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弁護士コラム

自筆証書遺言が無効である,と争われる場合

2021年01月28日|弁護士コラム, 相続

守口門真総合法律事務所の弁護士村上和也です。
本日は,自筆証書遺言が無効である,と争われる場合について,解説します。

このような事例を考えてみてください。
父が死亡し,法定相続人は母,長男(相談者),次男の3名である家族があるとします。
ここで,父から次男に全部相続させる内容の自筆証書遺言があり,次男が保管していた,というものです。
もっとも,生前の父と次男の関係性からすると,父が,次男に対して全遺産を相続させるという内容の遺言を書くわけがない,しかも,遺言書作成日の時点では父は認知能力が低下しており作成するような心身の状態では無かった,そのような事例を想定してみてください。

このような状況下でしたので,長男(相談者)が,弁護士に依頼して,その自筆証書遺言は無効であることを主張しました。無効の理由としては,①自筆証書遺言は偽造である,②偽造ではない(父が書いた)としても,遺言能力が無かった,という2点です。

ただ,万一,自筆証書遺言が有効であった場合に備えて,次男に対して,遺留分侵害額請求権も行使します。この権利行使は,あとで行使の事実を立証する必要があるので,内容証明郵便を使います。

長男(相談者)の相続分を具体的に分析しますと,まず,①遺留分侵害額は,法定相続分(4分の1)の2分の1ですから,8分の1です。次に,②自筆証書遺言が無効であることの理由が,遺言能力の不存在である場合は4分の1です。他方,③自筆証書遺言が無効であることの理由が,次男による偽造であれば,次男は欠格事由があるため相続権を失う結果,2分の1となります。

このように,ケースによって長男(相談者)の相続分は大きく異なってきます。

そこで,長男(相談者)からの依頼を受けた弁護士としては,まず,自筆証書遺言が次男により偽造されていないか調査するために,被相続人かつ遺言者である父の筆跡と次男の筆跡とを照合します。

具体的には,弁護士会が提携している筆跡鑑定業者に,簡易鑑定を依頼します。簡易鑑定ですから,費用は10万~20万円程度です。

その際は,自筆証書遺言と,父の筆跡サンプルと,次男の筆跡サンプルとを,筆跡鑑定業者に送付します。サンプルは多い程,鑑定の精度が高まり,また,コピーより原本を送るほうが,鑑定精度が高まります。

そして,事前調査の結果をみて,他方,偽造の可能性が高そうであれば,遺言書が適法に作成されていないことを理由とする遺言無効確認調停を申立てします。いきなり裁判することはできずに,先に調停を申立てる必要があります(調停前置主義といいます)。もっとも,調停において,偽造者が偽造を認める可能性は低いでしょうから,調停は不調に終わります(なお,不調で終わることがほとんどですから,裁判所に対して上申をすれば,調停申立てをすることなく,いきなり遺言無効確認訴訟を提起できることもあろうかと思います)。

そこで,弁護士としては,遺言無効確認訴訟を提起します。訴訟においては,裁判所から選任された鑑定人に,筆跡鑑定をしてもらいます。費用は50万円程度かかることが多いです。

そして,次男による偽造という鑑定結果が出れば,次男は欠格事由があるため相続権を失う結果,長男(相談者)は遺産の2分の1を取得できることになります。

他方,偽造の可能性が無さそうであれば,遺言能力が不存在であることを理由とする遺言無効確認の調停申立てをします。遺言能力が存在するかどうかは,カルテ・診断書・看護記録・介護保険認定に関する資料(認定調査票・主治医意見書・要介護認定結果・介護保険費通知書)等から判断します。

その判断結果として,遺言能力が不存在であれば,長男(相談者)の相続分は4分の1であることを前提に,遺産を分割することができます。

他方,遺言能力が存在していれば,自筆証書遺言が有効であることを前提に,遺留分侵害額請求権を行使し,遺産の8分の1相当額の遺産を取得します。
相続について気になることがありましたら,ぜひ気軽にご相談ください。

