【Q＆A】給与所得者等再生を行う場合、「可処分所得」はどう算出される？

Q21、給与所得者等再生を行う場合に、計画弁済総額の基準となる「可処分所得」はどう算出されますか。

A21、政令で定められた地域ごとに、基準に沿って算出されます

給与所得者等再生とは、可処分所得の2年分以上（もしくは最低弁済基準額あるいは清算価値以上）を原則3年で返済をして、残った借金については「免除」をしてもらうという制度になります。※例外で5年返済となる場合もあります。

一般的には，「可処分所得の２年分」は，最低弁済基準額（総債務額の５分の１など債務額を基準とするもの）を超えることが多いです。

可処分所得額が明確にならなければ「免除額」を出すことができないので、まずは可処分所得額を知る必要があります。

可処分所得とは、収入から「税金」「社会保険料」「生活費」などを引いて残った金額（借金の返済に充てることができる金額）のこと。

具体的には、まず「税込み収入」から税金・社会保険料などを差し引いた「手取り収入」を出します。そして、そこから地域特性・家族構成に応じた生活保護基準を基本とする「1年の最低生活費」を計算し、控除します。

可処分所得算出のための、最低生活費とはどのように決められているのかというと、政令によって定められています。
全国で債務者の居住地域を大きく6区に分類、さらに各地区の特性・債務者の年齢・家族構成に応じて「住居費」「個人別生活費」「世帯別生活費」「冬季特別生活費」「勤労必要経費」が決められています。これらの費用の合計が、手取り年収から引かれる「最低生活費」となります。

では、最低生活費を定めるための5つの費用（上記にまとめたもの）について、詳しくみていきましょう。

上記の費用を合計したものが「最低生活費」となり、手取り年収から引くことにより「可処分所得」を算出できます。

可処分所得の「2年分以上の金額」を、原則として「3年」で返済をします。ただし、物価状況、生活保護基準などが変更されることで、改定されていきます。
最新情報を知りたい場合には、法務省のホームページにアクセスをして、最新の数値などをチェックしましょう。

また、債務者の年収に大きな変動がある場合、過去2年分の年収が基準になるとは限りません。急増した場合は増加した年収を、激減した場合は減少した年収を基準に計算されますので、注意しましょう。

可処分所得は、自分で計算することもできますが、明確な金額を知りたい場合や状況について整理したいときには、弁護士や司法書士に相談をするといいでしょう。