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相続

遺産分割事件における調停に代わる審判

2021年03月23日|弁護士コラム, 相続

1 遺産分割事件について

 遺産分割事件において,当事者間の任意の交渉で合意が成立しない場合,遺産分割調停の申立てを行い,そこでも調停が成立しない場合には,原則的には,遺産分割審判に移行し,最終的に家庭裁判所が「審判」を下すことによって事件を終結させます(詳しくは,弊所HP「遺産分割」の欄(https://murakami-law.org/inheritance/heredity-003.html)をご覧ください)。

 もっとも,遺産分割事件においては,そもそも相続人が多数になることも多く,その相続人の中には,遺産の取得に興味を示さない方がいることも少なくなくありません。そして,そのような相続人は,遺産分割調停の申立てがなされ,裁判所より連絡があっても,全く応答せず,申立内容に対する賛否等を明らかにしないまま調停期日に欠席するということもあります。

 この場合,遺産分割調停はあくまで当事者全員による出席が必要であるため,一人でも上記のような相続人がいる場合には調停は不成立となり,審判手続へと移行することになります。

 しかし,相手方が申立内容について争っている事案と異なり,何ら反応を示さない等の不誠実な対応で,審理に相当程度の時間を要することとなる審判手続に移行することは,申立人や既に遺産分割内容に賛成している他の相続人にとって,多大な不利益となります。

 したがって,実務上では,「調停に代わる審判」という手続が採用されることがあります。

2 調停に代わる審判

(1)調停に代わる審判とは,遺産分割調停が成立しない場合でも,一定の要件が充たされる場合,調停終了と同時に裁判官によって法的な解決内容を決定することができる制度をいいます(家事事件手続法284条)。

 その特徴は,当事者からの申立てがなくとも,裁判所の判断で職権に基づき実施される手続であり,迅速かつ終局的な解決を行われるという点です。そのため,調停に参加していた当事者にとって,通常のように審判手続へと移行するよりも,時間的・心理的・経済的なメリットが大きい手続であると言えます。

(2)実際の条文は以下のとおりです。

(調停に代わる審判の対象及び要件)
第二百八十四条 家庭裁判所は、調停が成立しない場合において相当と認めるときは、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を考慮して、職権で、事件の解決のため必要な審判(以下「調停に代わる審判」という。)をすることができる。ただし、第二百七十七条第一項に規定する事項についての家事調停の手続においては、この限りでない。

2 家事調停の手続が調停委員会で行われている場合において、調停に代わる審判をするときは、家庭裁判所は、その調停委員会を組織する家事調停委員の意見を聴かなければならない。

3 家庭裁判所は、調停に代わる審判において、当事者に対し、子の引渡し又は金銭の支払その他の財産上の給付その他の給付を命ずることができる。

 上記第2項に記載されているように,調停に代わる審判手続は,今まで調停を担当していた調停委員の意見を踏まえて,調停が継続している裁判所が判断することになるため,調停の経緯も踏まえた判断がなされることとなります。

 先ほど御説明したとおり,調停に代わる審判手続は,裁判所の判断で実施するか否かを決めるものであり,当事者に同手続を行うよう申立てをする権利は認められていませんが,調停の中で調停委員に対して,同手続を実施するよう上申を行うことは可能です。

(3)調停に代わる審判手続の要件は裁判所が「相当と認めるとき」とされており,当事者の一方が合理的な理由もないのに合意を拒んでいる場合を指します。

 具体的には,冒頭の例のように,①一部の相続人が賛否を明らかにしないまま期日に欠席する場合,②ただ一人だけ遺産分割の方針に反対している相続人おり,その反対の理由も感情的なものに過ぎない場合,③わずかな意見の食い違い等によって遺産分割調停があと一歩のところで成立しない場合等が挙げられます。

 こうした場合には,多数の相続人が同意している内容で調停に代わる審判がなされ,合理的で迅速な解決が図られることとなります。

(4)調停に代わる審判手続は,このように迅速な解決に役立つ手続ではありますが,注意点もあります。

 まず,調停に代わる審判では,その内容について不満がある当事者には,異議の申立てを行う権利が認められており(家事事件手続法286条),異議の申立てがあった場合には,事件は通常の審判手続へと移行することとなります。

