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相続

家族信託の解決事例

2020年08月26日|相続, 解決事例

1 事案の概要

 依頼者の方が高齢のため,自身の所有する不動産を全て長男に贈与し,長男家族と同居したいとのご希望から,弊所にご相談いただきました。

 もっとも,生前贈与による場合,①贈与税が掛かること,②不動産取得税が掛かること,③贈与登記の登録免許税が比較的高いこと,④相続時精算課税制度を利用して土地の贈与を受ける場合,相続時に小規模宅地の特例が利用できないこと等,生前贈与に関わる問題点が複数ありました。

2 弊所での検討結果

  弊所では,上記問題点を解決できないか種々検討した結果,「信託」の利用を提案させて頂きました。信託とは,財産を持つ者が信頼できる相手と,特定の目的のため,財産管理や処分等を任せる内容の契約を言います。

3 信託を利用する事のメリット

 上記2記載の信託を利用することで,①´贈与税が掛からないこと,②´不動産取得税が掛からないこと,③´登録免許税が安いこと,④´相続時に小規模宅地の特例を利用できるといったメリットがあり,生前贈与に関わる問題点①~④を全て補うことができました。

 また,信託で管理を託した財産については,そのまま相続発生後の承継者を指定することができます。本件では,依頼者の死亡時において,依頼者が管理を委託した不動産の帰属権利者を長男にすることを定め,信託の中に,遺言の機能も持たせることにしました。このように,信託に遺言の機能を持たせたものを,「遺言代用信託」と言います。

 信託に遺言の機能を持たせる典型的パターンとしては,本件のように,①委託者の死亡で信託契約を終了させ,残余財産の帰属権利者を指定する形と,②委託者が死亡しても信託を終了させず,第二の受益者を指定して信託財産のまま後継者に資産を残す形(受益者連続信託)があります。

 受益者連続信託は,主に,先祖代々承継してきた不動産を散逸させず,跡取りに順次承継させたい場合などに使われます。

4 信託の利用目的

 信託の利用目的には,上記のような場合の他,①認知症によって判断能力が低下し,財産管理や資産運用ができなくなった場合に備える目的や,②相続発生により被相続人の財産が凍結され,被相続人の葬儀費用や相続人の生活資金に支障が生じることを防止する目的なども存在します。

 信託は,当事者が決めたことを極力尊重し,法律が過度に規制を行わないという私的自治の現れでもありますので,利用目的も様々です。

5 総括

 このように,信託には,従前からの方法(遺言,後見,生前贈与)で発生していた不具合を柔軟にカバーできる場面があり得ますが,一般に認知され出したのは比較的最近であり,十分に活用されていないのが現状です。

 弊所では,従前からの方法(遺言,後見,生前贈与等)のみではなく,場合によっては,信託による方法も含めて検討し,依頼者の方にとって最善の方法をご提案できるよう心掛けております。

 相続のことでお悩みの場合,まずは守口門真総合法律事務所までご相談ください。
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相続法改正~自筆証書遺言の方式緩和と遺言書保管制度~

2020年08月12日|弁護士コラム, 相続

 平成29年5月に改正された債権法に続き,平成30年7月6日,相続法も改正されました。ここでは,改正された相続法の内容の中から,自筆証書遺言に関する改正について御説明します。

1.自筆証書遺言とは

 自筆証書遺言とは,遺言者本人が作成する遺言書を指します。

 自筆証書遺言が有効になるためには厳格な要件があり、一部でも他人が代筆したりパソコンで作成したりしていると無効となります。日付や不動産の所在地など、記載すべき事項が抜けていると、それだけで遺言書そのものが無効となってしまいます。

2.従来の問題点

 改正前の民法では、自筆証書遺言は,その内容を全て遺言者が手書きで作成する必要がありました。そのため、預金や不動産などの財産を多数持っている場合,遺言の作成自体が大仕事になってしまい,そもそも作成自体行われないということが多くありました。

