催告書とは?意味・読み方や届いてからすべきことを解説
「借金を滞納していると催告書が送られてくるって本当?」
「実際に催告書が送られてきたんだけど、どうすればいい?」
とお困りではありませんか?
借金やローンの支払いが滞っていると、金融機関などの債権者から催告書が送られてきます。
似たような書面に督促状というものがありますが、双方の違いや適切な対処法が分からないという方も多いと思います。
この記事では、催告書の意味や届いてからすべきこと、無視していいのかなどの疑問を解消していきます。
催告書の読み方と意味について!どんな時に届く書面なの?
まずは、催告書とはどのような書面のことを言うのか、どんな時に送られてくるのかご説明します。
催告書は借金の返済を要求する書面
催告書の読み方は「さいこくしょ」です。
催告(さいこく)というのは、相手に対してある一定の行為を要求することを言います。
つまり、催告書というのは催告するための書類です。
借金を滞納していると、お金を貸す側である消費者金融から催告書が届くことがあります。
約束している期日までに借金の返済が行われなかった場合に、支払いを要求する目的で送られるものです。
催告書には「〇月〇日までに支払いをしてください」というように、支払期日や滞納金額が記載されています。
納税を滞納した場合も催告書が送られてくる
借金やローンの滞納だけでなく、年金や税金などの納税をしなかった場合にも催告書が送られることがあります。
この場合、催告書は各市区町村から送付されますが、特別な理由がなく滞納を続けてしまうと預貯金や給与、不動産など財産の差し押さえの対象となる可能性があります。
差し押さえた財産は公売などにかけられ、滞納税に充てられます。
金銭的な問題でどうしても期日までに納税できない場合は、管轄の役所などの税務課に相談するようにしましょう。
催告書と督促状の違いとは?届いた時の対処方についても解説!
催告書と混同しやすいのが「督促状(とくそくじょう)」です。
ここでは、催告書と督促状の違いや届いた時にどうすればよいのかをご説明します。
催告書は督促状よりも段階が進んだ書面
催告書と督促状には「借金を返済してください」という意味合いを持つことが共通しています。
しかしながら、催告書は督促状よりも段階が進んだ書面と言えるのです。
借金や税金を滞納すると、滞納から数日~1週間を目安に電話などで催促があります。
さらに1週間~2ヵ月経過すると、督促状が届きます。
督促状は普通郵便で送られてくるのが一般的ですが、内容証明郵便で送られてくることがあり、この場合は催告書の段階と同レベルと考えてください。
督促状を送付しても返済をしない場合、催告書が送られてきます。
催告書は内容証明郵便で届くのが一般的で、金融機関によっては何度も催告書を送ったり、最終督促状や警告書などを送付したりするところもあります。
催告書が届いたら無視してはいけない
督促状や催告書を放置しておくと、2~3ヵ月後に内容証明郵便で「一括請求の通知書」が届きます。
これは、文字通り滞納している借金やローンを一括で支払うことを要求する書面です。
一括請求の通知書を無視すると、債権者が裁判所に給与差し押さえなどの強制執行の申立てを行う可能性が高くなります。
そうなると、債務者のもとに裁判所から「支払督促申立書」や「訴状」が届き、最悪の場合財産を差し押さえられてしまうことになります。
従って、催告書を受け取った段階で、通知内容を確認し期日内に請求金額の支払いを済ませましょう。
また、税金においては、督促状は催告書と同じくらい強い意味を持ち、法律に定められた滞納処分の前段階とみなされています。
地方税法では督促状を送付した日から10日以内に支払いを行わないと、督促手数料や延滞金などが発生し財産差し押さえの対象となります。
税金を滞納していて督促状が送られてきた場合は、ただちに納税してください。
催告書が届いても支払いができない場合は?
催告書を受け取ったものの、お金がなくて支払いができないケースは少なくありません。
この場合も、無視することは絶対に止めてください。
金融機関からの催告書の場合は、各金融機関に設けられた相談窓口に連絡します。
返済が難しいこと、また支払う意思があることを伝え、返済の目途などを話し合います。
金融機関や債務者の状況にもよりますが、返済期日を伸ばしてくれることがあります。
収入が少ない、あるいは収入がない状態でどうしても返済ができない場合には、法律事務所に相談して債務整理を行うのも一つの選択肢です。
債務整理の手続きを開始すると金融機関からの催告が止まりますし、借金問題を解決するための方法を提案してもらえます。
先に申し上げたように、税金や年金保険料の場合は税務課に相談するようにします。
これらは債務整理を行っても支払い義務は解消されません。
催告書が届いてもすぐに対応しない方がよいケースがある
例外として、催告書が届いてもすぐに対応しない方がよいケースもあります。
それは、そもそも借金を滞納していることに心当たりがない時です。
この場合は慌てて連絡してはいけません。
催告書と偽った架空請求詐欺の可能性があるため、警察署に連絡してください。
そして、違法な取り立て行為に関しては賃金業法21条で規定されているため、警察に相談するようにします。
例えば、夜9時以降から朝8時までの電話や訪問、1日に3回以上の督促電話、訪問しての大声での取り立てや暴力行為などが該当します。
催告書で消滅時効が中断する可能性も
借金を最後に返済してから5年あるいは10年経過している場合も注意が必要です。
借金には消滅時効と呼ばれるものがあり、時効が成立し、時効援用の手続きを行えば返済義務がなくなります。
金融機関や賃金業者の場合は最後の返済から5年、信金や奨学金、個人間の場合は最後の返済から10年で時効が成立します。
しかし、催告書に応じてしまうと、時効が中断してしまうのです。
たとえ時効が成立していても、債権者側が催告書を送ってくることがあるので、すぐに対応するのは危険です。
焦って対応してしまうと、払う必要のない債務を承認させられてしまうかもしれません。
まずは落ち着いて、時効が成立しているかどうか、しっかりと確認しましょう。
不安な場合は弁護士に相談をし、対応するようにしてください。
まとめ
「催告書(さいこくしょ)」は借金の返済を要求する書面で、催告書が届いた場合は、基本的に何らかの対応が必要となります。
借金の返済を要求する書類としては「督促状(とくそくじょう)」もありますが、催告書の方が、より強く返済を求める書類に位置付けられます。
催告書が届いているにも関わらず、期日までに返済をしない場合、給与差し押さえなどに発展する可能性もあるので、注意が必要です。
すぐに返済ができない場合は、理由を伝えるなどして、返済を待ってもらうようにしましょう。
対応について不安な場合は、弁護士に相談してから進めるのも方法のひとつです。
催告書に心当たりがない場合や、すでに時効になっている場合は、返済の必要がありません。
心配な場合は、弁護士に相談をしてください。
借金問題担当弁護士
村上 和也
プロフィール
同志社大学卒。平成20年より事務所開設し、守口市・門真市を中心に大阪で借金問題に関する相談多数。自己破産(法人・個人)・民事再生・任意整理・通常清算・過払い金返還請求・消滅時効の援用など。
弁護士からのメッセージ
借金問題を放置することは、総弁済額が増えたり、裁判対応が必要になるなど、デメリットがでてきます。状況はお一人お一人違います。あなたに合った方法で債務整理をお手伝いします。
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