弁護士村上和也のプロフィール
所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言・相続(遺産分割・遺留分・遺言執行)・成年後見
講演歴:①「今日から始める相続対策」(終活セミナーでの講演)
    ②「相続・遺言・遺留分・金銭管理・成年後見」
     (地域包括支援センター家族介護教室での講演)
    ③「金銭管理・成年後見・個人情報保護」(認知症サポーター養成講座での講演)

弁護士からの一言
・早い段階で御相談いただくほうが良い解決につながることが多いですから,ささいなことでも結構ですので,お早めにお問い合わせください。
・相続問題は,遺産分割調停・遺留分減殺請求訴訟等,様々な紛争を扱う,紛争処理のプロである弁護士に御相談ください。

遺言・相続・成年後見のことでお悩みの場合,まずは守口門真総合法律事務所までお問い合わせ相談ください。初回は無料で御相談可能です。

守口門真総合法律事務所(京阪守口市駅西出口すぐ)
大阪府守口市寺内町2丁目7番27号ステーションゲート守口5階
TEL:06-6997-7171
守口市・門真市の遺言・相続や成年後見(財産管理)に関する詳細はこちら(当事務所HP)

親の介護の面倒をみる場合に気を付ける点

2021年01月13日|弁護士コラム, 相続

守口門真総合法律事務所の弁護士村上和也です。
介護等親の面倒をみる場合に気を付けるべき点はどのようなことでしょうか,と,よく御相談を受けますので,本日はこの点の解説をさせていただきます。

介護等親の面倒をみる場合に気を付けるべき点

両親のどちらかが亡くなり、残された片方の親に介護が必要な場合、兄弟の誰かが同居などをして面倒をみることもあると思います。その場合、面倒をみる人はどのようなことに気を付けたらよいか考えてみましょう。

高齢化社会の現状
現在日本国内では4人に1人が65歳以上の高齢者であり、2035年には3人に1人の割合に増加するほどの高齢化社会になっています。人間誰しも老化は避けられず、いつまでも元気でいてほしい親も介護が必要になる日は突然やってきます。

有料老人ホームなどの介護施設に入居できればいいのですが、経済的事情や入居希望者多数で順番待ちであったりとスムーズに行かないことも多いはずです。

そういった場合、兄弟の1人が親と同居して介護するという選択肢はよく選ばれます。

介護と相続について

相続が発生した際、兄弟の1人が同居して親の介護をした事情について、他の兄弟とどれだけ事前に話し合って納得していたかが揉めない相続を実現するために重要です。

この点,親を介護している段階で将来の相続の話をすることは、財産目当ての介護という印象を与えてしまいそうでなかなか気の進むものではありません。

しかし親の介護に伴い、事前に相続財産について話し合うことはとても大切なのです。なぜなら、現実の介護は生易しいものではないからです。

身体が不自由で食事や排泄の補助程度であれば、育ててくれた感謝の気持ちがあれば,容易とまでは言えないにしても,可能であることもあろうかと思います。しかし、認知症が発症してしまうと,徘徊や異食症や暴力行為等に繋がることもあり,そうなるとそれまでの何倍にも苦労は増えます。徘徊の場合は,警察にいって身柄を引き受ける苦労を余儀なくされます。ご飯を食べさせても,それを忘れて1時間後にまたご飯を催促されるようなこともあります。ときには,自分で財布を置き忘れて見つけられないようなときに「盗ったでしょう!?」と疑われることもあると聞きます。

そうすると,ときには仕事を辞めて介護に専念しなければいけない状況にまでなります。このような過酷な介護は年数が決まっているわけでなく、終わりなき介護に疲れ果てしてしまう人も増えていますし,なかには精神を患ってしまう方もいます。

またよくあるトラブルとして、介護される親がたまに顔を出してくれる他の兄弟にかまって欲しいと思うあまり、介護している者の悪口や不満を言ってしまうということがあります。当然に親の不満を聞いた兄弟は,介護している兄弟に対して不信を抱くわけですが、現実に日々介護している人間にとっては,やるせない思いになったり,腹立たしく感じたりしてしまい兄弟関係が悪化してしまします。

