債務整理の期間は？どれくらいかかるもの？

債務整理はそれぞれ期間の違いがある

債務整理がどれくらいの期間のかかるものなのかは、債務整理の種類によって異なります。

債務整理とは任意整理、個人再生、自己破産の3つの債務の解消方法の総称です。 そのため、これらの種類によってそれぞれかかる期間が異なります。

任意整理にかかる期間

任意整理は自己破産や個人再生と異なり、裁判所を通す必要がありませんので、それらと比べると比較的スムーズです。

法律事務所の手腕もさることながら、応対する業者の姿勢によっても異なりますが、 3カ月から6カ月程度がおおよその期間となっています。
状況によっては更に早く手続きが終了するケースもありますが、いずれも債権業者次第です。

法律事務所からの開示請求に即座に応対するスピーディーな債権業者もあれば、マイペースに応対する業者まで様々です。

個人再生にかかる期間

個人再生は半年から1年程度かかるとされています。
個人再生に関しては、任意整理と異なり裁判所への申し立てが必要です。
申立書と必要書類を地方裁判所に提出後、申請に何ら不手際がなければ開始決定が出ます。その後、裁判所からの再生計画案認可決定を受けて返済が開始されます。

任意整理と比べると裁判所を通す必要がある点や、裁判所での手続きのために必要な書類の用意等もありますので、手間もかかります。

自己破産にかかる期間

自己破産は管財事件となるか、あるいは同時廃止事件かで、かかる期間が異なります。 同時廃止事件の場合、3カ月から半年程度とされていますが、管財事件の場合は半年から1年程度とされています。

個人再生同様裁判所にて手続きを行うのですが、換価できるだけの資産・財産がある場合には管財事件に、それらがない場合には同時廃止事件となります。
同時廃止の場合は手続きのみですが、管財事件の場合は財産を競売にかけて換金するなどの工程が入ります。 そのため時間がかかる仕組みとなっていることから、期間の違いが生じます。

あくまでも「手続きの期間」

これらの期間は、あくまでも手続きにかかる期間であって、支払いの期間ではありません。支払期間に関しては、借入額と自分自身の返済能力、任意整理や個人再生等、選んだ債務整理の方法に応じて異なります。
また、自己破産であれば支払いそのものはなくなります。

このように、あくまでも「手続きの期間」であって支払期間ではない点は覚えておきましょう。

債務整理による利子や支払いについて

債務整理を行った場合、利子はかかりません。
また、自己破産の場合は支払いそのものもありませんので、これまで返済が大きな負担となっていた方にとっては負担軽減となります。

債務整理を依頼した法律事務所が債権者、あるいは裁判所に申請を出したその瞬間から、従来の約定とおりの返済をする必要が無くなります。

そのため、申請以降利子がつかないだけではなく、元本のみとなることで、それまでの借入期間の利子も減免されます。
ただし、それぞれの方法によって注意点が多少異なります。

任意整理の注意点

任意整理を申請した場合、以降、債権者が提供していたサービスは使えなくなります。
例えば債権者が消費者金融の場合、任意整理以降はそれまでの使用期間に関わらず、キャッシング等のサービスは使えなくなりますし、信販会社相手であればクレジットカードも使えなくなります。

また、クレジットカードに付随していたサービスも全て使えなくなります。
ETCカード、電子マネーとの連携等も一切利用できなくなりますので、信販会社相手に任意整理をと考えている場合、それまでクレジットカードで支払っていたサービスの「これからの支払い」をどうするのかも考えておく必要があります。

個人再生の注意点

個人再生の場合、債務によって返済期間・方法が異なる点には注意が必要です。
任意整理の場合、申請後は利息を抜いた元本のみの返済へと移行します。
月々の返済額・支払期間等を調整するのみで、利息の減免は決定事項と考えて良いでしょう。

しかし、個人再生の場合、再生債権は減免されるものの、共益債権や一般優先債権、非減免債権は減免されません。
また、個人再生そのものが認められないケースもあります。
例えば税金や健康保険料、経営者であれば従業員への未払い期間が長い場合、再生計画そのものが認可されない可能性もあります。

消費者金融・カードローン等に関しても、延滞によって生じた延滞損害金に関しては減免してもらえる可能性があります。

しかし、自転車操業のような状況で、返済の見込みを感じさせないような借入状況の場合においては、非減免債権となってしまう可能性もあります。

自己破産の注意点

自己破産の場合、それまでの借入期間・額に関わらず、返済する必要がなくなります。
しかし、免責不許可事由に該当する場合、残念ながら免責されないケースがあります。
免責不許可事由とは、意図的に財産を隠すことで自己破産のメリットだけを享受しようとする動きがみられる場合や、クレジットカード現金化の一環として、あるいは借金の理由がギャンブルやショッピングといった娯楽嗜好のための費用の場合です。

どれだけの期間借金を背負っていたのかよりも、借金の原因が重視される点は覚えておきましょう。

まとめ

債務整理の期間は、債務整理の種類によって異なります。
任意整理は比較的スムーズで、3カ月から6カ月程度がおおよその期間です。
個人再生は半年から1年程度。
自己破産については、管財事件の場合は半年から1年程度、同時廃止事件の場合は3カ月から半年程度となっています。

また、債務整理を行った場合、利子はかかりませんし、自己破産の場合は支払いそのものもありませんので、これまで返済が大きな負担となっていた方にとっては負担軽減となります。

しかし、今まで利用できていたクレジットカードのサービス等が利用できなるなど、デメリットもありますので、法律事務所に相談をしながら進められることをお勧めします。