大阪守口で弁護士による法律相談実施中!守口門真総合法律事務所(大阪弁護士会所属)
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一昔前は、銀行にお金を預ければ2%や3%程度の利息がつくのは当たり前でした。 そのため、定年までにたくさんお金を貯めて、老後は利息で食べていくことも可能な世の中だったのです。
しかし、マイナス金利が導入されてからは、たとえ定期預金にしてもよほどの大金持ちでない限り、利息で生活費を捻出するようなことはできなくなってしまいました。 そして、民法がベースとしていた5%という金利は、2020年に法定利率の民法改正によって3%に変更になりました。
ここでは、法定利率とは何か?民法改正で変更された法定利率の内容について、詳しく解説します。
2020年の民法改正により法定利率が5%から3%に変更になりましたが、そもそも法定利率とは何か分かりやすく説明します。
法律(消費貸借、民法587条)では、利息を支払う約束をしていない限りは、借りたお金はそのまま返せばいいと定められています。 したがって、お金を貸し借りする際に利息を発生させるためには、金銭消費貸借契約の中に利息の支払いに関する決め事をしなくてはいけません。
金銭消費貸借契約の中での利息の割合は、当事者同士で自由に決めることができます。 しかし、たとえ割合を決めていなくても、利息が発生することを定めていれば、民法に則った割合で利息を受け取ることができます。 当事者同士が自由に決める利息の割合が「約定利率」で、法律で定められている割合のことを「法定利率」と呼びます。
お金の貸し借りをする際に利息が発生することは決めていても、具体的な割合を定めていなければ法定利率が適用となり、現在では年3%の利息を支払う義務が生じることになります。
具体的な例を出すと、100万円を1年間借りた場合、法定利率における利息は3万円になります。
あらかじめ約定利率を定めた場合には、法定利率よりもそちらが優先され、割合は両者の同意の下で自由に決めることができるようになっています。
ただし、約定利率は利息制限法の上限を超えてはいけないことが「利息制限法1条1項」に表記されていて、利率の上限は以下の通りになっています。
上限に従って、100万円を15%の約定利率で1年間借りた場合の利息は、15万円になるということです。
民法の一部を改正する法律が2017年に成立して、2020年4月1日に施行されましたが、それに伴い法定利率も変更になりました。 以下の5点が変更となった内容です。
マイナス金利が導入されても、法定金利はこれまで5%のままでした。 マイナス金利が導入される前は、銀行に1億円を預けていれば、年間数百万円の利息を受け取ることができていましたが、現在では利息が定期預金でも0.1%もつけばよい方です。
そうなると、定年まで必死に1億円もの大金を貯めたとしても、せいぜい10万円程度の利息しか受け取ることはできなくて、とても利息で生計を立てることはできません。 マイナス金利が導入されて以降も、法定金利は5%で市場金利とかけ離れていたことから、民法改正により3%へ変更になりました。
従って、民法改正後に金銭消費貸借契約で「利息をつけて借金を返す」とだけ定めた場合は、先に例に挙げましたが、「100万円を借りると年に3万円の利息を支払う義務が発生する」ということになります。
民法改正前には、商法と民法で異なる利率が定められていましたが、改正後は商法の法定利率が廃止されて3%に統一されることになりました。
ちなみに、商法における企業間の取引で発生した債務の利率は「年6%」でした。
今後は変動利率が導入されることとなり、3年に1度の割合で法定利率が見直しされることになりました。 つまり、2023年には法定利率は変更になる可能性があるということです。
利率変動のルールは明文化されています。 気になるその内容は、国内の銀行が短期で貸しつけた際の利率を過去5年間分遡り、平均値(基準割合)が指標となるというもの。 前回の変動時の利率と比較し1%以上の差が開いた場合は、1%刻みで加減し、1%未満しか変動していなければ利率を変えないこととなっています。
変動利率が導入されたことによって、金銭消費貸借契約中に法定利息が変更になる可能性が高くなりました。 それに伴い、当事者間で利息の支払いを巡ってのトラブルが起きる確率も高まることになります。
それを防ぐために、当事者間で特に利息に関する決め事をしていない限りは、利息が発生した最初の時点の法定利率が適用されることに定められました。
民法改正前は「中間利息控除」に関する規定がなかったですが、改正後は中間利息控除にも法定利率が適用されることが明文化されました。
中間利息控除というのは、本来は将来受け取るべきお金を前払いしてもらう際に,将来にわたり発生するはずの利息分を差し引くなどの調整をすることです。 不法行為による損害賠償請求では、将来受け取るべきお金を先に受け取ります。
法定利息が5%から3%に変更され、金銭消費貸借契約で利息の割合を定めていない場合は、利息を支払う方の負担は軽減され、中間利息控除額も減ります。
しかし、それ以外に「遅延損害金の算定」にも影響が出ています。 実際に金銭消費貸借契約を交わすときには、約定利率を定めるケースが多いですが、遅延延滞金に関しては割合を定めない場合も少なくありません。
民法改正後の法定利率は遅延損害金にも適用されるため、利息の割合を定めていなければ遅延損害金として受け取れる金額もこれまでよりも少なくなります。
企業間では、取引基本契約の締結後に個別取引契約を交わすことも多いですが、そのいずれにおいても遅延損害金を定めていないケースでは、遅延延滞金が発生したときに割合に関する大きなトラブルに発展しかねません。
それを防ぐためにも、いずれの契約書にも遅延損害金の利率に関する規定を表記しておくことをおすすめします。
借金問題担当弁護士
村上 和也
プロフィール
同志社大学卒。平成20年より事務所開設し、守口市・門真市を中心に大阪で借金問題に関する相談多数。自己破産(法人・個人)・民事再生・任意整理・通常清算・過払い金返還請求・消滅時効の援用など。
弁護士からのメッセージ
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