 また,自筆証書遺言は,遺言者が作成した後,自宅等で保管されることが多く,紛失したり,相続人による破棄,隠匿,改ざん等が行われたりするおそれがありました。

 更に,相続発生時には,家庭裁判所での検認が必要となり,手続負担が重いという問題もありました。

3.改正のポイント

(1)遺言書の作成について
 そこで今回の改正では、財産目録(財産の一覧表を指します)については、手書きでなくともよいというように要件が緩和されました。例えば,パソコンで財産目録を作成する場合の他、登記簿や通帳のコピーを使うことで財産目録とすることが可能となりました。

 このように,作成の負担が軽減し,預金や不動産を多数お持ちの方にとっては、好ましい改正となっています。

 もっとも,手書きではない財産目録を遺言に添付する場合は,それぞれの用紙に署名・押印をする必要があるため,注意が必要です。

 この改正は他の改正項目に先がけ、平成31年1月13日から施行されています。

(2)法務局での保管について
 次に,自筆証書遺言を法務局で保管してもらうことが可能となりました(遺言書保管法参照)。

 法務局で保管されている遺言については,相続発生後,相続人等は,法務局に対し,遺言書保管事実証明書の交付を申請することにより,遺言書の保管の有無の照会を行うことが可能となります(遺言書保管法10条1項)。

 また,法務局で保管されている遺言については,検認手続が不要とされました(遺言書保管法11条)。

  もっとも,遺言書の保管申請は,遺言者の住所もしくは本籍地または所有する不動産の所在地を管轄する法務局に対し,定型書式により行う必要があります(遺言書保管法4条)。そして,保管申請時には,遺言者本人が法務局に出頭することが必要となります(遺言書保管法4条6項)。こうした手続が必要になる点は注意が必要です。

 法務局における遺言書の保管期間は,原則として,遺言者の死亡日から相続に関する紛争を防止する必要があると認められる期間であり(遺言書保管法6条5項),遺言書については50年,遺言書に係る情報(遺言書保管法7条参照)については150年とされています(遺言書の保管等に関する政令5条2項)。

 なお,法務局による自筆証書遺言の保管は、平成32年(2020年)7月10日から開始しています。

4.最後に

 遺言の作成は、相続争いを回避する有効な手段です。

 自筆証書遺言や公正証書遺言の作成など、相続についてのご相談を当事務所ではいつでもお受けしています。今回扱った遺言のことに限らず,相続に関することでご心配事がありましたら、守口門真総合法律事務所までお問い合わせください。

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民法改正 ~瑕疵担保責任から契約不適合責任へ~

2020年06月29日|不動産, 企業法務, 弁護士コラム, 相続

1 瑕疵担保責任の見直し

平成29年5月26日,民法の一部を改正する法律が成立し(同年6月2日公布),一部の規定を除き,令和2年(2020年)4月1日から施行されています。

民法改正により,売買契約における瑕疵担保責任の規定は大幅に見直されましたので,以下,主な変更点をご説明致します。

2 「瑕疵」から「契約不適合」へ

改正民法においては,現行民法の「瑕疵」という文言は使われなくなり,「引き渡された目的物が種類,品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるとき」との文言に変わりました。これは,「瑕疵」が物理的瑕疵だけではなく心理的瑕疵も含む幅広い概念であることを踏まえたもので,従前の解釈を積極的に変更するものではありません。

瑕疵の存否は,契約の趣旨を踏まえて目的物が有するべき品質,性状等を確定した上で,引き渡された目的物があるべき品質に適合しているかの判断によります。

3 民法改正による主な変更点

(1)対象が特定物に限られないことに

改正前民法においては,瑕疵担保責任の対象は特定物に限られるものとされていましたが,民法改正により,特定物であろうと,不特定物であろうと,契約不適合責任が適用されることになりました。

