債務整理をしてローンを組むことは可能？気を付けるべき点とは？

借金返済が苦しくて生きていけない…。
そうした悩みを持った方の中には、債務整理を検討する方もいます。

ただし「一度債務整理をしてしまうと、後々の生活で困ってしまうのでは？」と考えてしまいますよね。

特に重要なのが、住宅や車を購入する際のローンを組めなくなるかもしれないこと。
ローンが組めないことは、生活を送る上で大きな買い物がしづらくなり、とても不便です。

今回は、債務整理後にローンを組むことが可能か、気を付けることなどを解説します。

債務整理とは？

そもそも債務整理とは何なのでしょうか。
債務整理とは、借金を減額したり、支払いに猶予を持たせたりすることで、生活を立て直す手続きです。
債務整理の手続きを取ることで、借金の取立を止めることが出来ます。

債務整理には次の4つの手続きがあります。

民事再生（個人再生）や自己破産では必ず裁判所を通すことになっています。

債務整理後にローンを組める？

「債務整理を行うとローンを組めなくなる」と聞いたことがある方は多いと思います。
結論から言いますと、債務整理を行うとローンを組みにくくはなりますが、絶対組めないというわけではありません。
では何故、債務整理をするとローンを組みにくくなるのでしょうか。

お金を貸す債権者は、債務者からお金を返済されるときに支払われる利息で、利益を上げています。
債務者が個人再生や自己破産を行うと、利息がなくなり利益が出なくなってしまいます。 場合によっては元金すら返ってこないことも。そうなると債権者は大赤字です。

そのため「誰がどこでいくら借りた」という情報は、債権者の間で共有されています。 それが信用情報、俗にブラックリストと呼ばれるものです。
「ブラックリストに載る」とは、「債務者が債務整理をした」という事実が信用情報に載ることを指します。

金融機関などの各ローン会社は、お金を貸す前に信用情報を見ます。
その際、債務整理の記録があるとローンを組めなくなることがあるのです。

債務整理後にローンを組めるのはいつから？

では、債務整理後にローンを組みやすくなるのはいつからなのでしょうか。
信用情報の記録は、永久に残っているわけではありません。
任意整理では借金完済後から5年程で、個人再生や自己破産では5年～10年程度で記録は削除されると言われています。

債務整理の情報が信用情報から消えると、新たなローンを組むときに、過去の債務整理の記録は影響しなくなります。

ただし、信用情報から債務整理の情報が消えても、会社独自のデータベースに記録している場合があります。

債務整理をされて返金されなかった業者は、事故情報として記録を残しているのです。
「社内ブラック」と言われ、信用情報とは異なり、記録は一生消えません。
データベースはグループ会社で共有されるため、別の支店でもローンを組むことは出来ません。

債務整理から10年が経過しても、社内ブラックが残っている会社では、ローンの審査に通る可能性はほぼ0だと考えておきましょう。

債務整理後にローンを組むための審査基準とは？

ローンの審査基準はローン会社によって異なりますし、融資担当者の裁量にもよるので、一概に言うことは出来ません。
10年以内に債務整理の記録があっても、現在の収入や資産が大きれければ、ローンを組める会社もあります。

また、債務整理の記録があっても、金額や期間によってはローンを組める場合も。
少額のローンは通しても、住宅ローンなどの多額の融資は通過させない場合も多くあります。

債務整理後にローンを組むときに気を付けることとは？

債務整理後にローンを組む場合には、いくつか気を付けることがあります。

・裁判所の手続きを待つ
債務整理のうち、民事再生（個人再生）や自己破産と言った手続きでは、必ず裁判所に申請を出すことになります。
そういった手続きの場合は、手続きが終わるまではローンを組むことは控えてください。 手続きが終わる前に新たな借金をすることは、裁判所にはとても印象が悪く映り、現在進行中の手続きにも影響しかねません。
債務整理にはそういったリスクがあることも覚えておきましょう。

・事故情報を増やさない
家賃の滞納や、公共料金の支払い忘れがないようにしましょう。
仮に料金支払い滞りの情報を金融機関が知った場合、心証が悪くなり、新たなローンを組むことが難しくなってしまいます。

・資金を貯める
自己資金を貯めて、頭金を用意し、ローンで借りる金額を少なくします。
年収の中でローンの返済額が占める割合を小さくすることで、ローンを組みやすくなります。

・一度に複数のローンに申し込まない
ローンを申し込むと、金融機関は信用情報を参照します。
信用情報には金融機関が参照した履歴が残るため、参照履歴が多いと「何度もローンを断られている」という印象を与えます。
一度に複数のローンに申し込むと、たくさんの履歴が残ってしまうので、審査に通る可能性の高いローンに絞ることが大切です。

まとめ

債務整理とは、借金の金額や期間を見直し、生活を立て直す手続きです。
しかし、債務整理をするとローンを組みづらくなります。
特に債務整理をしてから5年～10年間は、信用情報に事故情報として記録が残ります。 5年～10年間はローンを組みづらくなることは覚悟しなくてはいけません。

ただ、ローンを組めなくなるという理由で、無理をして借金返済を続けた結果、生活が困窮し、自己破産に至っては大変です。
未来にローンが組めないことよりも、今を乗り切ることが大切です。
返済が苦しくなってきたら、早めに専門家に相談するようにしましょう。