相続財産(遺産)の調査方法
親の財産を相続することになったXさんですが、遺言書が無く、どのような財産がどの程度あるのかが分かりません。
どのようにして、相続財産(遺産)を調査したら良いのでしょうか。
これが大切! 弁護士によるアドバイス
■相続財産調査(遺産調査)→財産目録の作成
亡くなった方のことを被相続人と呼びます。
被相続人が所有していた相続財産(遺産)の内容や価値が分からない場合は、遺産分割協議等の相続手続を円滑・迅速に進めることができません。 そこで必要になるのが「相続財産調査(遺産調査)」→「財産目録の作成」です。
以下、財産目録に記載するべき事項、各種の相続財産(遺産)の調査方法について、みていきましょう。
1.財産目録に記載するべき事項
財産目録には、被相続人名義の不動産(土地・建物・分譲マンション)については、その物件情報・固定資産評価額・時価評価額を記載します(利用状況も記載しておくと便利です)。
預貯金については、金融機関・支店名・口座の種類(普通・定期・当座等)・口座番号・死亡時残高を記載します。
有価証券(株式・投資信託・国債等)については、銘柄・数量・死亡時の評価額・取扱い金融機関等を記載します。
動産(自動車・絵画・宝石・その他骨董品等)については、種類・評価額・発見場所等を記載します。
また、このような積極財産(プラスの財産)だけでなく、消極財産(借金や租税債務等・未払医療費等のマイナスの財産)も調べて、記載しておきましょう。たとえ被相続人が遺言書を書いてくれている場合でも、財産目録が遺されていない場合は、やはり財産をきちんと調べて、財産目録を作成するようにしましょう。
もちろん、この財産目録は作成が必須という訳ではありませんが、遺産分割協議や相続税申告などの場面では、財産目録を作成しておかないと、他の相続人との情報共有ができず、遺産分割手続や相続税申告をスムーズに進行させることができなくなるおそれがあります。書式に決まりはありませんが、エクセルで作成すると便利です。エクセルを使えない方はもちろん、使える方も、使いやすい遺産目録の書式をご提供させていただきますので、守口門真総合法律事務所にお早めに御相談ください。
2.不動産の調査方法
被相続人が、土地・建物・分譲マンション等の不動産を所有していた場合は、どのような不動産であるか、その評価額はいくらなのか、共有者はいないか、抵当に入っていないか、差押えや仮差押えをされていないか等を調査する必要があります。
不動産の調査をする場合は、登記済権利証書(権利書)、登記識別情報、固定資産税の納税通知書や領収証書等が手がかりになります。
固定資産税の納税通知書や領収証書等が見つかれば、地番が特定できますので、法務局で、登記事項証明書(登記簿)を取得することができます。登記事項証明書(登記簿)の共同担保の欄から、他の遺産不動産が判明することもあります。
「◯◯市に遺産不動産があるのは間違いないのだが、それ以上のことは判らない」という場合でも、◯◯市等地方公共団体という限度で特定できていれば、「名寄帳(なよせちょう)」(被相続人が所有している不動産の一覧表の意味)と取得することで、被相続人が所有していた不動産を判明させることができます(※)。
それらが判れば、法務局で登記事項証明書(登記簿)を取得できます。
以上のようにして、登記事項証明書(登記簿)を取得できれば、不動産の所在地の市町村役場の課税課等で、固定資産評価証明書を取得します。固定資産評価証明書を取得すれば、不動産のおおよその価値が判明します。また、国税庁が公表している路線価も判明します。
なお、上記の調査は、弁護士に御依頼いただければ全て代理して調査できますので、守口門真総合法律事務所まで、お問い合わせください。
