債務整理は家族に内緒でできる？バレない方法や知られるケースを解説

債務整理は家族に内緒でできる？バレない方法とは？

債務整理を家族に内緒で進めたいというご相談は、当法律事務所にも多く寄せられます。
債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類があり、このうち任意整理は家族に内緒で利用しやすい手続きです。

任意整理は、債権者である賃金業者と直接交渉し、利息をカットして元本の返済方法を調整する方法になります。
裁判所を通さずに手続きできるため、家族の給与明細などの書類を提出する必要はなく、家や車などの財産が処分される心配もありません。

任意整理をしたからといって債権者が家族に連絡することもないですから、バレずに行うことは十分可能です。

個人再生や自己破産は家族に内緒でできる？

利息に加えて元本を大幅に減額できる個人再生、借金の返済義務を免除してもらえる自己破産、2つの債務整理は借金の負担が軽くなる点でメリットが大きい反面、家族に内緒に行うことが難しいといえます。

個人再生や自己破産は裁判所に申し立てを行う厳格な手続きとなり、同居する家族の通帳や給与明細などを提出しなければなりません。
また、全ての借金が債務整理の対象になるため、家族が連帯保証人になっている借金がある場合は、一括請求されることになり、内緒で手続きすることはできません。

自己破産の場合、20万円以上の価値がある財産は処分の対象となり、平日の昼間に裁判所（債権者集会）へ出向かなければならない場合もあります。同居する家族への影響は避けられず、バレるリスクはより高くなるでしょう。

ただし、次の項目に該当する場合は、個人再生や自己破産でもバレずに行える可能性があります。

自己破産で同時廃止を行う場合、手続きが簡易化されるため、家族に内緒にしやすいです。
しかし、管財事件になった場合は、財産調査のために自宅訪問されたり、破産管財人からの書類が自宅に届いたりするため、家族に知られてしまう恐れがあります。

債務整理が家族にバレるケースは？

通常、任意整理が家族にバレることはありませんが、バレやすいケースがあるので注意が必要です。
ここでは、任意整理を含め、債務整理が家族にバレる事例をご紹介します。

ブラックリストに載ることで制限が生じる

債務整理を行うと、信用情報機関に事故情報が記録されます。
いわゆる「ブラックリストに載る」という状態になると、任意整理では約5年間、個人再生や自己破産では約10年間、ローンを組んだりクレジットカードを作ったりすることができなくなります。

すると、債務整理の手続き後に住宅ローンや自動車ローンを組もうとしても、審査に落ちてしまうため、不審に思われやすいです。また、ブラックリストに載っている期間は、子どもが奨学金制度を利用する際に、連帯保証人になることができなくなります。

さらに、債務者名義のクレジットカードや家族カードが利用できなくなるため、今まで使えていたカードが急に利用できなくなることで、債務整理したことがバレるケースがあります。

連帯保証人の家族に請求書が届く

債務整理を行うと、借金の返済義務は連帯保証人に移行します。
家族が連帯保証人になっていると、債権者から家族宛てに請求書が送付されるため、債務整理したことがバレてしまうでしょう。
任意整理であれば、債務整理をする借金を選択できるため、家族が連帯保証人になっている借金を対象から外すことで、バレるリスクが抑えられます。

自己破産で財産が処分される

自己破産を行うと、本人名義の家や車は換価処分されてしまいます。
持ち家に住めなくなってしまうことや車がなくなってしまうことで、同居する家族にも影響が出るため、自己破産の事実を打ち明けなければならないでしょう。

官報に掲載される

個人再生や自己破産を行うと、官報に氏名や住所、事件番号が掲載されるため、家族に知られる可能性があります。
個人再生時は3回、自己破産時は2回、官報で公告されます。
とはいえ、家族が毎日官報を確認しているとは限りませんし、官報に掲載されたことで家族にバレる事例は少ないです。
どうしても不安な人は、官報に掲載されない任意整理を検討しましょう。

まとめ

債務整理を家族に内緒で行うことは可能ですが、バレるリスクは少なからずあります。

「債務整理を家族に内緒にしたい」と強くご希望の方は、弁護士にご相談されることをおすすめします。
弁護士に依頼した場合、家族にバレにくいよう債務整理を進めてもらえますし、債権者からの督促もなくなります。

もちろん、法律事務所からご自宅への郵便物は、事務所名を記載しない・差出人を個人名にするなどの配慮をいたします。
債務整理を家族に内緒で行いたい人は、当事務所までご相談ください。