交通アクセス

〒 570-0056
大阪府守口市寺内町2丁目7番27号
ステーションゲート守口5階 ※ビルに駐車場はございませんので,
近隣有料駐車場をご利用ください

相談予約受付中です

06-6997-7171 [受付時間]平日9:00~18:00

メールでのご予約

※電話・メールのみでの法律相談は行っておりません。

守口門真総合法律事務所重点取扱い分野

  • 交通事故
  • 相続(守口・門真)
  • 後見(守口・門真)
  • 不動産
  • 企業法務
  • 離婚
  • 借金
  • 法人破産

相続 - 守口門真総合法律事務所 - Page 3

遺言書は必要?弁護士にサポートしてもらうメリットは?

2021年10月11日|弁護士コラム, 新着情報, 相続

守口門真総合法律事務所の弁護士村上和也です。
遺言書は必要ですか?,弁護士にサポートしてもらうメリットは何ですか?,等につき,よく御相談を受けますので,本日はこの点の解説をさせていただきます。

「遺言書」という言葉や存在を知っていても、実際に遺言書を作成している方は少ないのではないでしょうか。「遺言書を作るのは大変そう」「子どもがいないから不要なのでは?」と思うかもしれません。
しかし、遺言書を作成しておくことで得られるメリットがあります。
遺言書の必要性や費用について理解した上で、作成を検討していただければ幸いです。


【目次】
遺言書はなぜ必要?
遺言書作成のタイミングについて
遺言書は自分で簡単に作ることができる?
遺言書を作成した後はどうしたらいい?
遺言書の作成を弁護士にサポートしてもらうメリットについて
まとめ



遺言書はなぜ必要?

 遺言書がないと、残された家族が遺産を巡って揉めてしまう可能性があります。
 親が健在の時には、親からの援助や支援(学費やその他費用など)について、兄弟姉妹間で不満を持っていても、表面化することは少ないと思います。
しかし、親が亡くなると、今までため込んでいた不満が爆発し、相続争いになることがあります。
 例えば「兄は留学費用を出してもらったけど、私は留学していない」「妹は新居購入の費用を出してもらったけど、私は何もしてもらっていない」など、過去のことが火種になったりします。
 血のつながっている兄弟姉妹でも争いになりやすいですから、血がつながっていない兄弟姉妹の場合はさらに争いが起こりやすい傾向にあります。父親が再婚していて、先妻・後妻それぞれに子どもがいる場合などは、相続トラブルに発展しやすいです。

兄弟姉妹の人数が多いとトラブルになりやすい?
 兄弟姉妹の人数が多い人が亡くなった場合も、相続が大変になります。
とくに、兄弟姉妹の中に子どもがいない人がおり,その人が亡くなった場合は、相続人に該当する人が多くなるので要注意です。
 なぜなら、子どもがいない人の場合は,兄弟姉妹も相続人になるためです。
兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合は、その子ども(亡くなった人の甥姪)が相続することになります。代襲相続人といいます。
 そのため、たくさんの兄弟姉妹がいる場合は相続人(甥姪)も多くなり、相続の手続きが大変になってしまうのです。
 相続は親族間で争いが起こりやすいので、遺言書があると、遺産分割をスムーズに進められ、無駄な争いを防ぐことができます。

遺言書作成のタイミングについて

 遺言書の作成は早い方がいいです。
 自分が何歳まで生きられるかは、誰にも分かりません。
 不慮の事故・病気などで突然亡くなってしまう可能性もありますので、「遺言書について相談しようかな…」と思った時がベストタイミングです。
 当事務所では60代~70代の方からのご相談が多いですが、50代や80代の方もいらっしゃいますし、50代でも決して早すぎることはありません。遺言書は気が変わったら作り直すことも可能ですので、ご安心ください。

遺言書作成時と相続時で資産状況が変わることについて
 みなさん心配されるのは「早く作成しすぎると、遺言書作成時と相続時で資産が変わってしまう(資産が減ってしまっている可能性がある)のでは?」という点です。確かに、老後に銀行口座のお金を生活資金などで使うと、口座の預金残高は減っていきます。
 しかし、遺言書では「預金の割合を指定する」という方法もあります。
 3人兄弟であれば、「長男:次男:三男=2:1:1」の割合で分けるという内容も可能なのです。また、金額ではなく「相続する口座を指定する」という方法もあります。この場合であれば、口座の金額が変動しても問題ありません。
 遺言書作成時と相続時の資産状況の変化については、そこまで心配する必要はありません。

遺言書は自分で簡単に作ることができる?

