【Q＆A】友人からの借金で、返済期限を過ぎてしまった場合

Q1、友人からお金を借りた際「返済期限」に関しては、約束をしています。もし返済期限を過ぎてしまった場合、「元本以外」のお金を友人に支払わなければならないのでしょうか？

A1、返済期限を過ぎた場合は「遅延損害金」を支払わなければならない可能性があります。

お金を借りる、貸すというやり取りには、実際に借りた分のお金（元本）の返済だけではなく「遅延損害金」や「利息」などを支払う、請求するというケースもあります。

利息とは？

借金をしたときに、借りているお金に対して「一定利率」により対価を支払うことを利息と呼びます。 簡単に言えば、お金を貸してくれたので、お礼としてお金を少し上乗せして返すという感覚です。

利息には下記のような計算式があります。

【借りた金額×年率÷365日×利用日数＝利息金額】

計算式を表してみるとこのようになります。
（借りた金額や年率、利用日数は例えです）
例えば，１００万円を，利息を年１４％の利率で，１００日間借りた場合は，以下のように，利息３万８３５６円を支払うことになります。

【1,000,000円×14％÷365日×100＝38,356円】

また，２００万円を，利息を年１５％の利率で，２００日間借りた場合は，以下のように，利息１６万４３８４円を支払うことになります。

【2,000,000円×15％÷365日×200日＝164,384円】

このように、簡単に計算をすることができます。

また、利息というのは、お金を借りる・貸すときにお互いに「利息の支払い」に関して話し合いをして、お互いが「合意」をしなければ成立しません。

利息に関してお互いに「不要」と約束をしているのであれば、支払わなくてもよいということになります。

利息は必要でも「利率」を決めていない場合

お金の貸し借りのときに利息について「必要」だと定めていても、その時点で「利率」を決めていなければ、民法の規定によって「年間5％」という利率が適用されます。

また、個人間ではなく「金融業者」から借金をして、利率が決まっていない場合は「年間6％」という規定が適用されます（どちらの利率も2020年4月の法改正の後、年間3％になることが決定しています）

このように、民法の規定により利率を適用させることを「法定利率」と呼びます。

利息が必要で「利率」を決めてお互いが合意した場合

借りる側と貸す側の両者が利息を必要だと決め、さらに利率を具体的に決めた場合には「約定利率」が適用されます。

約定利率は法定利率よりも優先的に適用されます。

約定利率の決まりごと

約定利率は好き勝手に決めることはできません。
基本的には元金に基づいて何％までの利率を定めることが可能という制限があります（下記参照）。

・元金100,000円未満：年間20％まで
・元金100,000円以上1,000,000円未満：年間18％まで
・元金1,000,000円以上：年間15％まで

このように制限されている利率のことを「制限利率」と呼びます。
もし、制限利率を超えてしまった場合には利息は「無効」となります。

ただし「会社間」で貸し借りを行った場合には「商法」の適用となりますので、利息に関して決めていなくても「年間6％」（2020年4月の法改正後は3％）という利率で、利息を支払うことになります。

遅延損害金を支払う可能性もある

今回の相談のように、友人との間で利息に関して決めていなくても、返済期限に遅れてしまった場合には「遅延損害金」を支払う必要があります。

遅延損害金の計算式がこちら。

【元金×遅延損害金年率÷365×延滞日数＝遅延損害金】

例えば，１００万円を，年１０％の遅延損害金利率で，返済期日を３０日経過した場合は，以下のように，遅延損害金８２１９円を支払うことになります。
例【1,000,000円×10％÷365日×30日＝8,219円】

利率を決めている場合であれば、その利率が「遅延損害金年率」に適用されます。
ただし「制限利率」から計算して1.46倍を超えてしまうと「無効」になります。

もし利率を決めていないのであれば、先ほど説明した「法定利率5％」が「遅延損害金年率」に適用されます。

今回のケースの場合は最終的にどうなるか

友人との間で「利息」も「遅延損害金の年率」も決めていないので、返済期限に遅れた場合には「元金」と「遅延損害金年率5％」の計算で算出した遅延損害金を支払うことになります。