【Q＆A】住宅ローンの延滞で「代位弁済」をした場合、自宅はどうなる？

Q22、住宅ローンの延滞によって、保証会社が「代位弁済」をした場合、自宅はどうなりますか？

A22、代位弁済から6か月が経過すると、自宅を守ることは難しくなります。

住宅ローンを組むときには、金融機関が「信用保証会社からの保証」を条件にしているケースが多々あります。保証会社は、借主が住宅ローンを返済できない場合に保証をする役目を担っています。

ただ、保証というのは，金融機関に対して、支払われていないローン分を保証会社が支払うというものです。金融機関に支払った分は借主に請求しますから、保証会社が借主を守ってくれるという内容ではありません。

住宅ローンが支払えなくなり、ある程度の期間が経過すると、保証会社が代わりにローンの返済を行います。これを「代位弁済」といい、借主の債権者は、この時点で金融機関ではなく「保証会社」に代わります。

さらに、保証会社の代位弁済というのは期限の利益（分割弁済をする利益）が無くなった後に行われているので、債務者は分割で支払うことは認められません。つまり、ローン残額を一括返済するしかなくなってしまうのです。もし一括返済ができないということであれば、保証会社が「抵当権」を実行し、自宅は競売手続きに付されることになります。

「住宅ローンを滞納しているが，どうしても自宅を守りたい」ということであれば、「個人民事再生手続」を検討します。
住宅ローンやそのほかの借金返済で困窮している債務者は、個人民事再生の手続きと一緒に「住宅資金貸付債権（住宅ローン）に関する特則」というものが利用できます。

住宅ローンに関する特則は、毎月の住宅ローンの支払いができなくなった債務者に対して、返済条件の変更を認める制度です。利用には条件を満たす必要があるので、下記に当てはまるかどうかを確認してみてください。

これらの条件に当てはまれば、住宅ローンに関する特則を利用できます。
住宅ローンに関する特則は、保証会社が代位弁済をした後6か月以内に「個人民事再生手続」を申し立てていれば利用が可能です。これを「住宅ローンの巻き戻し」といいます。

個人民事再生と一緒に住宅ローンに関する特則を利用するときは、「再生計画案」に「住宅ローンの返済に関する住宅資金特別条項」を入れて、裁判所に再生計画案を提出すことになります。

この再生計画を裁判所が認可し、確定した場合、住宅ローンの債権者である金融機関などの意思に関係なく、期限の利益が回復されたり、返済期間が延長されたりします。