(2)原始的瑕疵に限られないことに

改正前民法においては,瑕疵担保責任における「瑕疵」とは,原始的瑕疵(契約時点までに発生した瑕疵)に限られていましたが,民法改正により,契約履行時までに瑕疵が発生した場合には,契約不適合責任を負うことになりました。

(3)買主側の法的手段

改正前民法においては,瑕疵担保責任によって買主が責任追及できる手段は,契約目的を達成できない場合の「解除」と損害賠償だけでしたが,民法改正により,追完請求及び代金減額請求が可能になりました。以下,簡単に説明致します。

ア 買主の追完請求権

(ア)買主の追完請求権に関する規定

 改正前民法においては,瑕疵担保責任が「原始的」瑕疵がある場合の規定であったことから,追完請求権の規定はありませんでした。

売主は,売買の目的となった特定物を現状のまま引き渡せば足り,特定物に不具合があったとしても,売主はなすべき給付を履行している以上,買主は追完を求めることはできないとされていたからです。

 しかし,改正民法においては,瑕疵担保責任を債務不履行責任の特則と位置付ける立場から,買主の追完請求権に関する規定が設けられています。

(イ)追完請求権の要件

 買主は,売主の帰責性の有無を問わず,追完請求権を行使することが可能になりました。目的物が種類物又は中古車等の代替可能な特定物であれば,修理や代替物の取得に多大な費用が掛かるなどの事情がない限り,買主の追完請求権が認められます。

 もっとも,売主の追完義務が履行不能になっている場合には,追完は事実上不可能ですから,追完請求権を行使することはできません。

 但し,契約不適合が買主の責任による場合,買主は追完請求権を行使することができません。

(ウ)追完方法の選択

 追完方法については,目的物の修補,代替物の引渡し,不足分の引渡しと定められており,追完方法は一次的には買主の選択に委ねられています。

 但し,売主の選択する追完方法が買主に不相当な負担を課すものでない場合,売主は,買主の選択とは異なる方法で追完することができます。

イ 買主の代金減額請求権

 現行民法では,数量不足及び権利の瑕疵の一部についてのみ,買主の代金減額請求権が定められていましたが,民法改正によって,買主は,物・権利いずれの契約不適合があった場合でも,売主の帰責性を問わず,代金減額請求が可能になりました。

 代金減額請求権は,契約の一部解除と同様の機能を営むため,代金減額請求を行うには,原則として,先に相当の期間を定めて追完を催告し,当該期間内に追完がないことが必要です。但し,①追完が不能な場合,②売主が追完を拒絶する意思を明確に示した時,③定期行為について売主が追完をせずに時期を経過したとき,④その他催告をしても追完の見込みがないことが明らかな場合は,追完不要とされています。

 契約不適合が買主の責任による場合,代金減額請求ができない点は,追完請求権の場合と同様です。

ウ 解除権及び損害賠償請求権

(ア)解除権

 現行民法では,解除権の要件として,5632項及び565条の場合,①残存する部分のみであれば買主が買受けなかったこと及び②買主の善意が,566条及び570条では,ⓐ契約目的を達成することができないこと及びⓑ買主の善意が規定されています。

 もっとも,民法改正によって,現行民法の条文は全て削除され,買主の解除権発生の要件は,債務不履行の一般原則に委ねられました。

したがって,売主は,買主の解除に対しては,契約不適合が軽微であることを主張して,解除の効力を争っていくことになります。なお,契約不適合が軽微であることの主張・立証責任は売主の負担となります。

 また,買主は,①売主の追完義務が履行不能であるかまたは履行の追完を拒絶する意思を明確に示しており,残存部分のみでは契約目的を達成できないとき,②その他追完の催告をしても契約目的を達するに足りる追完を受ける見込みがないときなどには,売主に対して無催告解除を行うことが可能です。

