個人再生の流れはどうなっている？

個人再生とは？どんな意味がある？

個人再生というのは「どのような意味があるのか」「どんな結果に結びつくものなのか」を、まずは理解しましょう。

個人再生を受けるための条件とは？

では、個人再生はどのような人が制度を受けることができるのかをご説明します。

まず「住宅ローンを除いた負債が5,000万円以下」という条件があります。
他にも「反復的かつ継続的な収入があること」などの条件を満たした場合に、受けることができます。

個人再生の申立て方法と認可後

申立ては、債務者の住所がある場所を管轄している地方裁判所にて行います。
裁判所が再生計画を認可した場合、減額された負債を分割にて債権者に返済をしていき、完済した際には、減額分の負債の支払い義務がなくなります。
ただし、途中で返済を滞ってしまうと再生計画が取り消されて、負債が元に戻ってしまいます。

個人再生は2種類ある

個人再生の手続きをするときには「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2つの種類があるので、どちらかを選ぶ必要があります。

多くの場合は小規模個人再生が利用されていますが、債権者が反対をして再生計画が認可されない可能性が高いという場合には、給与所得者再生を利用することがあります。

小規模個人再生の流れや期間を解説

それでは多くの人が行う小規模個人再生の流れや、どのくらい期間がかかるのかを説明します。

1、受任通知の送付

まずは、弁護士に依頼をします。
すると、弁護士は債権者に対して『受任通知』を送ります。
受任通知が送られると、債権者が債務者に対して直接的な取り立てをすることができなくなります。
※訴訟、強制執行など『裁判所を通した手続き』に関しては、停止できません。

2、個人再生を申立てる

債権者と協議をしたり、書類などを準備していったりすると、早くても受任通知が送られてから1か月後に申立てを行うことが可能になります。

3、個人再生委員を選出する

申立ての当日に、個人再生委員を選出します。
ただし、地域や弁護士の有無などによって、選任される場合とされない場合があります。
大阪地方裁判所の場合は，選任されないことのほうが多いです。

4、個人再生手続きの開始が決定

申立てをしてから約1か月後には、手続き開始決定がでます。
その際に、計画の通りにしっかり返済ができるのかどうかをチェックする『履行テスト』がスタートします。

申立てした本人が想定した月の返済額と同じくらいの額を、実際に振り込ませて履行能力を確認します。
振込先となる口座は、再生委員のものとなります。
ただし再生委員が選任されない場合には、裁判所が指定した口座または、代理人弁護士の口座になります。
再生委員が選任されている場合では6か月程度、選任されていない場合には3か月程度のチェック期間となります。

5、債権の届け出

債権者は申立人が出した名簿、金額などをチェックします。
もし異議がある場合には、債権者が『債権届け出書』を裁判所に提出することになります。
債権届け出書が出された場合、申立人はその内容を見て異議があるかどうかについて、また届け出をします。

6、再生計画案の提出

債権者の債権額が決定すると、その額を前提にして申立人が再生計画案を作成して提出します。

7、再生計画の認可が決定

債権者の頭数の半数以上または、債権総額の2分の1以上の債権者が積極的な不同意をすると、再生計画が認可されません。

債権者が同意をし、履行テストも滞りなく進んでいるのであれば再生計画は認可されるケースがほとんどです。

8、再生計画のスタート

申立てをしてから約6か月後には、再生計画がスタートされます。（認可された場合） ここからは、3～5年程度で再生計画の通りに弁済をしていきます。

給与所得者再生の流れや期間は？

基本的に小規模個人再生と同じ流れになります。
ただ、債権者の同意が必要ないので、認可決定をするときの『同意』の手続きが不要です。
債権者が『意見』を述べることはできるのですが、その意見に認可や不認可への効力はありません。