交通アクセス

〒 570-0056
大阪府守口市寺内町2丁目7番27号
ステーションゲート守口5階 ※ビルに駐車場はございませんので,
近隣有料駐車場をご利用ください

相談予約受付中です

06-6997-7171 [受付時間]平日9:00~18:00

メールでのご予約

※電話・メールのみでの法律相談は行っておりません。

守口門真総合法律事務所重点取扱い分野

  • 交通事故
  • 相続(守口・門真)
  • 後見(守口・門真)
  • 不動産
  • 企業法務
  • 離婚
  • 借金
  • 法人破産

相続 - 守口門真総合法律事務所

葬儀費用は誰が払う?実家はどう分ける?|相続でもめやすい2つの事例と対策

2026年07月10日|相続

前回は、相続手続きの流れと3つの期限、そして生前贈与をめぐるトラブルをご紹介しました。

今回は、多くのご家庭で実際に起こりやすい2つの事例——「葬儀費用は誰が負担するのか」「実家(不動産)をどう分けるのか」——を取り上げます。

「うちは大丈夫だろうか」と感じた方は、ぜひ最後までご覧ください。

葬儀費用を立て替えたら、遺産から返してもらえる?

【事例】 母が先に、その後に父が亡くなりました。相続人は長男と次男。喪主を務めた長男は、派手好きだった父のために盛大な葬儀を行い、墓石も含めて500万円を立て替えました。

この500万円を、父の遺産(預金)から先に受け取ることはできるでしょうか。

「亡くなった父のための葬儀なのだから、遺産から出して当然」——そう思われるかもしれません。ところが、裁判所の考え方は違います。

原則は「喪主(主宰者)の負担」

葬儀費用は、原則として喪主(葬儀を主宰した人)が負担するというのが、多くの裁判例の立場です(東京地裁令和3年9月28日など)。

理由は主に2つあります。ひとつは、葬儀費用は亡くなった方“自身の借金(債務)”ではないこと。

もうひとつは、葬儀が社会的・儀礼的な行為であって、法律上の相続債務とは性質が異なることです。

実際的な理由もあります。たとえば遺産の預金が1,000万円しかないのに、喪主が900万円もの立派な葬儀を行えば、ほかの相続人の取り分がほとんど残りません。

「立て替えた分は全額遺産から」と認めていてはキリがない——だから原則は喪主負担、というわけです。

とはいえ、これでは喪主だけが重い負担を背負うことになり、不公平に感じられる場面も少なくありません。そこで大切になるのが、事前の備えです。

例外——「合意」か「被相続人の意思」があれば

次の場合には、葬儀費用を遺産から支払うことができます。ひとつは、相続人の間で合意がある場合

「葬儀に500万円くらいかかりそう」「さすがに使いすぎ、300万円くらいにしよう」と、事前に相続人どうしで話し合っておくケースです。

もうひとつは、被相続人の意思に基づく場合。「〇〇に相続させる。ただし500万円で葬儀を行うこと」といった“負担付き”の遺言や、死後事務委任契約などで、あらかじめ本人が決めておく方法です。

最近は、「自分が亡くなったら、この宗派で、この費用で葬儀を」とあらかじめ託しておく方も増えています。

葬儀費用でもめないよう、規模や費用を家族で共有し、必要なら書面で根拠を残しておきましょう。

実家は長男、預金は次男——それで公平?(代償分割)

【事例】 父の遺産は、自宅(土地・建物)3,000万円と預金1,000万円。

相続人は長男と次男で、長男は今その自宅に住んでいます。では、「自宅は長男、預金は次男」で分ければよいのでしょうか。

一見きれいに分かれたように見えますが、計算してみましょう。遺産の合計は4,000万円、2人で分ければ1人2,000万円ずつが取り分です。

ところが、自宅(3,000万円)に住み続けたい長男がそれを取得すると、次男は預金1,000万円をもらっても、あと1,000万円足りません。

解決策は「代償金」

自宅は物理的に半分に割れません。そこで、多めに財産を取得する長男が、その差額を現金で次男に支払って調整します。

この現金を「代償金」といいます。長男は「自宅3,000万円-代償金1,000万円=2,000万円」、次男は「預金1,000万円+代償金1,000万円=2,000万円」。

こうして長男が次男に代償金1,000万円を支払えば、2,000万円ずつの公平な相続になります。これが「代償分割」です。

落とし穴① 代償金を払えないと、自宅を手放すことに

問題は、長男に代償金1,000万円を用意できない場合です。次男が「兄さんは両親の面倒をみてくれたから、自分は1,000万円でいい」と譲ってくれればよいのですが、話がこじれれば、最悪の場合、住んでいる自宅を売却して現金を作らざるを得なくなります