※ 名寄帳を取得する際は、除籍や戸籍等、被相続人との続柄が分かる書類が必要です。身分証明書も持参しましょう。
3.預貯金・有価証券の調査方法
預貯金の調査は、被相続人の預金通帳を発見し、口座開設した所定の金融機関に対して照会することにより実施することが多いと思われます。金融機関は残高証明書を発行してくれますので、これを取得しておきましょう。
もしも預金通帳が見つからない場合は、①口座開設している可能性のある金融機関に対し、被相続人の預金口座の有無を照会したり、②被相続人がクレジットカードを利用していた場合は、利用明細に記載されている引落口座を確認したり、③被相続人が保険を掛けている場合は、その保険料の引落口座を調査したり、④被相続人が年金受給者であった場合は、年金振込口座を調査したりすることで、預金口座が判明することがあります。
また、被相続人が株式・投資信託・国債等の有価証券を保有していた場合は、取扱い金融機関や証券会社に対し、死亡時点における「残高証明書」の発行を依頼しましょう。
なお、近時は、有価証券の名義変更をしたり、解約したりする際には、取扱い金融機関での口座開設を求められることが多くなってきており、その口座開設の際にはマイナンバーが必要ですので、御注意ください。
以上のような、金融機関に照会をかけたり調査依頼をしたりする際には、除籍や戸籍等、被相続人との続柄が分かる書類が必要です。身分証明書も持参しましょう。
もっとも、これらの調査を実施するには労力や時間がかかりますが、弁護士に御依頼いただければ全て代理して調査できますので、守口門真総合法律事務所まで、お問い合わせください。
4.保険の調査方法
保険の調査については、まず、保険証券があれば、証券に記載された保険会社に照会することで、様々な保険情報(被保険者、受取人、保険料、保険金額、解約返戻金額等)を取得することができます。また、保険証券が無くても、預金通帳の引落履歴を調査することで、保険会社名を特定することが可能です。
さらに、保険証券が無く、また、預金通帳の引落履歴が無くても、めぼしい保険会社に対して個別に照会をかけることもできます。
この点、従前は、弁護士が弁護士会に弁護士法23条に基いて照会をかければ、協会に加盟している保険会社数十社に対して照会をかけるのと同様の効果を得ることができる制度があったのですが、平成29年6月にこの制度が廃止になってしまいました。 そこで、現在は、ある保険会社を特定して、個別に照会をかける必要があります。
5.負債の調査方法
財産調査のなかで、もっとも難しいのが負債(借金や租税債務等・未払医療費等)の調査です。負債は、配偶者や子に対してであっても知られたくないという想いがあるため、被相続人によっては、秘匿しているケースがあるからです。
まずは、金銭消費貸借契約書やキャッシングの利用明細等が無いか調べてみましょう。
また、クレジットやキャッシングの情報を管理している個人情報信用機関、例えばJICC(日本信用情報機構)やCICや全銀協(全国銀行個人信用情報センター)等に対して、被相続人の信用情報開示を求めることも有用です。
財産調査をした結果、マイナスの財産が明らかになり、プラスの財産よりも多かった場合は、「相続放棄」の手続を検討するべきかと思われます。なお、相続放棄の手続についても、別途、守口門真総合法律事務所にお問い合わせください。
生命保険金は遺産に含まれるか
1.はじめに
被相続人が生命保険に加入していた場合,被相続人の死亡によって一部の相続人のみが生命保険金を受け取ることがあります。
この生命保険金は、遺産分割の対象,つまり遺産となるのでしょうか?