 また,調停に代わる審判手続は,その告知によって効力が生じますが,公示送達により告知することはできないとされているため(家事事件手続法285条2項),当事者が所在不明の場合には,この手続を利用することはできません。

3 最後に

 今回は,遺産分割事件における「調停に代わる審判」という手続について御説明させて頂きましたが,相続や遺産分割に関する法律問題は多岐にわたり,ご本人様の対応では難しい場面が多いことかと思います。
 何か,ご自身やご家族の相続に関することでご不安なことがございましたら,お早めに守口門真総合法律事務所までご相談ください。

守口門真総合法律事務所(京阪守口市駅西改札口出てすぐ)
TEL:06-6997-7171
守口市・門真市の遺言・相続や成年後見(財産管理)に関する詳細はこちら(当事務所HP)

生命保険の受取人を長男にする場合の注意点とは

2021年02月15日|弁護士コラム, 相続

守口門真総合法律事務所の弁護士村上和也です。
生命保険の受取人を長男にする場合の注意点について、よく御相談を受けますので、本日はこの点の解説をさせていただきます。

生命保険の受取人を長男にする場合の注意点とは

「長男にお金を残したい」という想いから、生命保険の受取人を長男にしようとする場合があるかもしれません。理由は、長男が家業を継いでくれた、親と同居して親の面倒を見てくれた等、様々です。

しかし生命保険金の金額によっては、相続時にいわゆる相続争い(争族・争続)が起こる可能性がありますので、注意点を説明していきます。

生命保険金は相続財産(遺産)にならない

生命保険の被保険者が死亡し、死亡保険金が相続人でもある受取人に支払われるとき、死亡保険金は受取人固有の権利とされ、相続財産(遺産)には該当しない、とするのが判例上の扱いです。したがって、長男にお金を残したいのであれば、長男を受取人とする生命保険に加入すれば、原則として、目的は達成できることになります。

もっとも、以下のような例外もありますので、念頭に置いておく必要があります。

生命保険金が特別受益になる可能性も僅かにある

遺贈または生前贈与によって、特定の相続人に受益がある場合を特別受益と呼びます。特別受益に対しては、相続財産(遺産)に特別受益の価額を加え(持ち戻し)たうえで、相続分を算出して、その特別受益者の相続分から特別受益が控除されます。

このように、遺贈または生前贈与は特別受益になり得ますが、生命保険の受取人にすることは、原則として、特別受益になりません。しかしながら、長男を受取人とした生命保険の保険料を支払うために、財産の大部分を使ってしまうなど、あまりにも相続の公平性を欠くような特段の事情があるときは、例外的に特別受益に準じた扱いをして死亡保険金を相続財産(遺産)へ持ち戻す可能性を示唆した最高裁判例も存在します。

よって、財産に比して不相当に高額な生命保険に加入した場合は、長男以外の相続人から指摘されて、争族(争続)に発展してしまう危険性がありますので、注意が必要です。

相続税の節税に生命保険は有効

相続財産(遺産)に該当しない死亡保険金でも、被相続人の死亡で発生する点にかんがみ、相続財産(遺産)とみなされ相続税の課税対象とされています。

もっとも、相続財産(遺産)とみなされますが、死亡保険金は「500万円×法定相続人の数」で計算された額が、控除されるため、節税効果があります。

しかし、保険料を支払っているのがあなたの配偶者で、なおかつ、長男が受取人であるときは、保険料を支払っている配偶者から長男への贈与と評価されて、贈与税が課税されうる点は要注意です。

生命保険と争族(争続)

相続税課税には基礎控除がなされるため、基礎控除を上回る財産を保有していなければ、相続税を考える必要はありません。しかし、相続税が発生するほどの財産を保有している場合は、節税目的で生命保険に加入する方も一定数います。死亡保険金を相続税の納付原資に使うこともあるでしょう。

もっとも、特定の相続人だけを多額な死亡保険金の受取人にしてしまうと、当然ながら受取人以外の相続人から不平・不満の声が上がり、争族(争続)が起こり、円滑な遺産分割協議の実現を妨げてしまうかもしれません。

