400万円の借金返済で任意整理をすることは可能？

400万円の借金で任意整理することのメリットとは

結論から申し上げると、400万円の借金で任意整理することは可能です。
支払回数や毎月の返済額にもよりますが、大幅に返済額を減らせるケースもあります。

ここでは、任意整理をすることのメリットを具体的にご説明します。

任意整理をすると利息を0にできる

400万円を借金した場合、元本である400万円だけを分割して返済していけばいいわけではありません。
利息制限法に基づき、利息が加算された金額を返す必要があります。

利息制限法では、借入額が100万円以上の場合、年15％までの利息が認められています。
借金をすることで返済不能に陥る人が多いのは、金利によって返済額がどんどん膨らんでいくからです。

例えば、年利が15.0%の場合、年間約60万円の利息を支払わなければなりません。
返済期間が長くなればなるほど借金の総額が増え、返済が苦しくなるでしょう。

任意整理をすると、弁護士が債権者である消費者金融やカード会社と交渉をし、利息を0にしてもらうことができます。
つまり、元本の400万円のみを返済すればよいのです。

任意整理をすると返済期間を短くできる

利息が0になるということは、毎月の返済額を減らすことができ、結果的に返済期間を短くできるという利点が生じます。

任意整理の場合は60回払いになるのが一般的ですが、さらに長い期間で返済していくケースもみられます。
金額が大きければ返済期間を長期に設定してもらいやすいですが、少額でも交渉によって不可能ではありません。
返済期間が短くなり毎月の返済額が減ることによって、精神的負担も軽くなるでしょう。

400万円の借金で任意整理すると100万円以上返済額が減る！？

借金が400万円あっても任意整理はでき、返済額を減らすことが可能と前項でお伝えしました。
それどころか、高額の借金がある場合、任意整理によって100万円以上返済額を減らせるケースがあります。

ここでは、任意整理をしない場合の返済総額とした場合の返済総額を、借金400万円・年利10.0％の例で比較してみましょう。

ケース①　毎月約10万円の返済×4年で総額約487万円

まず、任意整理をせずに400万円を4年(48回)で返済していくとすると、毎月の返済額は10万1450円になります。
返済総額は約487万円となり、87万円ほどの利息を支払わなければなりません。
しかも、毎月10万円以上を返済に充てられるのは一部の人に限られてしまいます。
任意整理をせずに返済していくのは不可能といってよいでしょう。

任意整理をした場合、利息分の87万円は0になりますから、元本の400万円のみを支払っていけばいいのです。
支払期間の調整により約7年(88回)で支払っていくとなると、月々の返済額は45,000円程度になります。

任意整理をすることによって、借金返済の負担が大きく減るのは明らかです。

ケース②　毎月約36,000円の返済×25年で総額約1000万円

まず、任意整理をせずに400万円を25年(300回)で返済していくとすると、毎月の返済額は約36,000円になります。
この場合の返済総額は1000万円以上にも上り、利息分だけでも690万円程度にまで膨らんでしまうのです。

毎月の返済額が少ないため負担が軽いように思いますが、完済までに長期を要するだけでなく、高額の利息を支払うことになります。

任意整理をした場合、利息分の約690万円は0になるため、元本の400万円を返済するのみでよいのです。
本来は25年かけて返済しなければならないところ、毎月の返済額36,000円で約9年支払いを行えば借金が完済できるようになります。

借金の金額が大きければ大きいほど、また、本来の返済期間が長ければ長いほど任意整理をすることの意味が大きくなるでしょう。

借金400万円の返済が厳しい場合は個人再生や自己破産も選べる

収入が少ない、無職で収入がないなどの理由から、任意整理を行っても400万円の借金を返済するのが困難なケースもあるでしょう。
そういった場合には、債務整理の別の方法である個人再生や自己破産などの手続きも視野に入れる必要があります。

個人再生では借金を大幅に減額できる

個人再生は任意整理と同じく、借金の返済額を減らすための手続きですが、任意整理よりも大きく借金の総額を減らすことができます。
1/5程度にまで減額されるケースもあります。

任意整理と個人再生との大きな違いは、裁判所を通すか通さないかという点にあります。

個人再生では裁判所を通じた手続きになるため、官報と呼ばれる国の機関紙に名前や住所などの情報が掲載されるのがデメリットです。
また、保証人への影響や財産の引き上げなどのデメリットもあります。
月収の1/4以上を毎月返済に充てている場合に個人再生がおすすめです。

自己破産では借金がゼロになる

自己破産を選択すると、借金の返済義務そのものが免除されるため、毎月の支払いが必要なくなります。

個人再生と同じく裁判所を通す手続きで、保証人への影響や財産の引き上げなどのデメリットが生じます。
また、ブラックリストに載るため、再度借り入れできるまでに最大10年かかることがあるのも覚えておきましょう。

いずれにせよ、ご自身にとってベストな手続きを進めるには、法律に詳しい弁護士に相談するのが望ましいです。

まとめ

この記事をお読みいただければ、表題である「400万円の借金返済で任意整理をすることは可能か？」という疑問は解決していただけたと思います。
借金の額が大きく返済期間が長くなるほど、自力での返済は困難になるでしょう。

任意整理の手続きを行うことで借金を大幅に減額できる可能性がありますから、まずは法律事務所に問い合わせてみることをおすすめします。