(イ)損害賠償請求権

 改正民法では,損害賠償請求権の要件・効果は債務不履行の一般原則に委ねられているため,要件としては売主の帰責事由が必要になり,効果としては履行利益の賠償まで認められることになります。すなわち,契約不適合が存在する場合であっても,それが契約及び取引の社会通念に照らして売主の帰責性によるものではない場合,売主は免責されることになります。

 なお,改正民法では,「数量」の不適合の場合,一般の消滅時効によって規律されることになります。これは,数量の不適合は,売主にとって比較的容易に判断できるため,売主の期待を保護する必要性に乏しいからとされています。

(4)担保責任の期間制限

目的物の種類・品質の契約不適合の場合,買主は,契約不適合を知ってから1年以内に不適合を通知しなければ,権利行使ができないものとされています。

現行民法では,「契約の解除又は損害賠償の請求」という権利の行使を1年以内にする必要があったのに対し,民法改正によって,「不適合の事実の通知」に緩和されました。また,売主が目的物を引き渡す際に,不適合の事実について悪意・重過失であった場合,買主は同期間経過後も失権しません。

なお,改正民法では,「数量」の不適合の場合,一般の消滅時効によって規律されることになります。これは,数量の不適合は,売主にとって比較的容易に判断できるため,売主の期待を保護する必要性に乏しいからとされています。

 

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所有者不明土地問題―土地の相続への影響について

2020年04月6日|不動産, 弁護士コラム, 相続

1 所有者不明土地問題

2019年12月3日,法制審議会民法・不動産登記部会において,所有者不明土地問題等に関する民法等の改正に関する「中間試案」が取りまとめられました。

所有者不明土地とは,不動産登記簿により所有者が直ちに判明せず,または所有者に連絡がつかない土地のことで,その土地の利用等が阻害されていることなどが問題視されています。公共事業や再開発に向けた用地取得の妨げとなり,また,空き地の管理に支障が生じ,空き家や危険な家屋などがある場合には災害リスクともなります。

平成28年度地籍調査対象の土地のうち20.1%が不動産登記簿により所有者の所在が確認できない土地となっており,無視できない問題であります。そのうち相続による所有権の移転登記がなされていないものが66.7%であって,所有者不明土地が発生する主な原因が,土地所有者の死亡後,相続登記がなされていないことにあるといえます。

2 遺産分割の期間制限

現行法では,遺産分割をいつまでにすべきかについて,期間を制限する規定がありません。そのため,遺産土地が被相続人の登記名義のまま,長期間放置されることが多々存在しています。その結果,所有者不明土地が発生することとなっています。

そこで,遺産分割の合意又は遺産分割手続の申立てに関し,期間の制限を設けることや,一定の期間が経過したときは,具体的相続分の主張を制限することが検討されています。

一定の期間の制限については,10年とする案や,5年とする考え方が検討されています。この期間制限については,現行法にはない制限ですので,注意を要するものとなります。

3 相続登記の義務化

そして,遺産分割の合意等の結果の不動産所有権の移転を,不動産登記に反映させるために,相続人には,一定の期間の間に相続登記の申請を義務付けられることが検討されています。

この場合の,一定の期間については,比較的短期間の1年,2年,3年とすることや,長期間の5年,7年,10年とすることが検討されている。不動産所有権移転が,遺産分割の合意等による取得の場合,特定財産承継遺言による取得の場合,遺贈による取得の場合など,それぞれにおいて期間を異なるものとするのか,同一の期間とするのかについても検討されております。

4 さいごに

今回は,所有者不明土地問題に関連して,法改正の一部である,相続における遺産分割の期間制限や相続登記の義務化について言及しました。みなさまに身近な相続の問題にも影響を及ぼす可能性がありますので,ご注意いただければと思います。

なお,中間試案は,パブリックコメント手続を経て,寄せられた意見を踏まえて引き続き審議が行われ,今秋頃に法務大臣に要綱を答申し,法改正が国会に上程される予定となっています。

 

(参考)「民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)当の改正に関する中間試案」

(令和元年12月3日の取りまとめ)

http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900001_00007.html

 