そうならないように、長男以外の相続人が納得してくれるような付言事項を遺言に記載するか(ケースによって自筆証書遺言か公正証書遺言か適切な遺言を選択しましょう)、それが無理なら、長男以外の相続人も生命保険の受取人にする、遺言で各相続人をなるべく平等に扱う配慮をする等の工夫が大切だと思います。

弁護士村上和也のプロフィール
所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言・相続(遺産分割・遺留分・遺言執行)・成年後見
講演歴:①「今日から始める相続対策」(終活セミナーでの講演)
    ②「相続・遺言・遺留分・金銭管理・成年後見」
     (地域包括支援センター家族介護教室での講演)
    ③「金銭管理・成年後見・個人情報保護」(認知症サポーター養成講座での講演)

弁護士からの一言
・早い段階で御相談いただくほうが良い解決につながることが多いですから、ささいなことでも結構ですので、お早めにお問い合わせください。
・相続問題は、遺産分割調停・遺留分減殺請求訴訟等、様々な紛争を扱う、紛争処理のプロである弁護士に御相談ください。

遺言・相続・成年後見のことでお悩みの場合、まずは守口門真総合法律事務所までお問い合わせ相談ください。初回は無料で御相談可能です。

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音信不通の兄弟がいる場合の相続手続について

2021年02月8日|弁護士コラム, 相続

守口門真総合法律事務所の弁護士村上和也です。
音信不通の兄弟がいる場合の相続手続について,よく御相談を受けますので,本日はこの点の解説をさせていただきます。

音信不通の兄弟がいる場合に、相続が発生した場合の相続手続は?

兄弟の居場所も連絡先も分からない…。このように音信不通の兄弟がいる状態で、親が亡くなってしまった場合,相続手続をどう進めたら良いのでしょうか。相続発生時の対応について考えてみましょう。

音信不通者がいる場合の相続

遺言のないまま親が亡くなり相続が発生した場合、相続人全員による遺産分割協議によって遺産を分割する必要があります。この分割協議には相続人全員の参加が必要であり、1人が欠けた状態で合意しても,法律的には無効になってしまいます。

つまり,相続時に兄弟の居場所や連絡先が不明な場合、遺産分割協議を成立させることができない結果,被相続人の預金口座の解約や不動産の移転登記を進めることができなくなります。貸金庫がある場合,その貸金庫を開扉して中身を確認することはできますが(事実実験公正証書),中身を取り出すことはできません。

このような,相続人に音信不通者がいる場合の対応として「音信不通者を探し出す」「不在者財産管理人を選任する」「失踪宣告を申立てる」という方法があります。

音信不通者を探し出すこと

まずは本籍地の市区町村で戸籍附票を発行してもらい、相手の現住所を確認しましょう。親族であればこのような手順の確認はスムーズに可能なはずなので、登録された現住所に実際に足を運ぶことも可能です。遠方であれば,まずはお手紙を送ってみる方法もあります。

不在者財産管理人を選任すること

不在者財産管理人とは、行方不明者の代理人として,その者の財産を管理する権限を持つ人のことです。
本人不明の状態が続くことに利害関係を持つ相続人や債権者等の申立てにより、家庭裁判所が不在者財産管理人を選任し、財産が動かせない状態を解決することができます。
不在者財産管理人には,行方不明者と利害関係の無い人で、弁護士が選ばれるのが一般です。

今回のような場合には、不在者財産管理人は,音信不通者の兄弟の代理人として、裁判所の許可を得たうえで遺産分割協議に参加することになります。そして,遺産分割協議の結果として,不在者財産管理人が,音信不通者の代わりに音信不通者に帰属する遺産を管理・保管します。

しかしながら、不在者財産管理人の利用にもいくつか面倒な問題もあります。まずは、不在者財産管理人の選任を申立てるには、本当に音信不通であることを立証する必要があります。単に疎遠になっているだけでは要件を充たしません。また,どこで何をしているのかわからないというだけでは要件を充たしません。住民票に登録された住所に配達証明郵便を送り,それが受理されずに戻ってくるかどうか等を試すことで、立証する必要があるのです。

また、申立費用以外に、家庭裁判所に納める予納金として20万円から30万円程度が必要があります(金額は各家庭裁判所によって異なります)。この予納金は,音信不通者に十分な財産があれば返還されますが、音信不通者の財産がわずかしかない場合には返還されないこともあります。

