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子どもがいない夫婦の場合の相続

2020年08月|弁護士コラム, 相続

守口門真総合法律事務所の弁護士村上和也です。本日は,定期的にご相談いただく事例として「子どもがいない夫婦の一方が死亡した場合の相続」について,ご説明いたします。

一般的に相続と言えば、親から子へ財産が受け継がれるイメージですが、近年は従来の家族観に縛られることなく、自らの意思で「子どもを持たない」という選択をする夫婦も珍しくありません。実際、皆さんの周りでも、子どもがいない、夫婦だけが家族、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

では、子どもがいない夫婦の場合の相続はどうなるのでしょうか。

配偶者がすべて相続すると思いがちですが、実はそうではありません。どのような人に相続される可能性があるかパターンごとに見ていきましょう。

配偶者と被相続人の親が相続人になる場合

結論から言いますと、基本的に子どもがいない夫婦で一方が亡くなった場合には、「配偶者と被相続人の父母(または祖父母)」が相続人になります。

※父母が他界していて、祖父母は健在の場合は、祖父母が相続人になります。
夫が亡くなった場合で相続分を考えると、妻が2/3、夫の親が1/3です。
父・母とも健在の場合は、父1/6、母1/6と、夫婦二人で1/3を分けることになります。

夫の父母には遺留分(遺産の一定割合を相続人に保証する制度)が認められるため、仮に「妻にすべての財産を譲り渡す」との遺言書があったとしても、6分の1の相続財産が保証されます。

妻と夫の父母の関係性が良好であれば問題ないのですが、子どもがいなければ接点も少なくなりがちです。 また夫の父母が高齢で認知症であったり、熟年離婚をしていて父母間の仲が険悪だったりと、妻と夫の父母の遺産分割協議では何かと苦労することも多いため、事前の心構えも必要になってくると思われます。

配偶者と被相続人の兄弟姉妹が相続人になる場合

被相続人の父母・祖父母がすでに死亡している場合には、「配偶者と被相続人の兄弟姉妹」が相続人になります。
夫が亡くなった場合、相続分は妻が3/4、弟姉妹が1/4です。
兄弟姉妹全員で1/4ですので、複数人いる場合は1/4を兄弟姉妹間で分けることになります。

また、夫の兄弟姉妹が亡くなっている場合には、その子供である甥や姪に相続権が引き継がれることになります(代襲相続・民法第887条)。

子どもがいない夫婦の場合、妻にとって夫の兄弟姉妹・甥や姪とは会う機会も少なく疎遠になっていることも多いでしょう。
そのような距離感で夫の残した遺産分割協議を行うのは煩わしく気が重いはずです。もっとも、兄弟姉妹・甥や姪への相続は、父母の場合と異なり遺留分が認められていません。そのため、仮に「妻にすべての財産を譲り渡す」との遺言書があれば、文字通り妻にのみ相続権が認められることになり、兄弟姉妹や甥姪に相続されることはありません。

子供がいない夫婦で、配偶者のみに相続をしたい場合は、遺言書を作成しておくことが不可欠となります。

配偶者のみが相続人になる場合

亡くなった人の両親・祖父母・兄弟姉妹およびその子供もいない場合、相続人は配偶者のみになります。

また、亡くなった人に兄弟姉妹やその子供(甥・姪)が存在しても、「遺産はすべて配偶者に渡す」という遺言書を残している場合、配偶者のみが相続人となります。

事前にすべき具体策

子どもがいない夫婦だからといって、自動的に妻のみに相続権が認められるわけではありません。現実問題として、自宅や預貯金が夫名義になっている場合には、妻は預金の解約や自宅の名義変更のために相続人全員の同意を得ることが必要になります。
夫の兄弟姉妹など相続権利者の署名・捺印(実印)・印鑑証明書まで求められるため、かなりの手間と時間がかかってしまうのです。

このような面倒を防ぐために、子どもがいない夫婦の場合には「自分が死んだ時、全財産を配偶者に相続させる」という内容の遺言書を残しておきましょう。遺言書があるだけで、煩わしい遺産分割協議を回避できますし、残された財産の名義変更なども容易となります。

遺言書作成のポイント

子どものいない夫婦は、事前にしっかり話し合って、どちらが先に亡くなってもいいように、同時に遺言書を作成することをおすすめします。

遺言書の種類は「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3つです。
中でも、自分で作成しやすいのは自筆証書遺言で、思い立った時に作成できます。

ただし、作成には下記のルールがありますので、守るようにしてください。

・遺言書の内容はすべて自筆で書く(動画・音声・印字などは無効です)。

・内容は明確なものにし、曖昧な表現をしない。

・日付の明記、署名・押印(できれば実印)をする。

・訂正がある場合は決められた方式で行う。

・遺言書は封筒に入れて、しっかり封印する。

遺言書はルールを守ることが大切で、内容については厳しい規定はありません。
そのため、遺族に対して感謝の思いなども書くことができます。

遺言書は大変重要なものになりますので、夫婦で話し合い、同時に作成することをおすすめします。
より信頼性の高い遺言書にするためには、公正証書遺言の作成も視野に入れても良いでしょう。

「遺言書を作成したいけれど、何から始めたらいいか分からない」という方は、弁護士にご相談ください。

弁護士村上和也のプロフィール
所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言・相続(遺産分割・遺留分・遺言執行)・成年後見
講演歴:①「今日から始める相続対策」(終活セミナーでの講演)
    ②「相続・遺言・遺留分・金銭管理・成年後見」
(地域包括支援センター家族介護教室での講演)
    ③「金銭管理・成年後見・個人情報保護」(認知症サポーター養成講座での講演)
<弁護士からの一言>
・早い段階で御相談いただくほうが良い解決につながることが多いですから,ささいなことでも結構ですので,お早めにお問い合わせください。
・相続問題は,遺産分割調停・遺留分減殺請求訴訟等,様々な紛争を扱う,紛争処理のプロである弁護士に御相談ください。

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