落とし穴② そもそも自宅は「いくら」なのか

実は、代償金の額を左右する不動産の評価額そのものが、大きな争点になります。

同じ自宅でも、評価方法によって金額が変わるのです。たとえば固定資産評価額では3,000万円でも、路線価(相続税の計算に使う評価)ではその1.3倍ほどで約4,000万円、実勢価格(実際に売れる価格)では4,000万〜4,500万円程度になることもあります。

代償金を払う側は「安く」、受け取る側は「高く」評価したいため、ここで激しく争いが生じます。

どうしておけばよかったか

このケースも、「自宅は長男に、預金は次男に」と父が遺言を書いておけば、そもそももめることはありませんでした。

遺産分割の方法や代償金の要否、不動産の評価方法まで遺言で示しておけば、紛争予防にとても有効です。

葬儀費用は原則「喪主の負担」、不動産は「代償金」で調整——いずれも、遺言や事前の合意があれば防げるトラブルです。

次回はいよいよ最終回。「親のお金を生前に引き出していたら」「子どものいないご夫婦で相続人が多数になったら」という事例と、シリーズ全体のまとめをお届けします。

相続トラブル事例シリーズ(全3回)

相続の関連コンテンツ


相続財産に不動産が含まれる方、葬儀や介護の費用を立て替えている方は、早めの準備が肝心です。ささいなことでも結構ですので、お早めにお問い合わせください。守口門真総合法律事務所では、初回のご相談を無料でお受けしています。

守口門真総合法律事務所
弁護士 村上 和也(大阪弁護士会所属)
〒570-0056 大阪府守口市寺内町2-7-27 ステーションゲート守口5階(京阪守口市駅 西出口から徒歩1分)
TEL:06-6997-7171(受付:平日9:00〜18:00)/LINEでのお問い合わせも承っております。

親の預金を引き出したら疑われる?子どものいない夫婦の相続の落とし穴|相続対策まとめ

2026年07月10日|相続

相続トラブル事例シリーズも、いよいよ最終回。今回は、「介護のために親の預金を管理していたケース」と「子どものいないご夫婦で相続人が多数になるケース」という、見落とされがちな2つの事例を取り上げ、最後にシリーズ全体のまとめをお届けします。

どちらも「まさか自分が」と思いがちな、身近な落とし穴です。

介護で預金を管理——引き出した100万円を疑われる

【事例】 軽い認知症のある高齢の母の預金を、長女が管理していました。ある日、母から「お世話になった人にお礼をしたいから、100万円引き出してきて」と頼まれ、長女はそのとおり引き出して母に手渡しました(誰に渡したのかは聞いていません)。

