債務整理は2回目でもできる？1回目の影響をどう受ける？

債務整理は2回目でもできる？デメリットは？

結論から申し上げますと、債務整理は2回目でも可能です。
債務整理はどの手続き方法であっても回数制限はありません。

例えば、任意整理は裁判所を通さずに賃金業者との和解交渉により成立するものですから、業者が交渉に応じれば無制限に行うことができます。
ただし、個人再生や自己破産の場合は裁判所を通すため、2回目の手続きを行うにはいくつかの条件を満たす必要があります。

2回目の債務整理を行うデメリットとしては、賃金業者や裁判所の対応が厳しくなるということが挙げられます。
そのため、1回目よりもハードルが高く、手続きに時間がかかってしまうことがあるでしょう。

2回目の債務整理は1回目が影響する！具体的な事例は？

債務整理が2回目以降の時は、1回目でどのような手続きを行ったか、また完済しているかどうかが影響を及ぼします。
ここでは、1回目の債務整理が2回目の債務整理にどう影響するか、具体的な事例をご紹介します。

1回目に任意整理を行っている場合

・完済している
債務整理が2回目であっても特に大きな問題は生じません。

ただし、任意整理を行う債権者が1回目とは別の賃金業者であることが条件となります。
契約を守れず、すでに利息や遅延損害金を免除してもらっているわけですから、1回目と同じ債権者に対して2回目の任意整理を行うことは難しいといえます。
1回目よりも厳しい条件を提示される可能性が高いです。

・完済していない
債権者と再び交渉を行います。これを「再和解」といいます。
1回目の任意整理で利息はカットされているため、遅延損害金の免除を求めることになります。
実際には交渉に応じる業者は少なく、もし再和解できたとしても条件が悪いケースがほとんどです。
個人再生や自己破産の手続きを行うという選択肢も検討する必要があるでしょう。

1回目に個人再生を行っている場合

・完済している
債務整理が2回目であっても特に大きな問題は生じません。
ただし、前回の個人再生が「給与所得者等再生」であった場合、7年以上経過していなければ申し立てができません。

給与所得者等再生というのは、債権者の反対があっても個人再生ができる制度のことです。
利用できるのは、定期的な収入を得る見込みがある人のみとなっています。

また、住宅ローンを控除して減額を行う「住宅資金特別条項」を利用している場合、住宅ローン残高も借金返済の計画に組み込まれます。
住宅ローン以外の借金を完済していても、住宅ローンが残っている場合は再生計画通りに返済できていないとみなされます。
つまり、1回目の個人再生で減額された借金が元通りになってしまうというわけです。

・完済していない
「ハードシップ免責」が適用されるかどうかによります。
ハードシップ免責とは、本人に責任のない事由（病気や事故による入院やリストラなど）で返済ができなくなった場合、残りの返済義務が免除される制度のことです。
免責を認められるには、返済金額の3/4以上の返済を行っているなどの条件を満たす必要があります。

1回目に自己破産を行っている場合

1回目の自己破産から7年以上経過していること、そして借金の理由が1回目と同じ理由ではないことが2回目の自己破産を行う条件となります。
7年以内に自己破産を行っている場合は、任意整理や個人再生も視野に入れることになるでしょう。

2回目の債務整理を行う際のポイント

債務整理は2回目でも行うことはできますが、1回目よりも条件が厳しく、失敗するケースも少なくありません。
手続きを有利に進められるよう、2回目の債務整理を行う際のポイントをチェックしておきましょう。

1．免責不許可事由に該当しないこと
病気やケガ、失業など債務者の意思ではない環境の変化による理由があれば、2回目の債務整理を円滑に進めることができます。

一方、ギャンブルや不要なショッピング、投資、現金化、偽造行為など自己破産が認められない条件（免責不許可事由）に該当すると、債務整理で不利になります。

2．努力や誠意を見せる
1回目の債務整理の時と全く同じ姿勢では賃金業者も裁判所も納得しないでしょう。
2回目の債務整理を有利に進めるためには、「絶対に返済する」という姿勢が大切です。

例えば、車や貴金属を売却して換金する、仕事を掛け持ちする、家賃の安い住宅に引っ越すなどの努力や誠意を見せましょう。

3．実績のある弁護士に相談する
借金が膨れ上がってしまう前に、債務整理に詳しい専門家に相談することをおすすめします。
どうしても返済に困ったからといって、ヤミ金に手を出すようなことはしないでください。
高い金利で貸し付けられるだけでなく、自宅や会社に取り立てがきて、家族や職場の人に借金がバレる可能性が高くなります。
実績のある弁護士などであれば、適切な対処法を提案してくれます。

まとめ

2回目の債務整理を考えている方は、早めにご相談ください。
債務整理の方法は一つではありませんから、一見難しいと思える事案でも解決できることがあります。
債務整理はどの方法であっても、ご自身で行うには相当な手間と時間がかかります。
特に2回目となると、和解交渉や申し立てのハードルはかなり高いと思ってよいです。

借金問題のプロである弁護士であれば、円滑に手続きが進められます。
迷っている方は、一度弁護士にご相談されることをおすすめします。