【Q＆A】自宅が競売にかけられそうです。どんな準備をすればいいですか？

Q27、自宅が競売にかけられそうです。どんな準備をすればいいでしょうか。

A27、税金を滞納しないように気を付けながら、期限の利益喪失後の対応を考えましょう。

住宅ローンの支払いができなくなり、債権者が競売の申立てがあると分かっているのであれば、準備をしてくことが重要です。しっかりと対策をしておけば、その後の返済でトラブルが起きるのを防ぐことができます。
それでは、具体的にどのような対策を取ればいいのかをご説明しましょう。

重要なポイントは、「税金」の支払いです。不動産を所有している場合「固定資産税」という税金を支払う義務があります。市区町村から毎年3月ごろに固定資産税の支払い通知が送られてきます。

税金というのは、原則として、例え破産しても支払い義務が消滅することはありません。 また、税金を滞納している人に対して、役所からは厳しい取立てがあります。ですから、事情があって支払えないという場合には、必ず役所に事情を説明してください。

そして、「期限の利益喪失」の対策もしておきましょう。
「期限の利益」というのは、決められた返済期限まで、債務を支払わなくてもいいという内容です。しかし、通常は返済が遅れてしまうと「期限の利益」を損失することになってしまうのです。

こうなると、返済期限がまだきていないとしても、残っている債務（残債務）を一括で支払う必要があります。
具体的な例で、分かりやすくご説明します。

〇令和元年7月に150万円を借りて「毎月10万円ずつを15回払い」「返済が2か月滞った場合に期限の利益喪失する」という契約で、令和元年8月から返済がスタートした場合。
8月と9月は返済をしても、10月と11月の2か月にわたり返済をしなかった時点で「期限の利益喪失」になります。すると、期限の利益喪失によって残債務130万円と遅延損害金を一括支払いすることになります。

基本的には、住宅ローンの支払いで期限の利益喪失をしてしまうと、保証会社が「代位弁済」を行い、その後に競売の申立てが行われます。この競売を防ぐには、期限の利益喪失で起きてしまった「一括請求」を延ばすしかありません。

先ほどの例では「返済が2か月滞った時に、期限の利益喪失」という契約をしていました。 しかし、記載されているからといってすぐに一括請求をされるとは限らないのです。

通常は債権者から「催告書」が送られてきて、支払いをしない限り毎月ずっと催告書が届くようになります。そして、催告書が届く回数も増えていきます。ただ、滞納している金額の一部だけでも支払っておけば、債権者による競売の申立てを防ぐことができるのです。
その際、丁寧に詫び状などを送ることで、競売を防ぐ効果はアップします。

もし競売や任意売却で結果的に自宅を失うとしても、それまでに上記でお伝えした方法を繰り返しておけば、その間に今後の資金を貯めることができます。そして、自宅がなくなった後の準備に必要な時間を確保することもできます。

ですから、競売の申立てを引き伸ばしながら、自宅がなくなった後に生活をしていくための基盤を整えることを考えて行動しましょう。