 遺言書には、自分で書く「自筆証書遺言」、公証人と作成する「公正証書遺言」があります。自筆で作成する場合は「自筆証書遺言」となり、遺言書のルールを守り、日付・捺印なども忘れずに作成することができれば問題ありません。以前は財産部分の作成が難しかったのですが、法改正によって、目録はパソコンのソフト「Word」での作成も認められるようになりました。

 また、通帳のコピーも認められるようになり、遺言書作成のハードルが下がっています。ただし、遺言書のルールが守れていないと無効になるので、個人で作成する場合はしっかり確認をしましょう。不安な場合は、弁護士のサポートを受けることも可能です。
 当日に遺言書を作成できるケースもあります。

公正証書遺言にはどんなメリットがある?
公正証書遺言は、偽造の心配がありません。そのため、遺言書を巡っての争いが起きないというメリットがあります。また、検認も不要となります。
 このようなメリットから、当事務所で遺言書を作成される方の7~8割の方が公正証書遺言を選んでいます。ただし、作成には印鑑証明や戸籍謄本などの書類を用意する必要があり、公証人とのスケジュール調整もあります。
 作成には、最低でも2,3週間、長い場合は1,2カ月程度かかるでしょう。
 弁護士がサポートをする場合、原案作成、公証人との内容すり合わせ、スケジュール調整を代行します。完成までにはそれなりに時間がかかりますので、早めにご相談ください。

遺言書を作成した後はどうしたらいい?

 自筆証書遺言の場合は、完成した遺言書を封筒に入れしっかり封をし、保管します。そして家族などに遺言書の存在を伝え、その時がきたら実行してもらいましょう。
 公正証書遺言の場合、原本は公証役場で保管してくれます。
 公証人から正本・謄本を受け取ることになります。家族にも公正証書遺言があることを伝え,正本・謄本のうちどちらか1つの保管を委ね、他1つを自分で保管しておきましょう。

確実に遺言書を残すには?
 遺言書の存在は、自分だけが知っていても意味がありません。
必ず実行可能な人、家族や信頼できる人に知らせて、適宜,託しておきましょう。
 自筆証書遺言の場合、原本しかありませんので、無くさないように気を付けてください。自筆証書遺言は公正証書遺言よりも手軽に作成できますが、偽造・変造される不安が残ります。遺言書は手を加えられると、無効になってしまいます。
 また、誰かに捨てられたり無くされたりしてしまったら、遺言書は無意味になってしまいます。確実に遺言書を残したい場合は、公証役場で原本を預かってもらえる「公正証書遺言」を選択しましょう。

遺言書の作成を弁護士にサポートしてもらうメリットについて

 弁護士がサポートをすることで、確実に有効な遺言書が作成できます。
 また、家族構成などを考慮し、争いがおきにくい遺言書にすることも可能です。手間のかかる資料収集のサポートなども行いますので、スピーディーに作成することができるのもメリットですね。

遺言書作成の費用はどれくらい?
 当事務所で遺言書を作成する場合、下記が費用の目安となります。
・自筆証書遺言:3~5万円程度
・公正証書遺言:20万円程度
※別途,公証人への手数料(数万円~10万円程度)がかかります。
 遺言書の内容の変更(遺言書の作り直し)は、初回費用の半額程度で対応しています。

まとめ

 遺言書は、残された家族・親族が相続争いを起こさないためにも必要です。
 作成に早すぎることはありませんので、気になったタイミングでご相談ください。ご自身で作成していただくことも可能ですが、遺言書にはルールもあります。確実に有効となる遺言書を作成するためにも、法律のプロである弁護士のサポートを受けられることをおすすめします。
 弁護士に依頼する場合、費用はかかりますが、もし遺言を作成しないまま亡くなって遺族が遺産争いをすることになれば,100万以上の弁護士費用が発生することが多々あります。
 争いが起きないように遺言書を作成しておくことで、残された家族のためにもなりますので,是非,早急に遺言書の作成を御検討いただければと思います。

