個人再生を失敗するケースとは？失敗しないためにはどうすべき？

個人再生とは？

個人再生は、債務の負担を軽減する制度のひとつですが、自己破産とは異なります。

個人再生をした場合、手続き終了後、3年～5年間は支払いを続けていく必要があるのです。
経済的な負担としては、自己破産のよりも大きいものがありますが、「住宅などの財産を手放す必要がない」「警備員などの制限職種でも仕事を続けられる」といったメリットがあります。
そのため自己破産ではなく、個人再生を選択する人は少なくありません。

ただし、支払いができなくなると個人再生を成し遂げられませんし、その他の原因によっても個人再生が失敗になるパターンがあります。

個人再生が失敗するパターンとは？

個人再生の失敗確率は低いですが、100％成功するというわけではありません。
ここからは、個人再生が失敗するパターンについて、詳しく解説します。

その1　個人再生の申し立てが却下される

個人再生の手続きは、法律で定められた条件を満たした上で、申し立てを行わなければなりません。
個人再生申し立てが認められないケースとしては、下記が挙げられます。

上記の4つは、個人再生に関する知識不足が原因で起こっています。
対策として、個人再生に詳しい弁護士に依頼するのが良いでしょう。

その２　再生提出案の提出期限を過ぎる

個人再生の手続きでは、分割返済の内容を記載した再生計画案提出し、裁判所に許可をもらう必要があります。
プロセスにおいて重要な再生計画書は、債権者自身で作成しなければなりません。

再生計画案の提出期限は、個人再生手続きが開始された後の裁判所が指定する期日、申し立てから18週程度が目安となります。
締め切りに間に合わない場合は、個人再生手続きが廃止となるため注意しましょう。

その３　債権者が再生計画案に承認しない

個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2種類の方法があり、そのうちの大部分は小規模個人再生が選ばれています。
なぜなら、小規模個人再生の方が、返済総額が少なくなる傾向にあるからです。

しかし小規模個人再生が裁判所に許可されるためには、債権者が再生計画案に同意する必要があります。
再生計画案に対する債権者の考えは、書面決議によって行われます。
書面決議で債権者から、「過半数の不同意」ないし「債権額の1/2を超える不同意」があった時に再生計画の否決が確認できます。

【書面決議で否決となる場合の注意点】
「債権額の1/2を超える不同意」では注意点があり、多数の債権者が同意している場合でも否決となるケースがあります。

例えば債権者が6人いて5人が同意していたとしても、否決した債権者が全体の債権額の過半数を占めている場合は否決が成立します。
また少額債権者が多数を占める場合は、毎月・毎回の返済額が少なすぎることを理由に不同意になる可能性もあります。

なぜなら個人再生では、債権者全員が同じ割合で債権の減額を要求されるため、少額の債権者が回収できる金額がごくわずかになることも起こり得るからです。

その４　再生計画案が裁判所で不認可となる

再生計画案が書面決議を通過しても、再生計画案に問題が発覚した場合は、裁判所で許可されないケースがあります。
裁判所で再生計画案が不認可となるのは、以下の4つの理由です。

しかし再生計画が裁判所で許可されない件数はごくわずかで、ほとんどが認可されています。

その５　分割返済が実行不可能になる

個人再生のゴールは、裁判所から再生計画を認めてもらうことではありません。
再生計画に従って決定した金額を、債務者自らが分割返済で完済しなければ、借金の一部免除の効果はなくなってしまうからです。
そのため個人再生は、再生計画の実行ができなくなった場合も失敗となってしまいます。

再生計画を失敗にしないためにも、計画の履行が困難になった場合はすぐに裁判所に申し立てをして計画の変更を認めてもらいましょう。

まとめ

個人再生が失敗となるケースの多くは、債務者が個人再生に関する知識や経験が乏しいことが原因となっています。

借金の多くを免除してもらえる便利な制度が個人再生ですが、複雑な手続きをもれなく実行しなければなりません。
そのため個人再生を失敗したくない場合は、弁護士に依頼するのがベストで安心な選択と言えます。