具体策として

兄弟関係を悪化させないために、一方が同居して介護をする際には具体的に次のようなことに事前に話し合っておくべきでしょう。

1、寄与分の認定や遺産分割協議のために準備をしておくこと

寄与分とは、被相続人の財産の維持または増加に貢献した場合に、その貢献の度合いに応じた金額を法定相続分に加えてもらうことのできる制度です。

子供が親を介護することは法律上当然の義務であって、形式的には財産の維持・増加に貢献しているわけではないので、相続の際に介護の功績は過小評価されることが多いのが現状です。財産目当ての気持ちは全くないとしても、苦労して介護を続けた者が相続財産について他の兄弟と等分であることに不満を持つのは、人間感情として十分に理解できるものです。

そこで、親の財産を混合しないように明確に通帳を分けたうえで、兄弟の1人が介護することで浮いた費用(有料老人ホーム入居費用やペルパー費用)を計算したり、介護のためにかかった費用の家計簿をつけたり領収書を保管したり、できる範囲で記録を残しておくことをおすすめします。たとえ法律的には寄与分が認められなくとも、このように客観的な証拠を残しておくことで、遺産分割協議の際に兄弟間の話し合いが感情論にならずに済むはずですし,実質的に公平な遺産分割協議が実現する可能性が高くなります。

2、遺言書を書いてもらうこと

親が認知症になる前の段階で遺言書を書いてもらうことも有益です。遺言書という大それたものでなくとも、普段のやり取りの中で日頃の介護を感謝する手紙やメモを残してもらってください。書面に残しておくことで、介護をしていない他の兄弟も「親の言うこと」として納得しやすいはずです。

また、生前贈与を受けている場合は、遺言の中に「生前贈与した財産は、相続財産に戻さないように」と加えてもらうと「持ち戻しの免除」となり,生前贈与を受けた財産を,遺産から除外して,その余の遺産のみを分割対象にすることができます。

このように,遺言書,生前贈与及び持ち戻し免除により,実質的に公平な遺産分けが実現すできるようにしたいものです。

弁護士村上和也のプロフィール
所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言・相続(遺産分割・遺留分・遺言執行)・成年後見
講演歴:①「今日から始める相続対策」(終活セミナーでの講演)
    ②「相続・遺言・遺留分・金銭管理・成年後見」
(地域包括支援センター家族介護教室での講演)
③「金銭管理・成年後見・個人情報保護」(認知症サポーター養成講座での講演)

弁護士からの一言
・早い段階で御相談いただくほうが良い解決につながることが多いですから,ささいなことでも結構ですので,お早めにお問い合わせください。
・相続問題は,遺産分割調停・遺留分減殺請求訴訟等,様々な紛争を扱う,紛争処理のプロである弁護士に御相談ください。

遺言・相続・成年後見のことでお悩みの場合,まずは守口門真総合法律事務所までお問い合わせ相談ください。初回は無料で御相談可能です。

守口門真総合法律事務所(京阪守口市駅西出口すぐ)
TEL:06-6997-7171
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「遺贈する」と「相続させる」をしっかり使い分けましょう

2020年12月28日|弁護士コラム, 相続

 守口門真総合法律事務所の弁護士村上和也です。
 「遺贈する」と「相続させる」との違いにつき,御相談を受けることがありますので,本日は,この点につき解説を致します。

 「遺贈する」と「相続させる」をしっかり使い分けましょう

 遺言書の作成時に「遺贈する」「相続させる」という言葉をよく使います。「同じような意味だから、どちらを使っても問題無い」と思いがちですが、実は効果が異なります。どのように使い分けるべきか、チェックしておきましょう。

財産を誰に譲るかによって使い分けが必要

 まず、財産を法定相続人に譲るならば、「遺贈する」「相続させる」どちらも可能です。しかし、法定相続人以外のケースは「遺贈する」が適切で、「相続させる」は間違いです。仮に間違えても、「遺贈する」と置き換えて捉えることとなり(遺言に関する有効解釈)大きな問題は起こらないでしょうが、正確な表現を用いるようにしたいですね。