弁護士村上和也のプロフィール
所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言・相続(遺産分割・遺留分・遺言執行)・成年後見
講演歴:①「今日から始める相続対策」(終活セミナーでの講演)
    ②「相続・遺言・遺留分・金銭管理・成年後見」
     (地域包括支援センター家族介護教室での講演)
    ③「金銭管理・成年後見・個人情報保護」(認知症サポーター養成講座での講演)
<弁護士からの一言>
・早い段階で御相談いただくほうが良い解決につながることが多いですから,ささいなことでも結構ですので,お早めにお問い合わせください。
・相続問題は,遺産分割調停・遺留分減殺請求訴訟等,様々な紛争を扱う,紛争処理のプロである弁護士に御相談ください。

遺言・相続・成年後見のことでお悩みの場合,まずは守口門真総合法律事務所までお問い合わせ相談ください。初回は無料で御相談可能です。
守口門真総合法律事務所(京阪守口市駅西出口すぐ)
TEL:06-6997-7171
守口市・門真市の遺言・相続や成年後見(財産管理)に関する詳細はこちら(当事務所HP)

民法改正 ~売買・贈与に関する規定の見直し~

2021年07月22日|不動産, 借金問題, 弁護士コラム, 相続

1 売買・贈与に関する規定の見直し

 平成29年5月26日,民法の一部を改正する法律が成立し(同年6月2日公布),一部の規定を除き,令和2年(2020年)4月1日から施行されています。

 民法改正によって,売買・贈与に関する規定も一部変更となりましたので,以下,変更された主な規定をご説明致します。

 なお,瑕疵担保責任の規定については,従前,「民法改正~瑕疵担保責任から契約不適合責任へ~」の中で解説しておりますので,今回の説明からは省略させて頂きます。 

2 危険負担の債権者主義が廃止

 危険負担とは,債務者に責任のない事由によって,目的物が滅失・損傷し,債務者の目的物給付義務が消滅した場合に,債権者も反対債務である代金支払義務を免れるか,すなわち,債権者と債務者のいずれが危険を負担するのかという問題です。

 改正前民法534条は,特定物の危険負担について債権者主義を定めており,このような場合に「債権者が危険を負担する」,すなわち債権者は反対債務である代金支払義務を免れない,との結論が取られていました。
 もっとも,債権者からすれば,未だ目的物の引き渡しを受けていないにもかかわらず,代金支払義務を負担することになるため,結論の妥当性に疑問の声も挙がっていました。

 改正民法では,危険負担における債権者主義(債権者が危険を負担する)が廃止され,当事者双方の責めに帰することができない事由によって,目的物が滅失・損傷した場合,債権者は反対給付(代金支払義務)の履行を拒めることが明記されました。

 一方で,債権者の責めに帰すべき事由によって,目的物が滅失・損傷した場合,債権者に反対給付の履行拒絶権がない点は従来どおりです。
 そして,改正民法では,目的物の引き渡しによって危険が移転することが明示され,目的物の引き渡し後に目的物の滅失・損傷が生じた場合には,債権者は,これを理由とする追完,代金減額,損害賠償請求,契約解除ができないことが明らかにされました。

 また,債務者による履行の提供が行われたにもかかわらず,債権者が履行の受領を拒絶した場合,改正前民法においても,その後に発生した危険は債権者が負うとされていましたが,改正民法では,契約内容に適合する履行の提供さえあれば,売主側から買主側へ危険が移転することが明文化されています。

3 売買の手付解除

 改正前民法においては,買主が売主に手付を交付したときは,売主は手付の倍額を「償還」すれば,契約解除が可能と規定されていました。しかし,改正民法においては,売主は手付の倍額を「現実に提供」すれば契約解除が可能とされています。

 元々判例上,売主は手付の倍額を「現実に提供」すれば手付解除が可能とされており,「償還」までは不要とされておりましたので,今回の改正は,かかる判例法理が明文化された形であり,事実上大きな変更はありません。

 また,改正前民法では,「当事者の一方が契約の履行に着手するまで」は手付解除が可能と定められていました。しかし,「当事者の一方」との文言では,手付解除を行う者のみが履行に着手した場合でも,手付解除が認められなくなるとの誤解を受ける恐れがありますので,改正民法では,「その相手方」が契約の履行に着手した後は手付解除ができない,との表記に改められました。

