債務整理すると結婚に影響を与える？配偶者に迷惑がかかるケースとは

債務整理すると結婚に影響を与える？

結婚前に借金問題を解決しておきたいという人が多い一方、「債務整理をしたら結婚できなくなるのではないか」と心配される方も少なからずいらっしゃいます。
結婚すると、自分のお金と相手のお金を共有するようになるため、債務整理をしたことがバレるのではないかという不安もあると思います。

しかし実際は、債務整理を行っても結婚自体が制限されることはありません。債務整理の手続き中であっても結婚は可能です。
借金はあくまでも個人が負うものですので、結婚前に借金をしていても配偶者が返済義務を負うことはありません。

また、法律上は配偶者に債務整理をした事実を伝える義務はないため、万が一結婚後に債務整理をしたことがバレても離婚事由にはなりません。
とはいえ、借金を隠して結婚した場合、後に債務整理が発覚して不信感を与えてしまう可能性はあるため注意が必要です。

債務整理を配偶者にバレないようにするには？

債務整理が結婚後にバレるかどうかは、債務整理の種類によります。
債務整理の中でも「任意整理」であれば、配偶者にバレる可能性は低いといえます。

任意整理は裁判所を通さず、債権者と直接交渉することで借金を減額する手続きです。
法律事務所に足を運ぶ回数も少なく、弁護士に依頼した後に依頼主が行う手続きはないに等しいです。
しかも、債務整理を弁護士に依頼すると、債権者である賃金業者からの督促がストップします。

配偶者に借金がバレる原因の多くが、債権者からの督促の電話やはがきです。
借金返済を滞納していて配偶者にバレたくない方は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

債務整理が結婚後にバレるケースとは？

債務整理の中でも「自己破産」や「個人再生」の場合は、結婚後に配偶者に知られる可能性が高くなります。

この2つの手続きを行うには裁判所を通さなければならず、さまざまな書類が必要になります。
結婚前に同棲している場合は、同居人の収入証明（通帳や給与明細など）の提出が求められることがあります。そうなると、相手の同意を得ざるをえないため、債務整理を行うことを伝えなければならないでしょう。

また、自己破産や個人再生を行うと、国が発行している官報に名前や住所、事故情報が記載されます。
官報を見る、あるいは婚約者や親族が興信所に調査を依頼した場合、債務整理が発覚する恐れがあるでしょう。

債務整理をして配偶者に迷惑がかかるケースとは？

債務整理をしても、基本的には配偶者に迷惑がかかることはありません。
民法に「夫婦別産制」という制度が設けられており、夫婦であっても財産や負債は別々のものであるとされています。

ただし、配偶者が借金の保証人になっている場合は、債務者が支払いできない時に代わりに返済する義務が生じるため、迷惑をかけてしまいます。

そうならないためにも、結婚前に債務整理をして借金問題を解決しておくことが望ましいです。
「結婚後に債務整理をすると夫婦ともにブラックリストに載るのでは？」と勘違いされている方が多いですが、実際は債務整理をした本人だけがブラックリストに載るだけであり、配偶者がブラックリストに載ることはありません。
そのため、配偶者の信用情報にも影響が及ぶことはないので安心してください。

債務整理をすると結婚生活に影響がある？

債務整理をすると、債務整理をした本人にさまざまな制限がかかるため、結婚生活に影響を及ぼす可能性は否定できません。

もっとも影響が大きいのは、ローンが組めなくなることでしょう。
事故情報が記録される間（任意整理の場合は5年程度、その他は5～10年程度）は住宅ローンや車のローン、教育ローンなどが組めず、他の人がローンを組む時の保証人にもなれません。

共働きの夫婦の場合、住宅を購入する際に「ペアローン」を組むケースは少なくありません。
しかし、債務整理をするとペアローンも組めないため、配偶者1人の名義でローンを組む必要が出てきます。

夫婦の将来設計を立てるためにも、相手との信頼関係を築くためにも、借金問題や債務整理をしたことを結婚前に話しておくのが理想的ではないでしょうか。

まとめ

債務整理をしても結婚には直接的な影響を与えることはありません。
しかし、自己破産や個人再生の場合は配偶者にバレる可能性が高いため注意が必要です。

債務整理を行った後も油断は禁物です。
借金の返済を滞納すると債権者から督促が来るため、結婚相手にバレる可能性が高まります。
万一の場合に備え、債権者への返済を弁護士に代行してもらう「代行返済」を利用すると安心です。

結婚前に借金問題を解決しておきたい方は、早めに弁護士に依頼することをおすすめします。