債務整理の費用相場はいくら？お金がない場合はどうすればいい？

債務整理の費用相場はいくら？

債務整理には、借金の利息をなくす「任意整理」、借金の利息を減額する「特定調停」、借金を大幅に減額する「個人再生」、借金を帳消しにする「自己破産」の4種類があります。
以下のとおり，手続きを行う債務整理によってかかる費用が異なる点に注意が必要です。

任意整理の費用相場

任意整理では、主に弁護士が債権者との交渉で借金の減額を行うため、裁判所費用がかかりません。
弁護士費用のみが必要となります。
任意整理でかかる弁護士費用の相場は、1社につき30,000円＋減額報酬10％程度です。

内訳は以下の通りです。

債権者が多いほど費用も高くなりますが、他の債務整理よりも相場は低いです。
ただし、借金を3～5年で返済できる収入があることが手続きの条件となります。

特定調停の費用相場

特定調停は、債務者（お金を借りた人）と債権者（貸した業者）が簡易裁判所で話し合い、借金の返済額を減らす手続きです。
弁護士に相談せずに自分で手続きを行う方法ですので、弁護士費用はかかりません。
1社につき500～1,000円程度と費用が安いのが特徴的です。

しかしながら、債権者が交渉に応じてくれないといったケースも珍しくありません。
時間や費用を無駄にしてしまうリスクがあるため、弁護士に相談することをおすすめします。

個人再生の費用相場

個人再生は、借金の総額が5,000万円以下の場合に、5分の1程度まで減らしてもらう手続きになります。
個人再生の費用相場は400,000～500,000円程度です。
債務整理の中でもっとも複雑な手続きとなり、裁判所費用と弁護士費用の双方が必要です。

内訳は以下のようになります。

持ち家を手元に残す場合は、住宅ローン特則を利用するため、100,000円程度かかると考えておきましょう。

自己破産の費用相場

自己破産は裁判所に申し立てを行い、借金返済の免除を求める手続きです。
自己破産の費用相場は300,000円以上となります。
自分で手続きを行うこともできますが、自分で債務整理を行うことは非常に難しいと言えます。
免責を得られなかった場合のデメリットが大きいため、弁護士に相談することが望ましいです。

内訳は以下のようになります。

債務整理の費用が出せない場合の対処法

借金の返済が難しくなり債務整理を考えた時、お金がなく費用が出せない場合はどのようにしたらよいのでしょうか。

分割払いで支払う

弁護士費用の一括支払いが難しいでも、分割払いを利用する方法があります。

そもそも債務整理は手元に支払いができなくなった人が行う手続きです。
そのため、多くの弁護士事務所は分割払いに対応しています。
最大36回払いに対応しており、毎月20,000～50,000円程度を返済していくことになります。

債権者への支払いを一時的に停止する

弁護士が債権者（賃金業者）に受任通知を送付する（債務整理の手続きの開始を知らせる）と、債権者は取り立てを一時停止しなければなりません。
これにより、手続き終了まで債権者への支払い義務もストップします。
債務整理は着手から手続き終了までに3ヵ月以上要しますから、その間にお金を貯めることも可能です。

法テラスを利用する

法テラスとは、国が運営する弁護士相談の窓口です。
法テラスからの紹介で弁護士を依頼すると、一般的な弁護士費用の3分の1程度の費用に抑えることができます。
毎月5,000円～の分割払いにも対応しています。

しかしながら、利用には収入や資産に関する要件が設けられています。
例えば、同居家族が2人の場合、申込者及び配偶者の月収額が251,000円以下で資産合計額が250万円以下であることが条件となります。

弁護士と司法書士どちらに依頼するのがいい？

債務整理を依頼する時、弁護士と司法書士のどちらがよいのか迷うところでしょう。

司法書士に依頼すると、弁護士に依頼する場合よりも費用が抑えられます。
ただし、借金額が1社140万円以下という制限があるため、それを超える借金がある場合は弁護士に依頼する必要があります。

また、司法書士は書類作成代理人としての役割しか持たないため、個人再生や自己破産などで地方裁判所に申し立てる際に自分で手続きを行わなければなりません。

弁護士に依頼した場合、書類作成を含め、債権者との交渉や代理人としての出廷まで任せられます。
弁護士が代理人になると、自己破産の管財事件になった際に少額で手続きできる「一般管財」を利用することができます。

1社140万円以上の借金がある場合や確実に手続きしたい場合は弁護士に依頼するようにしましょう。

まとめ

債務整理にはお金がかかるというイメージがあるかもしれませんが、 方法によっては費用を抑えることも可能ですし、分割払いという選択肢もあります。

「弁護士への依頼料の方が借金よりも大きくなるのでは？」「弁護士費用が払えなくなったらどうしよう」などの不安もあるかもしれませんが、そのような心配はありません。
安心して手続きを進めるためにも、信頼できる法律事務所に相談することをおすすめします。