4 贈与

 贈与者の担保責任について,改正前民法は,贈与者は,贈与の目的物又は権利の瑕疵又は不存在について責任を負わないとしながらも,「贈与者がその瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかったとき」は,担保責任を負う旨規定していました。
 しかし,改正民法では,贈与者は,「贈与の目的である物又は権利を、贈与の目的として特定した時の状態で引渡し、又は移転することを約したものと推定する。」との推定規定が置かれましたので,贈与の当事者間でこれと異なる合意等があることを立証しない限り,贈与者は担保責任を負わないこととなります。

5 小括

 このように,民法改正によって,売買・贈与に関する規定もいくつか変更されており,変更後の規定は,改正民法施行後に新たに締結された売買・贈与契約に適用されます。

売買・贈与等の法律問題でお悩みの方は,守口門真総合法律事務所まで,いつでもお気軽にご相談ください。

守口門真総合法律事務所(京阪守口市駅西出口すぐ)
TEL:06-6997-7171
平日9:00~18:00 ※時間外は電話代行にてご伝言をお預かりいたします。

遺産分割事件における調停に代わる審判

2021年03月23日|弁護士コラム, 相続

1 遺産分割事件について

 遺産分割事件において,当事者間の任意の交渉で合意が成立しない場合,遺産分割調停の申立てを行い,そこでも調停が成立しない場合には,原則的には,遺産分割審判に移行し,最終的に家庭裁判所が「審判」を下すことによって事件を終結させます(詳しくは,弊所HP「遺産分割」の欄(https://murakami-law.org/inheritance/heredity-003.html)をご覧ください)。

 もっとも,遺産分割事件においては,そもそも相続人が多数になることも多く,その相続人の中には,遺産の取得に興味を示さない方がいることも少なくなくありません。そして,そのような相続人は,遺産分割調停の申立てがなされ,裁判所より連絡があっても,全く応答せず,申立内容に対する賛否等を明らかにしないまま調停期日に欠席するということもあります。

 この場合,遺産分割調停はあくまで当事者全員による出席が必要であるため,一人でも上記のような相続人がいる場合には調停は不成立となり,審判手続へと移行することになります。

 しかし,相手方が申立内容について争っている事案と異なり,何ら反応を示さない等の不誠実な対応で,審理に相当程度の時間を要することとなる審判手続に移行することは,申立人や既に遺産分割内容に賛成している他の相続人にとって,多大な不利益となります。

 したがって,実務上では,「調停に代わる審判」という手続が採用されることがあります。

2 調停に代わる審判

(1)調停に代わる審判とは,遺産分割調停が成立しない場合でも,一定の要件が充たされる場合,調停終了と同時に裁判官によって法的な解決内容を決定することができる制度をいいます(家事事件手続法284条)。

 その特徴は,当事者からの申立てがなくとも,裁判所の判断で職権に基づき実施される手続であり,迅速かつ終局的な解決を行われるという点です。そのため,調停に参加していた当事者にとって,通常のように審判手続へと移行するよりも,時間的・心理的・経済的なメリットが大きい手続であると言えます。

(2)実際の条文は以下のとおりです。

(調停に代わる審判の対象及び要件)
第二百八十四条 家庭裁判所は、調停が成立しない場合において相当と認めるときは、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を考慮して、職権で、事件の解決のため必要な審判(以下「調停に代わる審判」という。)をすることができる。ただし、第二百七十七条第一項に規定する事項についての家事調停の手続においては、この限りでない。

2 家事調停の手続が調停委員会で行われている場合において、調停に代わる審判をするときは、家庭裁判所は、その調停委員会を組織する家事調停委員の意見を聴かなければならない。

3 家庭裁判所は、調停に代わる審判において、当事者に対し、子の引渡し又は金銭の支払その他の財産上の給付その他の給付を命ずることができる。

 上記第2項に記載されているように,調停に代わる審判手続は,今まで調停を担当していた調停委員の意見を踏まえて,調停が継続している裁判所が判断することになるため,調停の経緯も踏まえた判断がなされることとなります。

 先ほど御説明したとおり,調停に代わる審判手続は,裁判所の判断で実施するか否かを決めるものであり,当事者に同手続を行うよう申立てをする権利は認められていませんが,調停の中で調停委員に対して,同手続を実施するよう上申を行うことは可能です。

(3)調停に代わる審判手続の要件は裁判所が「相当と認めるとき」とされており,当事者の一方が合理的な理由もないのに合意を拒んでいる場合を指します。

 具体的には,冒頭の例のように,①一部の相続人が賛否を明らかにしないまま期日に欠席する場合,②ただ一人だけ遺産分割の方針に反対している相続人おり,その反対の理由も感情的なものに過ぎない場合,③わずかな意見の食い違い等によって遺産分割調停があと一歩のところで成立しない場合等が挙げられます。