今回は、遺産分割における生命保険金の扱いについてご紹介いたします。
2.生命保険金が遺産に含まれるかについて
生命保険契約では,被相続人を被保険者(生命保険の対象として保険がかけられている人)とし,相続人(例えば妻や子)を生命保険金の受取人に指定した場合,被保険者の死亡により,生命保険金が受取人に支払われます。
この生命保険金が遺産か否かについては,結論から言えば,生命保険金は受取人固有の財産となり、遺産には含まれないと解されております。
以下,具体的に場合を分けて説明いたします。
(1)受取人に特定の相続人を指定している場合
この場合,その保険金取得は相続によるものではなく,保険契約に基づくものであるため,指定された人物が固有の権利として保険金請求権を取得することとなります(大判昭11・5・13)。
したがって,遺産には含まれません。
(2)受取人を抽象的に「相続人」と指定していた場合
この場合,最高裁昭和40年2月2日判決は,特段の事情のない限り,保険金請求権は保険契約の効力発生と同時に指定された「相続人」の固有の財産となり,被相続人の遺産からは離脱していると判示しています。
そのため,この場合も上記(1)と同様に,遺産には含まれないという結論になります。
なお,相続人が複数いる場合については,最高裁平成6年7月18日判決にて,保険契約者の通常の意思を根拠に,各相続人が受け取るべき保険金の割合は,法定相続分に従うと判示しています。
(3)受取人を指定しなかった場合
この場合,通常,保険約款に「被保険者の相続人に支払います」との条項が存在するため,同条項の適用を受け,保険金受取人を抽象的に「相続人」と指定した場合(上記(2)の場合)と同じ取り扱いがされます。
そのため,この場合も上記(1)・(2)と同様に,遺産には含まれないという結論になります。
3.生命保険金の特別受益該当性について
(1)このように,生命保険金については,遺産には含まれないため,遺産分割の対象とはなりません。
しかし,生命保険金は高額な財産であるため、生命保険金が被相続人の残した遺産の総額より高額になるということもあります。そのため,保険金の受取人は、保険金とは別に法定相続分の財産を相続することができますが、こういった場合,保険金を受け取れない相続人は不公平に感じることも多いと思われます。
この点につき,学説では生命保険金について特別受益(民法903条1項)に該当するとして,遺産に,特別受益分を足したものを相続財産とみなした上で,遺産分割をすべきという考え方もありました(これを,特別受益の持戻しといいます。詳しくは,弊所HPの「特別受益」のページをご覧ください)。
(2)こうした議論に対し,最高裁平成16年10月29日決定は、生命保険金が受取人たる相続人の固有の財産であり、特別受益(民法903条1項)となる遺贈又は贈与そのものには当たらないと判断しました。
その上で,「保険金受取人たる相続人と他の相続人との不衡平が,民法903条の趣旨に照らして到底是認できないほどに著しい場合」には,同条の類推適用によって,持戻しの対象となると判示しました。
これは,原則として生命保険金について特別受益に該当しないということを明示した判例であり,実務にも大きな影響を与えています。
なお,例外的に生命保険金が特別受益に該当する場合の特段の事情の有無については,「保険金の額、この額の遺産の総額に対する比率のほか、同居の有無、被相続人の介護等に対する貢献の度合いなどの保険金受取人である相続人及ぴ他の共同相続人と被相続人との関係.各相続人の生活実態等の諸般の事情を総合考慮して判断すべき」としており,上記判例のケースでは、特段の事情があるとはいえないとして、生命保険金は特別受益にあたらないと判断されました。
4.まとめ
このように,原則として生命保険金は遺産には含まれませんが,上記最高裁決定後,裁判例では,生命保険金を特別受益として認める裁判例も出ており,今後の裁判例の動向も注目されます。
もし、今回取り上げた問題だけでなく、他にも相続や遺産分割についてお困りの方がいらっしゃいましたら、守口門真総合法律事務所へお気軽にご相談ください。
法定相続情報証明制度
1.法定相続情報証明制度とは
法定相続情報証明制度とは、登記所(法務局)において、登記官の認証文付きの「法定相続情報一覧図の写し」(相続関係を表した親族図)を交付する制度のことをいいます。
平成29年5月29日から運用がスタートしました。