失踪宣告を申立てること

音信不通者の生死不明の状態が7年以上続いている場合、家庭裁判所に対し,失踪宣告の申立てをすることできます(民法第30条)。
しかし、生きている可能性がある場合は,申立てを避けたほうが良いでしょう。なぜなら,失踪宣告が確定すれば、音信不通者は,法律上,死亡したものとして扱われることになるからです。
なお,音信不通者が法律上死亡したものとして扱われる結果,音信不通者以外の相続人が,不在者財産管理人が管理していた音信不通者に帰属予定であった遺産を,取得(または分割取得)することになります。

ただし、申立てから失踪宣告までの期間は約1年程度かかりますので、相続税の申告期限(相続発生から10か月以内)を過ぎてしまうことも多いようです。申告期限を過ぎてしまうと延滞税が発生してしまうため,他の相続人が,音信不通者の相続税を代わりに納付ケースもありました。このような場合,音信不通者は相続申告をしていないのに,相続税だけが納付されている状態となるため,税務当局の立場からは,音信不通者分の納付相続税を法律上受理した扱いをすることができない結果,その納付相続税が浮いてしまうようです。
そこで,後日,家庭裁判所から選任された不在者財産管理人に,相続税納付を追認してもらい,その納付相続税額を遺産分割時に精算してもらうことになると思われます。

最善の対策として

上記のうち,どのような選択をしたとしても、法定相続人の中に音信不通者がいる場合には、相続手続を終了させるために,通常に比べてはるかに手間と時間がかかります。
そのため、理想としては,事後的な対応でなく、事前の対応として両親に遺言を残してもらっておくことだと思います。
そこで,現在既に音信不通の兄弟がいる場合には、両親と御相談のうえ、相続人全員による遺産分割協議が不要となるよう,両親に遺言書を作成してもらいましょう。

当法律事務所においても,毎年10数件程度,遺言書作成・サポートの御依頼をいただいておりますので,お気軽に,お問い合わせください。

弁護士村上和也のプロフィール
所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言・相続(遺産分割・遺留分・遺言執行)・成年後見
講演歴:①「今日から始める相続対策」(終活セミナーでの講演)
    ②「相続・遺言・遺留分・金銭管理・成年後見」
(地域包括支援センター家族介護教室での講演)
③「金銭管理・成年後見・個人情報保護」(認知症サポーター養成講座での講演)

弁護士からの一言
・早い段階で御相談いただくほうが良い解決につながることが多いですから,ささいなことでも結構ですので,お早めにお問い合わせください。
・相続問題は,遺産分割調停・遺留分減殺請求訴訟等,様々な紛争を扱う,紛争処理のプロである弁護士に御相談ください。

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自筆証書遺言が無効である,と争われる場合

2021年01月28日|弁護士コラム, 相続

守口門真総合法律事務所の弁護士村上和也です。
本日は,自筆証書遺言が無効である,と争われる場合について,解説します。

このような事例を考えてみてください。
父が死亡し,法定相続人は母,長男(相談者),次男の3名である家族があるとします。
ここで,父から次男に全部相続させる内容の自筆証書遺言があり,次男が保管していた,というものです。
もっとも,生前の父と次男の関係性からすると,父が,次男に対して全遺産を相続させるという内容の遺言を書くわけがない,しかも,遺言書作成日の時点では父は認知能力が低下しており作成するような心身の状態では無かった,そのような事例を想定してみてください。

このような状況下でしたので,長男(相談者)が,弁護士に依頼して,その自筆証書遺言は無効であることを主張しました。無効の理由としては,①自筆証書遺言は偽造である,②偽造ではない(父が書いた)としても,遺言能力が無かった,という2点です。

ただ,万一,自筆証書遺言が有効であった場合に備えて,次男に対して,遺留分侵害額請求権も行使します。この権利行使は,あとで行使の事実を立証する必要があるので,内容証明郵便を使います。

長男(相談者)の相続分を具体的に分析しますと,まず,①遺留分侵害額は,法定相続分(4分の1)の2分の1ですから,8分の1です。次に,②自筆証書遺言が無効であることの理由が,遺言能力の不存在である場合は4分の1です。他方,③自筆証書遺言が無効であることの理由が,次男による偽造であれば,次男は欠格事由があるため相続権を失う結果,2分の1となります。