「相続させる」という遺言の意味合い

 「全て」または「一部」の財産を特定の相続人に「相続させる」という内容の遺言は、基本的に遺産分割の方法を設定したことになります。

 分かりやすく言うと、相続が始まった瞬間にその遺産は遺産分割された扱いになり、所有権が移転するという事になります。それが不動産であれば、その相続人が一人で所有権移転登記を実行する事ができ、仮に遺言執行者が存在していたとしても、そのサポートはいりません。

 また、移転登記をしないうちにほかの共同相続人が不動産を第三者に譲っていても、その第三者は権利のない人から権利を受け取った事になるので、第三者を対象にして相続人は土地の返還(登記の抹消)を求める事が可能です。

 ただし「長女に財産の3分の1を相続させる」など、全てではなく割合を「相続させる」と記載したパターンでは、どの財産が長女に帰属しているのかが分からないので、相続分の指定という扱いになり、上記の効果はありません。そして、さらなる遺産分割手続が必須となります。

「遺贈する」という遺言の意味合い

 一方「遺贈する」と記したケースでは、(相続が始まった瞬間にその遺産は遺産分割された扱いになる上記の場合と異なり)遺言者の遺贈義務を相続人全員が引き継ぐ運びになります。例えば不動産のケースでは、相続人全員ないし遺言執行者からの申請が必要となり、それによって移転登記手続を行う必要があります。

 また、受遺者である相続人が登記を実行しなければ、第三者に所有者であると主張する事は不可能とされています(ただし、遺言執行者の執行を妨げるものは無効)。そしてやや特殊な事例ですが、農地の不動産を「遺贈する」としたケース(特定遺贈)に関しては、農業委員会または都道府県知事の許可が必要です。該当しそうな方はこれらの事もおさえておきましょう。

代襲相続が起きた際の扱い

 「遺贈する」と「相続させる」の違いで注意すべきなのは、遺言で遺産を得る予定の人が、遺言者よりも先に死去した際の代襲相続の扱いです。

 これが遺贈であれば、受贈者が先に死去した際は、遺贈の効力が生じない事が明らかですが、「相続させる」という内容の遺言では、遺言者に代襲相続させる意向があったとみるべき特別な事情がなければ代襲は行われない、という判例の立場です。

 差異はわずかと言えますが、いずれの言葉を使うにしても、遺言者よりも早く財産を渡すべき人間が亡くなった場合に代襲相続するかどうかを、分かるように記載しておくことが大切です。

なぜ「相続させる」という表現がよく使われてきたのか

 「相続させる」という表現がよく使われてきたのは、昔はその方が移転登記の登録免許税が安かったためです。しかし、今では相続人への移転登記にかかる税金は「遺贈する」でも「相続させる」でも「1000分の4」と同じです。

 しかし、法定相続人に遺産を渡すケースで、特に遺贈にこだわらないのであれば、遺言執行者やほかの共同相続人が関わる必要のない「相続させる」の方を使う事を推奨します。

 ちなみに、信託銀行などの金融機関に遺言書の作成を依頼した場合「遺贈する」という表現にこだわられることがあるようです。それは、遺言執行者として必ず相続の手続に関与することで、遺言執行者としての報酬を確保することが目的と考えられます。

弁護士村上和也のプロフィール
所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言・相続(遺産分割・遺留分・遺言執行)・成年後見
講演歴:①「今日から始める相続対策」(終活セミナーでの講演)
    ②「相続・遺言・遺留分・金銭管理・成年後見」
    (地域包括支援センター家族介護教室での講演)
    ③「金銭管理・成年後見・個人情報保護」(認知症サポーター養成講座での講演)

弁護士からの一言
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兄弟姉妹が「もし親が亡くなったら財産はいらない」と言っている場合の対応

2020年12月24日|弁護士コラム, 相続

守口門真総合法律事務所の弁護士村上和也です。
兄弟姉妹が「もし親が亡くなったら財産はいらない」と言っている場合の対応につき,よく御相談を受けますので,本日はこの点の説明をさせていただきます。