近時の所有者不明土地問題や空き家問題を背景として、相続登記を促進することを目的として制度化されたものですが、本制度により交付される法定相続情報一覧図は、相続登記の申請に留まらず、被相続人名義の預貯金の払戻し等、様々な相続手続に利用することができ、とても汎用性の高いものとなっています。
また、具体的な相続手続の前段階として、亡くなられた方の遺産が不明で、遺産調査のため複数の金融機関へ照会しなければならない場合なども、この法定相続情報一覧図を活用できます。
2.法定相続情報証明の申出および交付の流れ
法定相続情報証明制度は、法定相続人(またはその代理人)が申出人となって法務局へ申出を行い、申出を受けた登記官が確認を行い、認証文付きの法定相続情報一覧図の写しを交付する、という流れをとります。
(1) 申出人
申出人となることができるのは、被相続人(亡くなれた方)の相続人です(代襲相続人を含む)。
*代理人となることができる者
申出人の代理人となることができるのは、①法定代理人のほか、②民法上の親族、③弁護士等の資格者代理人です。
(2) 提出先
法定相続情報証明の申出は全国の法務局で受け付けていますが、被相続人や相続人(申出人)、あるいは遺産不動産の所在地などによって管轄が分かれています。 申出をすることができる登記所は、以下のいずれかを管轄する法務局となります。
①被相続人の本籍地
②被相続人の最後の住所地
③申出人の住所地
④遺産不動産の所在地
(3) 提出書類の収集・作成
まず申出をしようとする者は、法務局へ提出する書類を収集し、あるいは作成しなければなりません。提出書類は概ね以下の書類になります。
提出書類 | 備 考 |
---|---|
①申出書 | 「法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」と題される所定の申出書を提出することになります。 ※法務省HPからダウンロードできます。 |
②委任状 | 代理人が申出を行う場合、申出人(相続人)本人の委任状が必要となります。 ※法務省HPからダウンロードできます。 |
③代理人の身分証明書 | ・資格者代理人が代理する場合は、代理人所属団体の身分証明書 ・親族が代理する場合は、親族関係にあることが分かる戸籍謄本 がそれぞれ必要となります。 |
④法定相続情報証明一覧図 | 相続関係説明図に類するものですが、申出人(または代理人)の側で作成し、申出と共に法務局へ提供する必要があります。 ※法務書HPから雛形をダウンロードできます。 |
⑤被相続人の戸(除)籍謄本 | 被相続人の出生から死亡までの戸(除)籍謄本 |
⑥被相続人の住民票の除票 | 住民票の除票が市町村において廃棄されている場合は、被相続人の戸籍の附票 |
⑦相続人の戸籍謄本 | 相続人全員の現在の戸籍謄本(または抄本)が必要となります。 |
⑧相続人の住民票の写し | 法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載する場合のみ必要となります。 (住所を記載する場合は、各相続人の住所自体も証明の対象となるため) |
⑨申出人の本人確認書類 | 申出人(相続人の代表となって申出を行う者)の氏名・住所を確認することができる公的書類。 ex)運転免許証の写し、住民票など ※⑧と重複する場合は別途不要です。 |
(4) 申出の方法
提出書類の準備が整えば、管轄の法務局へ提出することになります。
提出は法務局へ直接持参しても良いですし、郵送でも受け付けてくれます。
郵送で申出を行う場合は、返信用の封筒を忘れずに同封する必要があります。
(5) 登記官の確認・交付
申出を受けた法務局の登記官は、提出された申出書・法定相続情報証明一覧図その他添付書類の確認を行い、特に不備がなければ、申出人に対し「これは、平成○年○月○日に申出のあった当局保管に係る法定相続情報一覧図の写しである。」という認証文を付した「法定相続情報一覧図の写し」を交付します。
申出を受けた当日に交付を受けることができますが、登記官の確認作業等に通常2~3時間程度要するため、即日交付を受ける場合は、余裕をもって早めの時間帯に申出をするのがよいでしょう。
3.法定相続情報証明の利用
交付を受けた法定相続情報一覧図は、法務局に対して相続登記の申請を行う場合のほか、金融機関へ被相続人名義の預金の払戻しを行う場合など、様々な相続手続で利用することが予定されています。
法定相続情報を利用する主なメリットは、どこかへの相続手続のたびに戸籍の束を提出する必要がないこと、複数の金融機関等に対して同時に相続手続ができることです。
