任意整理の流れとは？手続きにかかる期間はどれくらい？

借金を早く解決したい！任意整理の流れを最初から最後までチェック

債権者と和解することで借金の金額を減らしたり、将来利息をカットしたりして3～5年の分割支払いを決めるのが任意整理です。

任意整理を行うことを検討している方は、まず流れを把握しておきましょう。

1．任意整理について弁護士に相談する

任意整理は裁判所を通さないため、ほかの債務整理に比べると手続きが容易です。

とはいえ、自分で行うのは非常に難しいのが現状と言えます。
まったく知識のない個人が賃金業者に交渉を求めても、相手にしてもらえない可能性が高いでしょう。

そこで、任意整理のはじめの手順としては、弁護士事務所に相談するのが一般的です。
電話やメールなどで問い合わせをし、その後、弁護士と直接対面で話をします。
借金の金額や財産状況などの情報に基づき、任意整理の可否を判断してもらいます。

2．委任契約・債権者に受任通知を送付する

任意整理のメリットやデメリットなどの説明を受け、この弁護士事務所に依頼すると決めた場合、「任意整理委任契約」の締結を行います。
その後、弁護士によって債権者(金融業者など)に受任通知が発送されます。

受任通知は該当の弁護士事務所が介入したことを通知するためのものですが、同時にすべての取引履歴の開示も請求することになります。

受任通知が到着したあとは、債権者から依頼主への取り立ては停止します。

3．借入金の再計算・過払い金請求を行う

債権者から開示された取引履歴をもとに、利息制限法の上限金利で利息の再計算(引き直し計算)を行います。

債権者からの取引履歴が開示されなかった場合は、担当弁護士が推測して計算します。
利息制限法で定められた15～20％を超えるグレーゾーン金利があると、過払い金が発生します。

引き直し計算によって過払い金が発生していることが判明した場合、過払い金返還請求も行います。

4．債権者と和解に向けて直接交渉を行う

引き直し計算後、借金が残った場合は弁護士が和解案を作成し、和解に向けて債権者と直接交渉を行います。
ここでは、主に3つの事項について協議し、決定します。

5．和解契約の締結・返済の開始

後に「言った、言わない」のトラブルを防ぐために、和解書(合意書)の取り交わしを行います。
支払開始日は和解書に記載されているため、その日程に従い依頼主は返済を開始します。

任意整理の手続きにかかる期間の目安は？

借金の問題を解決するまでにどれくらいの時間がかかるのか、気になりますよね。
任意整理の手続きに必要な期間は、全体を通して3～6ヵ月程度です。

委任契約から受任通知の送付までは2営業日以内に行われるため、それほど時間はかかりません。

しかし、受任通知から取引履歴の開示までには長期間を要することがあります。
通常1週間から1ヵ月程度ですが、交渉する金融業者によって異なるため、長い場合には2ヵ月程度かかることもあるのです。
借入金の再計算を含めると、最大3ヵ月みておいたほうがよいでしょう。

そして、任意整理の流れの中で最も時間がかかるのが、債権者との交渉です。
債権者は1円でも多くの金額を返済してほしいと望むため、こちらの提示する条件をすぐにのんでくれるとは限りません。
交渉にかかる期間は大体2～4ヵ月程度です。

また、超過した過払い金が高額な場合などで、過払い金返還請求が裁判になると、全体を通して6ヵ月から1年程度の期間が必要になるケースもあります。
任意整理から完済までの期間は3～5年です。

まとめ

任意整理を弁護士に任せれば、大まかな流れを理解しておくだけで問題ありません。
依頼主は、任意整理の流れの最初と最後「弁護士に相談する」「返済を開始する」の2点を行うだけです。

任意整理は、プロである弁護士が行っても長期を要する手続きです。 過払い金には時効がありますし、手続きをのんびりと行っていると返還されるものも返還されなくなる恐れがあります。 借金の解決方法で任意整理を検討している方は、早めに弁護士に相談することをお奨めします。