自己破産で連帯保証人はどんな影響を受ける？

債務者が自己破産した時に保証人にできること

債務者が自己破産をした場合、保証人や連帯保証人はどうやって自分を守っていくのでしょうか。

保証人の権利を行使する

保証人には3つの権利があることが先ほど解説しました。

保証人は「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」「分別の利益」という3つの権利を使って、自分が返済する金額を少しでも減らすことが重要です。

「自己破産されたら、権利を行使しようとしまいと、代わりに返済しなくてはいけない」と考えてしまいますが、権利を行使すること自体がとても重要です。
保証人に与えられている権利を主張・行使することで、自己破産による配当を借金の返済にあてることができるからです。
自分が持っている財産を差し押さえられるリスクも減らせます。

とは言っても、債務者が自己破産の場合は借金の全額を支払うことは無理です。
残りの金額は保証人が支払う必要があります。

一方、連帯保証人は上記のような権利がないので注意が必要です。

債務整理の検討

借金の残額によって、多額の請求が来ることも考えられます。
特に連帯保証人の場合は、全額の請求が来てしまうので、請求額が高額になってしまうことも。
払えそうにないと感じたら、債務整理を検討します。

債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産がありますが、分割でも払えるのであれば、自己破産以外の手続きを進めることになります。

保証人のリスクを回避する方法

自分が債務者である場合、保証人には迷惑を掛けたくないと考えます。
でも、返済することはできない場合、保証人へのリスクを減らすにはどのような方法があるのでしょうか。

任意整理を実施する

任意整理は個人再生や自己破産と異なり、裁判所が入らないため、柔軟に整理する債務を決めていくことができます。

保証人が付いている債務を任意整理の対象から外すことで、保証人に迷惑を掛けることを防ぐことができます。
保証人が債務を返済することができない場合に有効な手段です。

保証人に迷惑を掛けないためにも保証人の存在を隠してはいけない

「保証人がいることを隠せば、保証人に迷惑が掛からない」と考えると考える方がいますが、残念ながら保証人を隠すことはできません。
保証人を隠すことは破産法で禁止されています。

隠したことがばれた場合は、詐欺破産罪に問われていまい、免責を受けることができなくなります。
また、保証人が債務者に隠すことをお願いした場合も、詐欺破産罪に問われてしまうことになります。
その場合、金融機関は取り合ってくれません。

まとめ

自己破産は必ず、保証人や連帯保証人に影響を与えてしまいます。
特に連帯保証人は行使できる権利が少なく、いざと言う時は不利になってしまうため、注意が必要です。

また、自分が債務者の場合は、自己破産ではなく、任意整理を選択し、保証人に迷惑が掛かることを防ぐこともできます。

自己破産について検討したい場合は、弁護士に相談して最適な方法を選択しましょう。