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解決事例(遺留分減殺請求)

2020年01月27日|相続, 解決事例

1.事案の概要

相談者は,弊所へ相談に来られる9か月前にお父様が亡くなられましたが,お父様が生前に公正証書遺言を作成していたという事案でした。法定相続人は,相談者以外にお母様と弟の2名,つまり合計3名で,法定相続割合は,相談者が4分の1,お母様が2分の1,弟が4分の1となりますが,公正証書遺言により,自宅不動産を母に,それ以外の不動産や預貯金といった遺産については全て弟に相続させるという内容で,相談者は一切遺産を受け取ることができないという状況でした。

もっとも,このような場合でも,法定相続人に対する最低限度の保障として,遺産の中から遺留分に相当する財産を取得する権利(「遺留分減殺請求権」といいます)が認められています。本件において相談者に認められる遺留分割合は遺産の8分の1でした。

相談者も,相談に来られる前にご自身で遺留分減殺請求をしていましたが,母及び弟より何ら返答が得られなかったため,当事務所にご相談に来られました。

2.遺留分減殺請求の交渉,調停及び訴訟

(1)遺留分減殺請求の交渉

遺留分減殺請求権については,相続が始まる時、または減殺すべき贈与または遺贈があることを知った時から、1年以内に請求しなければなりません。そこで,既に相談者がご自身で遺留分減殺請求をしていましたが,改めて弁護士からも遺留分減殺請求をするとともに,和解の提案をいたしました。

しかし,相手方らにも弁護士が就任し,和解に応じることは出来ない旨の回答があったため,直ぐに調停申立を行いました(遺留分減殺請求案件は、まず調停での解決を図るのが原則となっています)。

(2)調停における交渉

本件において,公正証書遺言により弟が相続した不動産については,賃貸不動産として使用されており,当然家賃が発生していましたが,家賃については,被相続人が直接現金で受け取っており,回収した家賃についても,当方で取得した被相続人の預金通帳の取引履歴には何ら残っていない状態でした。

もっとも,被相続人は,亡くなる約4年程前から施設に入所しており,家賃を回収することは現実的に困難な状況であったため,同不動産を相続した弟が,既に生前から家賃を回収していたと考え,回収家賃分についても遺産に含まれ,遺留分減殺請求の対象となることを主張しました。

これに対し,相手方らは,回収した家賃については被相続人の施設費用等に充てたため,残っていないとの反論をしたため,当方からその使途及び金額について当根拠資料の提出を求めましたが,これに応じませんでした。

そこで,当方から,調停段階における早期解決を図るために,相手方の遺留分侵害額約1000万円を支払うことでの金銭的解決を目指しましたが,相手方からはその半額程度の支払しかできない旨の回答があったため,調停は不調とし,訴訟提起をしました。

 

(3)訴訟による解決

訴訟段階でも調停時と同様に回収家賃分の使途について根拠資料の提出を求めました。この時,調停段階の主張に加え,被相続人の預金通帳の取引履歴を精査し,被相続人の出費項目及び金額を表にまとめて提出することで,相手方の主張に基づいたとしても,回収家賃分が被相続人の支出によって全て費消されることはないことを説得的に主張しました。これによって,裁判所からも相手方らに根拠資料の提出するよう指示があり,相手方らより根拠資料の提出がなされ,回収家賃の使途等が明らかにされました。

その上で,裁判所から和解による解決が提案され,相手方らより相談者に対して,代償金として850万円を支払うという内容で和解が成立しました。当初調停段階で,相手方が提示していた金額を大きく上回る内容で解決をすることが出来ました。

3.結語

本件では,相談者も,当初の相手方の提示額より大きく相談者に有利な金額で解決をすることができたため,ご満足いただきました。

もし,相続や遺産分割でお困りの方は,お早めに,守口門真総合法律事務所にお問い合わせいただければと思います。

 

 

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