 こうした場合には,多数の相続人が同意している内容で調停に代わる審判がなされ,合理的で迅速な解決が図られることとなります。

(4)調停に代わる審判手続は,このように迅速な解決に役立つ手続ではありますが,注意点もあります。

 まず,調停に代わる審判では,その内容について不満がある当事者には,異議の申立てを行う権利が認められており(家事事件手続法286条),異議の申立てがあった場合には,事件は通常の審判手続へと移行することとなります。

 また,調停に代わる審判手続は,その告知によって効力が生じますが,公示送達により告知することはできないとされているため(家事事件手続法285条2項),当事者が所在不明の場合には,この手続を利用することはできません。

3 最後に

 今回は,遺産分割事件における「調停に代わる審判」という手続について御説明させて頂きましたが,相続や遺産分割に関する法律問題は多岐にわたり,ご本人様の対応では難しい場面が多いことかと思います。
 何か,ご自身やご家族の相続に関することでご不安なことがございましたら,お早めに守口門真総合法律事務所までご相談ください。

守口門真総合法律事務所(京阪守口市駅西改札口出てすぐ)
TEL:06-6997-7171
守口市・門真市の遺言・相続や成年後見(財産管理)に関する詳細はこちら(当事務所HP)

生命保険の受取人を長男にする場合の注意点とは

2021年02月15日|弁護士コラム, 相続

守口門真総合法律事務所の弁護士村上和也です。
生命保険の受取人を長男にする場合の注意点について、よく御相談を受けますので、本日はこの点の解説をさせていただきます。

生命保険の受取人を長男にする場合の注意点とは

「長男にお金を残したい」という想いから、生命保険の受取人を長男にしようとする場合があるかもしれません。理由は、長男が家業を継いでくれた、親と同居して親の面倒を見てくれた等、様々です。

しかし生命保険金の金額によっては、相続時にいわゆる相続争い(争族・争続)が起こる可能性がありますので、注意点を説明していきます。

生命保険金は相続財産(遺産)にならない

生命保険の被保険者が死亡し、死亡保険金が相続人でもある受取人に支払われるとき、死亡保険金は受取人固有の権利とされ、相続財産(遺産)には該当しない、とするのが判例上の扱いです。したがって、長男にお金を残したいのであれば、長男を受取人とする生命保険に加入すれば、原則として、目的は達成できることになります。

もっとも、以下のような例外もありますので、念頭に置いておく必要があります。

生命保険金が特別受益になる可能性も僅かにある

遺贈または生前贈与によって、特定の相続人に受益がある場合を特別受益と呼びます。特別受益に対しては、相続財産(遺産)に特別受益の価額を加え(持ち戻し)たうえで、相続分を算出して、その特別受益者の相続分から特別受益が控除されます。

このように、遺贈または生前贈与は特別受益になり得ますが、生命保険の受取人にすることは、原則として、特別受益になりません。しかしながら、長男を受取人とした生命保険の保険料を支払うために、財産の大部分を使ってしまうなど、あまりにも相続の公平性を欠くような特段の事情があるときは、例外的に特別受益に準じた扱いをして死亡保険金を相続財産(遺産)へ持ち戻す可能性を示唆した最高裁判例も存在します。

よって、財産に比して不相当に高額な生命保険に加入した場合は、長男以外の相続人から指摘されて、争族(争続)に発展してしまう危険性がありますので、注意が必要です。

相続税の節税に生命保険は有効

相続財産(遺産)に該当しない死亡保険金でも、被相続人の死亡で発生する点にかんがみ、相続財産(遺産)とみなされ相続税の課税対象とされています。

もっとも、相続財産(遺産)とみなされますが、死亡保険金は「500万円×法定相続人の数」で計算された額が、控除されるため、節税効果があります。

しかし、保険料を支払っているのがあなたの配偶者で、なおかつ、長男が受取人であるときは、保険料を支払っている配偶者から長男への贈与と評価されて、贈与税が課税されうる点は要注意です。

生命保険と争族(争続)