 兄弟姉妹の中には「親からの支援を十分受けてきたので、もし親が亡くなったら、財産はいらないよ」と言う方もいるかもしれません。その場合、他の兄弟姉妹はどのように対応すべきなのでしょうか。実際に親が亡くなった場合に,言っていたことが変わるのでは?と心配になる場合もあるでしょう。そこで,その約束を確定させる方法はあるのか、考えてみましょう。

遺留分は放棄できる

 被相続人の死後、推定相続人は遺留分の権利(遺留分減殺請求権)を放棄することができます。これを「遺留分の放棄」といい、相続の開始前でも後でも可能です。よって,このような場合には,遺留分を放棄してもらうことで,約束を確定することが可能です。

 ただ,相続開始前に遺留分を放棄する場合には、他の相続人から遺留分を放棄するよう強制されている可能性もあるため、家庭裁判所の許可を得なければなりません(民法1043条)ので御注意ください。少々,難しい手続ですので,弁護士に相談されることをお薦めします。

 もっとも,家庭裁判所から許可を得られたとしても、あくまで相続人からの遺留分減殺請求権がなくなるだけであって、通常の相続権まで放棄することにはなりません。確実にその相続人を被相続人の相続から除外させるためには、被相続人が遺言書を作成する際、親から支援を受けてきたその推定相続人に相続させない内容の遺言書を作成しておく必要があります。このような遺言書を作成しておかないと,遺留分の放棄はできても、遺産分けしない,という本来の目的を達成できなくなります。

 なお、遺留分を放棄するということは、その代襲者も遺留分を放棄したものとみなされます。よって,ある兄弟姉妹が遺留分を放棄すれば,その子(遺言者からみれば孫 「代襲者」といいます)も相続することはできません。

相続放棄・相続分の放棄・相続分なきことの証明

「相続放棄」は、相続開始前に主張しても効力はありませんし、相続放棄を宣言する趣旨の書面を作成しても法的には認められません。同じく「相続分の放棄」または「相続分の譲渡」も、相続開始後でなければ法的な効果はありません。これらの制度は相続ありきで成り立つものだからです。相続開始後、「相続分の放棄・債務」をしても債務は相続するので、債務の相続を免れたい場合は相続放棄をしましょう。

 不動産を相続したときの登記において、「相続分がないことの証明書」というような書面が作成されることがありますが、あまりおすすめしません。相続放棄の手続きも遺産分割手続きも不要で登記手続きができる便利な制度ですが、実態と異なるケースが非常に多く、相続でトラブルを招きかねないためです。

具体的な対応策

 このように、相続開始前に推定相続人を相続から除外するのは制度上、難しいところがあります。わざわざ家庭裁判所に申立てまでして,遺留分を放棄してくれるケースは多くないと思われるからです。

 そこで、対応策としては、遺産不要と主張している兄弟姉妹に,次のような書面を書いてもらうと良いでしょう。つまり,「私は学生時代に、海外への留学費用として○○円援助してもらったので、遺産相続にかかわる一切の権利を放棄します」などです。その際、生前贈与の内容はより具体的である必要があります。

 この手続きによって,遺産は不要と主張している兄弟姉妹が、確実に相続権が喪失するわけではありません。しかし、相続が開始してからその兄弟姉妹の気が変わり、やはり相続したいと主張したとしても、相続前に作成した上記のような書面が証拠となり、生前贈与(内容次第では特別受益)があったことの証明になります。遺産分割協議ではこの書面が決定的となり、満足のいく結果になることでしょう。

弁護士村上和也のプロフィール
所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言・相続(遺産分割・遺留分・遺言執行)・成年後見
講演歴:①「今日から始める相続対策」(終活セミナーでの講演)
    ②「相続・遺言・遺留分・金銭管理・成年後見」
     (地域包括支援センター家族介護教室での講演)
    ③「金銭管理・成年後見・個人情報保護」(認知症サポーター養成講座での講演)

