銀行口座が凍結！任意整理で凍結された時の対処法や防止策は？

任意整理で銀行口座が凍結してしまう2つの理由

銀行からの借り入れによる借金を任意整理した場合、直接お金を借りていない銀行の口座は凍結されません。
また、任意整理の対象になっていない口座も基本的に凍結されません。
※いずれも任意整理をした事実は信用情報に載るため、新たにクレジットカードを作ったりローンを組んだりする時の審査に影響する可能性はあります。

では、任意整理で銀行口座が凍結してしまう理由とはなんでしょうか？

任意整理の対象となる銀行カードローンがある

債務整理の手続きの中でも、自己破産と個人再生では全ての債権者が債務整理の対象となります。

一方、任意整理は手続きの債権者を選択することが可能です。
任意整理の対象として選択した銀行カードローンがある場合、その銀行の口座は凍結される可能性があるでしょう。
そして、任意整理の対象となる銀行で、名義人が同じで支店が異なる口座があれば、同様に凍結されます。

例えば、三菱UFJ銀行新宿支店の口座を借金返済に使用していた場合、同銀行の渋谷支店も凍結されるといった具合です。

任意整理の対象となる消費者金融に同系列の銀行がある

任意整理では手続きの対象を選択可能ですが、消費者金融だけを任意整理の対象とした場合でも、同じグループ系列に借り入れをしている銀行カードローンがあれば該当の銀行口座は凍結される可能性があります。

というのも、銀行カードローンはグループ系列の消費者金融を保証会社にしていることが多く、銀行の代わりに審査に入ることがあるからです。

どの消費者金融がどの銀行カードローンの保証会社になっているかは、各ローンの公式サイトや契約書で確認してください。
ただし、銀行カードローンがなければ、グループ系列の消費者金融が保証会社になっていても口座凍結されることはありません。
消費者金融のみ任意整理することが可能です。

任意整理で銀行口座が凍結した！期間や解除時期はいつ？

銀行口座が凍結されると、入金以外の全ての取引ができなくなります。
知らずに任意整理を行うと、給与の振り込みや毎月の自動引き落としができなくなるため生活をする上で困ることが出てきます。
給与振り込みのエラーにより、会社に銀行とのトラブルがあることがバレる可能性もあるでしょう。

銀行口座の凍結が解除されるまでは新たな入金があっても引き出しはできないため、該当口座を日常的に使用している場合は事前に対処が必要です。

一般的に、銀行口座が凍結されるまでの期間は3ヵ月程度と考えられています。
任意整理の手続きに入り、銀行が弁護士から受任通知(任意整理開始を知らせる書類)を受け取った時点から口座凍結が開始します。
保証会社が債務者の代わりに銀行への返済を完了する、すなわち代位弁済を終えた時に口座凍結も解除されます。

中には、契約時に「返済不能になった場合に保証協会に借金が移行し、銀行口座が強制解約となる」という条件を付けている銀行があります。
その場合、代位弁済が終わっても口座凍結の解除が行われず、強制解約となることがあるので注意が必要です。

任意整理で口座凍結された時の対処法や防止策について

もしも、任意整理をして口座凍結されてしまったら、生活に困らないための対処を取ることをおすすめします。
また、相殺されたくない預金がある人や会社にトラブルがバレたくない人は、口座凍結される前の防止策をチェックしておきましょう。

口座凍結された後にできることは3つある！

1．銀行口座の開設

「口座凍結されたら口座の新規開設はできないのでは…」と不安に思っている方もいるでしょう。
しかし、代位弁済の途中であっても任意整理の対象でない銀行の口座であれば開設が可能です。
また、代位弁済が終わった後であれば同じ銀行でも口座を作ることができます。

2．給与振り込みを現金払いにする

労働基準法第24条に基づき、給与の支払いは原則として現金であることが定められています。

実際には給料の支払いはほとんどの会社が振り込みの方法を取っていますが、勤務先に「現金払いに変更してほしい」と交渉すれば、対応してくれる可能性は十分あるでしょう。
凍結中に振り込まれた給料を受け取れる可能性もありますが、銀行との交渉が必要になるため、弁護士に相談することが望ましいです。

3．引き落としを振り込みに変更する

自動引き落とし変更の手続きが面倒な場合、振込用紙に記入することで現金払いに変更することが可能です。

口座凍結される前にやっておきたい2つのこと

1．給与振り込み口座の変更

銀行口座が凍結されると、その時点の預金残高から借金の相殺が行われます。

口座の凍結後の入金と相殺することは法律で禁止されていますが、引き出しは一切できなくなるため、銀行口座から引き出しができずに生活費に充てるお金がないということになりかねません。
そのため、給与振り込みの口座は、任意整理を検討している口座から別の口座に変更しておくべきでしょう。

2．自動引き落としの口座の変更

公共料金や光熱費、携帯電話料金などの支払いを行っている口座は、料金の自動引き落としができなくなる前に口座を変更しておくか、振込用紙などで現金払いに変更してください。
引き落としができないと、たとえ口座凍結が原因でも延滞金が発生します。

まとめ

任意整理で口座凍結を解除するまでには、複雑な手続きや書類の収集が必要です。
銀行との交渉など個人では対応が難しいこともあるでしょう。
口座凍結について不明な点があれば、なるべく早く弁護士に相談することをおすすめします。