このように,ケースによって長男(相談者)の相続分は大きく異なってきます。

そこで,長男(相談者)からの依頼を受けた弁護士としては,まず,自筆証書遺言が次男により偽造されていないか調査するために,被相続人かつ遺言者である父の筆跡と次男の筆跡とを照合します。

具体的には,弁護士会が提携している筆跡鑑定業者に,簡易鑑定を依頼します。簡易鑑定ですから,費用は10万~20万円程度です。

その際は,自筆証書遺言と,父の筆跡サンプルと,次男の筆跡サンプルとを,筆跡鑑定業者に送付します。サンプルは多い程,鑑定の精度が高まり,また,コピーより原本を送るほうが,鑑定精度が高まります。

そして,事前調査の結果をみて,他方,偽造の可能性が高そうであれば,遺言書が適法に作成されていないことを理由とする遺言無効確認調停を申立てします。いきなり裁判することはできずに,先に調停を申立てる必要があります(調停前置主義といいます)。もっとも,調停において,偽造者が偽造を認める可能性は低いでしょうから,調停は不調に終わります(なお,不調で終わることがほとんどですから,裁判所に対して上申をすれば,調停申立てをすることなく,いきなり遺言無効確認訴訟を提起できることもあろうかと思います)。

そこで,弁護士としては,遺言無効確認訴訟を提起します。訴訟においては,裁判所から選任された鑑定人に,筆跡鑑定をしてもらいます。費用は50万円程度かかることが多いです。

そして,次男による偽造という鑑定結果が出れば,次男は欠格事由があるため相続権を失う結果,長男(相談者)は遺産の2分の1を取得できることになります。

他方,偽造の可能性が無さそうであれば,遺言能力が不存在であることを理由とする遺言無効確認の調停申立てをします。遺言能力が存在するかどうかは,カルテ・診断書・看護記録・介護保険認定に関する資料(認定調査票・主治医意見書・要介護認定結果・介護保険費通知書)等から判断します。

その判断結果として,遺言能力が不存在であれば,長男(相談者)の相続分は4分の1であることを前提に,遺産を分割することができます。

他方,遺言能力が存在していれば,自筆証書遺言が有効であることを前提に,遺留分侵害額請求権を行使し,遺産の8分の1相当額の遺産を取得します。
相続について気になることがありましたら,ぜひ気軽にご相談ください。

弁護士村上和也のプロフィール
所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言・相続(遺産分割・遺留分・遺言執行)・成年後見
講演歴:①「今日から始める相続対策」(終活セミナーでの講演)
    ②「相続・遺言・遺留分・金銭管理・成年後見」
     (地域包括支援センター家族介護教室での講演)
    ③「金銭管理・成年後見・個人情報保護」(認知症サポーター養成講座での講演)

弁護士からの一言
・早い段階で御相談いただくほうが良い解決につながることが多いですから,ささいなことでも結構ですので,お早めにお問い合わせください。
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親の介護の面倒をみる場合に気を付ける点

2021年01月13日|弁護士コラム, 相続

守口門真総合法律事務所の弁護士村上和也です。
介護等親の面倒をみる場合に気を付けるべき点はどのようなことでしょうか,と,よく御相談を受けますので,本日はこの点の解説をさせていただきます。

介護等親の面倒をみる場合に気を付けるべき点

両親のどちらかが亡くなり、残された片方の親に介護が必要な場合、兄弟の誰かが同居などをして面倒をみることもあると思います。その場合、面倒をみる人はどのようなことに気を付けたらよいか考えてみましょう。

高齢化社会の現状
現在日本国内では4人に1人が65歳以上の高齢者であり、2035年には3人に1人の割合に増加するほどの高齢化社会になっています。人間誰しも老化は避けられず、いつまでも元気でいてほしい親も介護が必要になる日は突然やってきます。