相続税課税には基礎控除がなされるため、基礎控除を上回る財産を保有していなければ、相続税を考える必要はありません。しかし、相続税が発生するほどの財産を保有している場合は、節税目的で生命保険に加入する方も一定数います。死亡保険金を相続税の納付原資に使うこともあるでしょう。

もっとも、特定の相続人だけを多額な死亡保険金の受取人にしてしまうと、当然ながら受取人以外の相続人から不平・不満の声が上がり、争族(争続)が起こり、円滑な遺産分割協議の実現を妨げてしまうかもしれません。

そうならないように、長男以外の相続人が納得してくれるような付言事項を遺言に記載するか(ケースによって自筆証書遺言か公正証書遺言か適切な遺言を選択しましょう)、それが無理なら、長男以外の相続人も生命保険の受取人にする、遺言で各相続人をなるべく平等に扱う配慮をする等の工夫が大切だと思います。

弁護士村上和也のプロフィール
所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言・相続(遺産分割・遺留分・遺言執行)・成年後見
講演歴:①「今日から始める相続対策」(終活セミナーでの講演)
    ②「相続・遺言・遺留分・金銭管理・成年後見」
     (地域包括支援センター家族介護教室での講演)
    ③「金銭管理・成年後見・個人情報保護」(認知症サポーター養成講座での講演)

弁護士からの一言
・早い段階で御相談いただくほうが良い解決につながることが多いですから、ささいなことでも結構ですので、お早めにお問い合わせください。
・相続問題は、遺産分割調停・遺留分減殺請求訴訟等、様々な紛争を扱う、紛争処理のプロである弁護士に御相談ください。

遺言・相続・成年後見のことでお悩みの場合、まずは守口門真総合法律事務所までお問い合わせ相談ください。初回は無料で御相談可能です。

守口門真総合法律事務所(京阪守口市駅西改札口出てすぐ)
TEL:06-6997-7171
守口市・門真市の遺言・相続や成年後見(財産管理)に関する詳細はこちら(当事務所HP)

音信不通の兄弟がいる場合の相続手続は?不在者財産管理人が必要?

2021年02月8日|弁護士コラム, 相続

守口門真総合法律事務所の弁護士村上和也です。
音信不通の兄弟がいる場合の相続手続について、よく御相談を受けますので、本日はこの点の解説をさせていただきます。

音信不通の兄弟がいる場合はどのように相続手続を進める?

兄弟の居場所も連絡先も分からない…。このように音信不通の兄弟がいる状態で、親が亡くなってしまった場合、相続手続をどう進めたら良いのでしょうか。相続発生時の対応について考えてみましょう。

音信不通者がいる場合の相続

遺言のないまま親が亡くなり相続が発生した場合、相続人全員による遺産分割協議によって遺産を分割する必要があります。この分割協議には相続人全員の参加が必要であり、1人が欠けた状態で合意しても、法律的には無効になってしまいます。

つまり、相続時に兄弟の居場所や連絡先が不明な場合、遺産分割協議を成立させることができません。その結果、被相続人の預金口座の解約や不動産の移転登記を進めることができなくなります。貸金庫がある場合、その貸金庫を開扉して中身を確認することはできますが(事実実験公正証書)、中身を取り出すことはできません。

このような、相続人に音信不通者がいる場合の対応として「音信不通者を探し出す」「不在者財産管理人を選任する」「失踪宣告を申立てる」という方法があります。

音信不通者を探し出すこと

まずは本籍地の市区町村で戸籍附票を発行してもらい、相手の現住所を確認しましょう。親族であればこのような手順の確認はスムーズに可能なはずなので、登録された現住所に実際に足を運ぶことも可能です。遠方であれば、まずはお手紙を送ってみる方法もあります。

不在者財産管理人を選任すること

不在者財産管理人とは、行方不明者の代理人として、その者の財産を管理する権限を持つ人のことです。
本人不明の状態が続くことに利害関係を持つ相続人や債権者等の申立てにより、家庭裁判所が不在者財産管理人を選任し、財産が動かせない状態を解決することができます。
不在者財産管理人には、行方不明者と利害関係の無い人で、弁護士が選ばれるのが一般です。

今回のような場合には、不在者財産管理人は、音信不通者の兄弟の代理人として、裁判所の許可を得たうえで遺産分割協議に参加することになります。そして、遺産分割協議の結果として、不在者財産管理人が、音信不通者の代わりに音信不通者に帰属する遺産を管理・保管します。