したがって、多数の遺産不動産があり、複数の法務局へ相続登記を申請する必要がある場合や、被相続人名義の預金口座が多数あり、複数の金融機関へ相続手続を行う必要がある場合などに特に利用する意味が大きいと言えます。
また、亡くなられた方の遺産が不明で、遺産調査のため複数の金融機関へ照会をかける場合なども、法定相続情報一覧図があればより簡便に手続を進めることができます。
事実実験公正証書
1 事実実験公正証書とは
「事実実験公正証書」とは、公証人が五感の作用を用いて直接認識した事実を記録した公正証書のことを言います。
裁判所の証拠保全や検証、あるいは捜査機関の実況見分に類するものですが、裁判所の行う証拠保全等に比べると手続も簡便であるため、より利用しやすい手続となっています。
事実実験公正証書を作成する目的は、主に証拠の保全です。
物の性状や不動産の現況、また人の行いや手続の進行に至るまで、五感の作用で認識する対象は多岐に亘りますから、事実実験の対象も相当範囲が広いものとなります。
それらを公証人が公正証書という形式で記録することで、現在または将来の紛争に向けた証拠とすることができます。
2 事実実験公正証書の具体例
(1) 貸金庫の開披点検
貸金庫の開披について、よく利用される例としては
①銀行などの金融機関が、顧客の利用する貸金庫につき、契約終了・解除後に、契約上の手続規定に則り、金融機関が強制的に開披する場合
②貸金庫の契約者が死亡し、その相続人や遺言執行者が貸金庫の開披を求める場合
の2通りがあります。
(2) 知的財産
特許権、工業上のノウハウなどのシステムやソフトの内容、また開発状況の記録を公証人に嘱託する場合など。
(3) 違法状態(不法行為や契約違反状態)の確認
放置自動車の状況、死亡した賃借人の室内残置物の状況、携帯電話によるメールの交信状況などの記録を嘱託する場合など。
(4) 契約締結状況の確認
契約締結能力に疑義が呈せられるおそれがある者につき、契約内容の説明、署名等の契約締結状況の記録を嘱託する場合など。
(5) 尊厳死宣言
尊厳死を希望する者が、その心情・事情とあわせて尊厳死を宣言する内容の記録を嘱託する場合。あるいは、親族に対し主治医に尊厳死を要請することを依頼(委任)する内容の記録を嘱託する場合。
3 事実実験公正証書の作成手順
① 事実実験公正証書を作成するには、まず公証役場へ問い合わせ(どこの公証役場に依頼するかは自由に決められます)、どのような内容の事実実験を希望するのかを公証人に伝えます。
その際に、事前打ち合わせの日時を予約し、公証人から必要書類を聞き取ります。
※事実実験公正証書は、案件によって公証人の仕事内容が大きく異なるため、必要書類についても定型書類はなく、随時公証人に確認することになります。
② 必要書類をすべて用意した上で、予約の日時に公証人と事前打ち合わせを行います。
案件に則して公証人と事実実験を行う場所・日時を協議します。
③ 事実実験を行う日時に、公証人と待ち合わせ、依頼する者は画像撮影などのサポート行いながら、事実・状況の確認作業を行います。
④ 公証人が、撮影した画像などの資料を公証役場に持ち帰り、公正証書を作成します。
⑤ 公正証書が完成した時点で、公証人から連絡があり、手数料の報告を受けると共に、署名日時を決定します。
※後記のとおり、事実実験公正証書の費用は、基本的に公証人の作業時間に基づくタイムチャージで計算されるため、この段階で初めて正確な金額が出されます。
⑥署名日時の当日、公証役場で完成した公正証書の内容を確認し、問題がなければ署名します。その際、手数料の支払も済ませ、公正証書の謄本を受け取ります。
これが事実実験公正証書作成の一連の流れです。
4 事実実験公正証書の費用
公証役場に支払う「基本手数料」として、公証人が1)事実実験に要した時間と2)公正証書の作成に要した時間に対し、1時間ごと11,000円のタイムチャージがかかります。これには、事実実験当日の移動時間、記録やメモなどに要した時間が含まれます。
その他、公証人の出張を要する場合は「日当」「交通費」、また公正証書の正本・謄本の費用(謄本費用は1枚につき250円)などが必要となります。
相続担当弁護士
村上 和也
プロフィール
同志社大学卒。平成20年より事務所開設し、守口市・門真市を中心に大阪で相続に関する相談多数。遺言・遺産分割・遺留分・遺言執行・事業承継・成年後見など。
弁護士からのメッセージ
遺言作成や遺産分割協議を数多く手掛けてきており,危急時遺言の作成実績もある数少ない法律事務所です。
ささいなことでも結構ですので,お早めにお問い合わせください。