有料老人ホームなどの介護施設に入居できればいいのですが、経済的事情や入居希望者多数で順番待ちであったりとスムーズに行かないことも多いはずです。

そういった場合、兄弟の1人が親と同居して介護するという選択肢はよく選ばれます。

介護と相続について

相続が発生した際、兄弟の1人が同居して親の介護をした事情について、他の兄弟とどれだけ事前に話し合って納得していたかが揉めない相続を実現するために重要です。

この点,親を介護している段階で将来の相続の話をすることは、財産目当ての介護という印象を与えてしまいそうでなかなか気の進むものではありません。

しかし親の介護に伴い、事前に相続財産について話し合うことはとても大切なのです。なぜなら、現実の介護は生易しいものではないからです。

身体が不自由で食事や排泄の補助程度であれば、育ててくれた感謝の気持ちがあれば,容易とまでは言えないにしても,可能であることもあろうかと思います。しかし、認知症が発症してしまうと,徘徊や異食症や暴力行為等に繋がることもあり,そうなるとそれまでの何倍にも苦労は増えます。徘徊の場合は,警察にいって身柄を引き受ける苦労を余儀なくされます。ご飯を食べさせても,それを忘れて1時間後にまたご飯を催促されるようなこともあります。ときには,自分で財布を置き忘れて見つけられないようなときに「盗ったでしょう!?」と疑われることもあると聞きます。

そうすると,ときには仕事を辞めて介護に専念しなければいけない状況にまでなります。このような過酷な介護は年数が決まっているわけでなく、終わりなき介護に疲れ果てしてしまう人も増えていますし,なかには精神を患ってしまう方もいます。

またよくあるトラブルとして、介護される親がたまに顔を出してくれる他の兄弟にかまって欲しいと思うあまり、介護している者の悪口や不満を言ってしまうということがあります。当然に親の不満を聞いた兄弟は,介護している兄弟に対して不信を抱くわけですが、現実に日々介護している人間にとっては,やるせない思いになったり,腹立たしく感じたりしてしまい兄弟関係が悪化してしまします。

具体策として

兄弟関係を悪化させないために、一方が同居して介護をする際には具体的に次のようなことに事前に話し合っておくべきでしょう。

1、寄与分の認定や遺産分割協議のために準備をしておくこと

寄与分とは、被相続人の財産の維持または増加に貢献した場合に、その貢献の度合いに応じた金額を法定相続分に加えてもらうことのできる制度です。

子供が親を介護することは法律上当然の義務であって、形式的には財産の維持・増加に貢献しているわけではないので、相続の際に介護の功績は過小評価されることが多いのが現状です。財産目当ての気持ちは全くないとしても、苦労して介護を続けた者が相続財産について他の兄弟と等分であることに不満を持つのは、人間感情として十分に理解できるものです。

そこで、親の財産を混合しないように明確に通帳を分けたうえで、兄弟の1人が介護することで浮いた費用(有料老人ホーム入居費用やペルパー費用)を計算したり、介護のためにかかった費用の家計簿をつけたり領収書を保管したり、できる範囲で記録を残しておくことをおすすめします。たとえ法律的には寄与分が認められなくとも、このように客観的な証拠を残しておくことで、遺産分割協議の際に兄弟間の話し合いが感情論にならずに済むはずですし,実質的に公平な遺産分割協議が実現する可能性が高くなります。

2、遺言書を書いてもらうこと

親が認知症になる前の段階で遺言書を書いてもらうことも有益です。遺言書という大それたものでなくとも、普段のやり取りの中で日頃の介護を感謝する手紙やメモを残してもらってください。書面に残しておくことで、介護をしていない他の兄弟も「親の言うこと」として納得しやすいはずです。

また、生前贈与を受けている場合は、遺言の中に「生前贈与した財産は、相続財産に戻さないように」と加えてもらうと「持ち戻しの免除」となり,生前贈与を受けた財産を,遺産から除外して,その余の遺産のみを分割対象にすることができます。

このように,遺言書,生前贈与及び持ち戻し免除により,実質的に公平な遺産分けが実現すできるようにしたいものです。

弁護士村上和也のプロフィール
所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言・相続(遺産分割・遺留分・遺言執行)・成年後見
講演歴:①「今日から始める相続対策」(終活セミナーでの講演)
    ②「相続・遺言・遺留分・金銭管理・成年後見」
(地域包括支援センター家族介護教室での講演)
③「金銭管理・成年後見・個人情報保護」(認知症サポーター養成講座での講演)

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