具体的には「収支報告書や目録の作成」「裁判所へ定期的に報告する」といった業務が必要です。また、勝手に財産を使うことも禁じられています。

しかしながら、不在者財産管理人の利用にもいくつか面倒な問題もあります。まずは、不在者財産管理人の選任を申立てるには、本当に音信不通であることを立証する必要があります。単に疎遠になっているだけでは要件を充たしません。

また、「どこで何をしているのかわからない」というだけでは要件を充たしません。住民票に登録された住所に配達証明郵便を送り、それが受理されずに戻ってくるかどうか等を試すことで、立証する必要があるのです。

また、申立費用以外に、家庭裁判所に納める予納金として20万円から30万円程度が必要です(金額は各家庭裁判所によって異なります)。この予納金は、音信不通者に十分な財産があれば返還されますが、音信不通者の財産がわずかしかない場合には返還されないこともあります。

失踪宣告を申立てること

音信不通者の生死不明の状態が7年以上続いている場合、家庭裁判所に対し、「失踪宣告の申立て」をすることできます(民法第30条第1項)。

失踪宣告には上記「普通失踪」以外に「特別失踪」もあります。
特別失踪は、山岳遭難・海難事故・自然災害などで生死不明状態となった場合となります(民法第30条第2項)。
特別失踪による失踪宣告を申立てるには、事故や災害が去ってから生死不明の状態が1年経過していることが条件になります。

「音信不通が長く続いているので、早く失踪宣告を申立てたい」と思うかもしれませんが、生きている可能性がある場合は、申立てを避けたほうが良いでしょう。なぜなら、失踪宣告が確定すれば、音信不通者は、法律上、死亡したものとして扱われることになるからです。

なお、音信不通者が法律上死亡したものとして扱われる結果、音信不通者以外の相続人が、不在者財産管理人が管理していた音信不通者に帰属予定であった遺産を、取得(または分割取得)することになります。

ただし、申立てから失踪宣告までの期間は約1年程度かかりますので、相続税の申告期限(相続発生から10か月以内)を過ぎてしまうことも多いようです。申告期限を過ぎてしまうと延滞税が発生してしまうため、他の相続人が、音信不通者の相続税を代わりに納付ケースもありました。

このような場合、音信不通者は相続申告をしていないのに、相続税だけが納付されている状態となるため、税務当局の立場からは、音信不通者分の納付相続税を法律上受理した扱いをすることができない結果、その納付相続税が浮いてしまうようです。

そこで、後日、家庭裁判所から選任された不在者財産管理人に、相続税納付を追認してもらい、その納付相続税額を遺産分割時に精算してもらうことになると思われます。

最善の対策として

上記のうち、どのような選択をしたとしても、法定相続人の中に音信不通者がいる場合には、相続手続を終了させるために、通常に比べてはるかに手間と時間がかかります。
そのため、理想としては、事後的な対応でなく、事前の対応として両親に遺言を残してもらっておくことだと思います。
そこで、現在既に音信不通の兄弟がいる場合には、両親と御相談のうえ、相続人全員による遺産分割協議が不要となるよう、両親に遺言書を作成してもらいましょう。

当法律事務所においても、毎年10数件程度、遺言書作成・サポートの御依頼をいただいておりますので、お気軽に、お問い合わせください。

弁護士村上和也のプロフィール
所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言・相続(遺産分割・遺留分・遺言執行)・成年後見
講演歴:①「今日から始める相続対策」(終活セミナーでの講演)
    ②「相続・遺言・遺留分・金銭管理・成年後見」
(地域包括支援センター家族介護教室での講演)
③「金銭管理・成年後見・個人情報保護」(認知症サポーター養成講座での講演)

弁護士からの一言
・早い段階で御相談いただくほうが良い解決につながることが多いですから,ささいなことでも結構ですので,お早めにお問い合わせください。
・相続問題は,遺産分割調停・遺留分減殺請求訴訟等,様々な紛争を扱う,紛争処理のプロである弁護士に御相談ください。

遺言・相続・成年後見のことでお悩みの場合,まずは守口門真総合法律事務所までお問い合わせ相談ください。初回は無料で御相談可能です。

守口門真総合法律事務所(京阪守口市駅西改札口出てすぐ)
TEL:06-6997-7171
守口市・門真市の遺言・相続や成年後見(財産管理)に関する詳細はこちら(当事務所HP)