又は保証人が亡くなったときなどは,その後に発生する主債務は保証の対象外となります。

5 根保証契約に関する民法の改正

保証人が個人である根保証についての極度額に関する規律が,適用範囲を拡大しました(改正民法465条の2)。

改正前民法では,根保証については,貸金等を対象とするもの(債務の範囲に金銭の貸渡しまたは手形の割引を受けることによって負担する債務が含まれるもの)についてのみ,極度額を定めなければ効力を生じないとされていました。

これが,今回の改正により,貸金等を対象とするものという限定がなくなりました。

そのため,改正民法が施行される2020年4月1日以降に締結される根保証契約で,個人が保証人となるものについては,極度額の定めを置いておかなければ,効力を生じません。

 

※なお,主債務に貸金等債務(金銭の貸渡しや手形の割引を受けることによって負担する債務)が含まれる根保証契約については,既に,2005年4月1日から,今回のルールよりも更に厳しいルールが設けられています。このルールは,今回の民法改正の後も変わりません。

6 公証人による保証意思確認手続の新設について

法人や個人事業主が事業用の融資を受ける場合に,その事業に関与していない親戚や友人などの第三者が安易に保証人になってしまい,多額の債務を負うという事態が依然として生じています。

そこで,個人が事業用の融資の保証人になろうとする場合には,公証人による保証意思の確認を経なければならないこととされています。この意思確認の手続を経ずに保証契約を締結しても,その契約は無効となります。

なお,この意思確認の手続は,主債務者の事業と関係の深い次のような方々については,不要とされています。

①主債務者が法人である場合

その法人の理事,取締役,執行役や,議決権の過半数を有する株主等

②主債務者が個人である場合

主債務者と共同して事業を行っている共同事業者や,主債務者の事業に現に従事している主債務者の配偶者

 

公証人は,全国に約500名おり,公証役場は約300箇所あります。保証意思確認の手続について,嘱託先とすべき公証役場に制限はありません。

7 公証人による保証意思確認の手続の流れ

①公証役場に行く

これから保証人になろうとする方は,保証契約をする前に,原則として公証役場に出向いて,保証意思確認の手続(保証意思宣明公正証書の作成の嘱託)を行うことになります。

保証意思宣明公正証書は,保証契約締結の日前1か月以内に作成されている必要があります。

この手続は,代理人に依頼することができません。本人自身が公証人から意思確認を受けることになります。

 

②保証意思の確認

公証人から,保証人になろうとする方が保証意思を有しているのかを確認されます。

保証をしようとしている主債務の具体的な内容を認識しているか,保証をすることで自らが代わりに支払などをしなければならなくなるという大きなリスクを負担するものであることを理解しているか,主債務者の財産・収支の状況等について主債務者からどのような情報の提供を受けたかなどについて確認を受けます。このほか,保証人になろうと思った動機・経緯などについても質問されることがあります。

その後,所要の手続を経て,保証意思が確認された場合には,公正証書(保証意思宣明公正証書)が作成されます。

 

保証意思確認の手続の手数料は,1通1万1, 000円を予定されています。その他の費用については,嘱託先となる公証役場にお問い合わせください。

8 情報提供義務の新設

このほか,保証人のために,次のような情報が提供されるようになります。

①保証人になることを主債務者が依頼する際の情報提供義務

事業のために負担する債務について保証人になることを他人に依頼する場合には,主債務者は,保証人になるかどうかの判断に資する情報として,以下の情報を提供しなければなりません。

ⅰ 主債務者の財産や収支の状況

ⅱ 主債務以外の債務の金額や履行状況等に関する情報

このルールは,事業用融資に限らず,売買代金やテナント料など融資以外の債務の保証をする場合にも適用されます。

 

②主債務者が期限の利益を喪失した場合の情報提供義務

債務者が分割金の支払を遅滞するなどしたときに一括払いの義務を負うことを「期限の利益の喪失」といいます。主債務者が期限の利益を喪失すると,遅延損害金の額が大きくふくらみ,早期にその支払をしておかないと,保証人としても多額の支払を求められることになりかねません。

そのため,保証人が個人である場合には,債権者は,主債務者が期限の利益を喪失したことを債権者が知った時から2か月以内にその旨を保証人に通知しなければならないとされています。

 

③主債務の履行状況に関する情報提供義務

主債務者の委託を受けて保証人になった場合には,保証人は,債権者に対して,主債務についての支払の状況に関する情報の提供を求めることができます。

※この情報提供は,法人である保証人も求めることができます。

9 さいごに

保証契約に関しては,事業資金の借入れだけでなく,アパートや施設の入居にも関わる身近なものであり,民法改正で重要な改正がなされていますので,ご相談は守口門真総合法律事務所まで。

 

 

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