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民法改正 ~保証に関する規定の見直し~

2020年12月23日|不動産, 弁護士コラム

1 保証に関する規定の見直し

 平成29年5月26日,民法の一部を改正する法律が成立し(同年6月2日公布),一部の規定を除き,令和2年(2020年)4月1日から施行されています。

 皆様の生活に影響する部分として,民法改正により,保証契約に関する規定が大幅に見直されましたので,以下,主な変更点をご説明致します。

2 個人根保証一般における極度額の設定

 改正前民法においては,保証契約を書面ですることや,金銭の貸付け等によって負担する債務が含まれる根保証契約(不特定多数の債務を将来にわたって保証人が保証する契約)については極度額を定めなければ無効であることが定められていました。

 これに対し,改正民法においては,個人による根保証契約一般について,金銭の貸付け等によって負担する債務が含まれているか否かを問わず,全て極度額を定めなければ無効であることを定められております。
 これにより,賃貸借契約における個人の根保証契約や,身元保証契約における個人の根保証契約であっても,極度額の設定が必要になりました。

3 公正証書作成による保証意思の確認(事業のための貸金等)

・事業のために負担する貸金等を主たる債務とする保証契約
・主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約
については,保証契約締結前1か月以内に,公正証書によって保証債務を履行する意思を表示しなければ,保証契約の効力が発生しないことになりました。
 これは,事業のために負担する貸金等の場合に限られますので,住宅ローンなどの事業性のない債務や,貸金等の債務でない場合には,公正証書の作成は不要です。

 なお,保証人(個人)が,主たる債務者である法人の理事・取締役・執行役や,総株主の議決権の過半数を保有する支配株主,主たる債務者と共同して事業を行う者(共同事業者)又は主たる債務者が行う事業に現に従事している主たる債務者の配偶者(配偶者)などである場合には,公正証書の作成は不要です。

4 保証人への情報提供義務

(1)保証契約の締結時点において
 保証人(個人)が主たる債務者から委託を受けて,
・事業のために負担する貸金等を主たる債務とする保証契約
・主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約
を締結する場合は,保証契約締結時点において,主たる債務者から保証人に対し,①主たる債務者の財産及び収支状況,②主たる債務以外に負担している債務の有無並びにその額及び履行状況,③主たる債務の担保として他に提供し,又は提供しようとするものがあるときは,その旨及び内容に関する情報を提供する必要があります。

 保証人が,主たる債務者である法人の取締役や,総株主の議決権の過半数を保有する株主,主たる債務者と共同して事業を行う者又は主たる債務者が行う事業に現に従事している主たる債務者の配偶者などである場合にも,情報提供義務は認められます。

 主たる債務者が上記の情報を提供せず,又は,事実と異なる情報を提供した場合,保証人は,その事項について誤認して保証契約を締結した場合で,かつ,情報提供義務に違反したことを債権者が知り又は知ることができたときは,保証契約を取り消すことができます。

(2)委託された保証人が請求した場合
 保証人(個人・法人)が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合,保証人からの請求があれば,債権者は,保証人に対し,遅滞なく,主たる債務の元本,利息,損害賠償,その他主たる債務に関するすべての債務についての不履行の有無,残額,履行期限徒過の有無を通知しなければなりません。

(3)期限の利益を喪失した場合
 主たる債務者が期限の利益を喪失した場合,債権者は保証人に対し,期限の利益の喪失を知った時から2か月以内に保証人(個人)に通知する必要があります。

 この通知がなかった場合,債権者は保証人に対し,期限の利益喪失から通知を行うまでの期間に生じた遅延損害金を請求できません。

4 連帯保証人に生じた事由の効力

 改正前民法においては,連帯保証人について生じた事由の主たる債務者に対する効力については,連帯債務の規定を準用しており,連帯保証人に生じた事由の多くが主たる債務者についても効力を及ぼすものとされていました。

 これに対し,改正民法では,履行の請求,免除,時効の完成については,主たる債務者に対して効力を生じないことになりました。

 これにより,債権者としては,主たる債務者に対する債権と,連帯保証人に対する債権を個々に管理しなければならず,時効期間の経過等に一層注意する必要が生じます。

5 小括

 このように,皆様の生活にも影響を及ぼし得る保証に関する規定は,民法改正によって大幅に見直されています。日常生活に関する法律問題でお悩みの方は,守口門真総合法律事務所まで,いつでもお気軽にご相談ください。

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