母の相続が始まると、日ごろ折り合いの悪い次女から、「この100万円は何に使ったの?」と使い道を追及されます。長女の立場はどうなるのでしょうか。

管理していた人に「使い道を説明する責任」が生じる

ポイントは、預金を管理していたのが長女だったという事実です。この場合、100万円が何に使われたのかを説明・立証する責任は、管理していた長女の側に生じます。

もし立証できないと、「その100万円は長女が預かっている(=手元にある)」と認定されてしまう可能性があります。

そうなると、長女は遺産を“先にもらった”ものと扱われ、本来受け取れる遺産額が減ってしまうおそれがあります。

良かれと思って母の頼みをきいただけなのに——というのは、あまりに気の毒な結末です。

なお、相続人であれば、金融機関から預金の入出金明細(取引履歴)を最大10年分取り寄せることができます。

「通帳を見せてもらえない」場合でも、ほかの相続人が自分で履歴を確認できるということです。

対策——「領収書」と「動画」で証拠を残す

こうしたトラブルを防ぐには、証拠を残す一手間が有効です。ひとつは、母から一筆もらっておくこと。

「〇月〇日、母は娘から100万円を受け取りました」といった簡単な受領メモで十分です。

もうひとつは、手渡しの様子を動画に残しておくこと。「お母さん、確かに100万円渡したからね」と、スマートフォンで撮影しておくだけでも、後の疑いを避けられます。

高額なお金を動かすときほど、証拠を残す一手間が身を守ります。

子どものいないご夫婦——妻がすべて相続できるとは限らない

【事例】 子どものいないご夫婦で、夫が亡くなりました。夫の両親はすでに他界。

夫には7人の兄弟姉妹がいて、皆すでに高齢です。中には先に亡くなった兄弟もいて、その子ども(甥・姪)がいます。

このとき、妻はどれだけ相続できるでしょうか。

「長年連れ添ったのだから、妻が100%」と思いがちですが、そうではありません。

妻は「4分の3」、兄弟姉妹が「4分の1」

子どものいないご夫婦で、夫の親もすでに亡くなっている場合、法定相続分は妻が4分の3、夫の兄弟姉妹が全体で4分の1です。

さらに、その兄弟姉妹がすでに亡くなっていると、その取り分は子ども(甥・姪)へと引き継がれます(代襲相続)。

兄弟が6人いれば1/4を6等分して各24分の1、亡くなった兄弟の子が3人いればさらに3等分して各72分の1——というように、相続人がどんどん増え、取り分は細かくなっていきます

当事務所では、144分の1という細かい割合の相続人が登場したケースもありました。

なぜ大変なのか——「放棄」だけでは妻に集まらない

このケースには、いくつもの落とし穴があります。まず、単に相続放棄をしてもらっても、妻に取り分が集まるわけではありません。

放棄した人の分は、ほかの兄弟の取り分が増えるだけだからです。妻に集約するには、「相続分の譲渡」という、相続放棄とはまったく別の手続き(実印・印鑑証明などが必要)が要ります。

また、相続放棄には「知ってから3か月」の期限があり、高齢の相続人が多いと間に合わないことも。

その場合は、多数の相続人と遺産分割協議をすることになります。高齢の兄弟が協議の内容を理解できなければ、成年後見人が必要になるケースもありますし、甥・姪が遠方にいたり、「もらえるものはもらう」とドライな対応をしてきたりすることもあります。

結果として、亡くなった方の預金が1年、2年と凍結してしまうことも珍しくありません。

どうしておけばよかったか

妻の立場からすれば、「夫に遺言書を書いておいてもらうべきだった」——これに尽きます。

「全財産を妻に相続させる」という一文があれば、多数の相続人との協議に苦しまずに済んだのです。

シリーズ総まとめ:「その時」に慌てない・焦らないために

3回にわたってご紹介した事例から見えてくる備えは、突き詰めるとシンプルです。

  • 遺言書を作成しておく(生前贈与・葬儀費用・代償分割・相続人多数のケース)——最も効果的な備え。「全財産を〇〇に相続させる」と簡潔に書くだけでも機能します。
  • 動画を撮影しておく(生前贈与・生前出金のケース)——遺言が難しくても、意思や事実をスマホで残す。
  • 相続人間で合意しておく(葬儀費用のケース)——事前に話し合っておく。
  • 書面(領収書など)を残しておく(生前出金のケース)——簡単な一筆でも、後の争いを防ぐ。

介護や看取りの、長く大変な日々の中で、こうした一手間を差し挟むのは、実は簡単ではありません。

だからこそ、「その時」が来る前に、頭の片隅に入れておいていただければと思います。

遺産が少なくても、相続はもめます。むしろ金額が小さいほど、費用倒れを気にして手続きが止まってしまいがちです。

「うちは財産が少ないから大丈夫」と思わず、遺言や記録という“事前の備え”を、どうか一度ご検討ください。

相続トラブル事例シリーズ(全3回)

相続の関連コンテンツ


「何から手をつければよいか分からない」という段階でも構いません。ささいなことでも結構ですので、お早めにお問い合わせください。守口門真総合法律事務所では、相続・遺言に関する初回のご相談を無料でお受けしています。

守口門真総合法律事務所
弁護士 村上 和也(大阪弁護士会所属)
〒570-0056 大阪府守口市寺内町2-7-27 ステーションゲート守口5階(京阪守口市駅 西出口から徒歩1分)
TEL:06-6997-7171(受付:平日9:00〜18:00)/LINEでのお問い合わせも承っております。

相続の手続きには“期限”がある|「その時」に慌てないための流れと、生前贈与でもめない備え

2026年07月10日|相続

「まさか、こんなことになるとは思わなかった」「もっと早くに勉強しておけばよかった」——相続のご相談にお越しになる方から、私たちが最もよく耳にする言葉です。

大切なご家族を亡くした直後の、悲しみと慌ただしさの中で、相続の手続きは待ってはくれません。

「その時」が来ても慌てない・焦らないために、まずは全体の流れと“期限”、そして兄弟間でもめやすい「生前贈与」への備えを知っておきましょう。

相続の手続きには「3つの流れ」がある

身近な方が亡くなると、さまざまな手続きが同時並行で進みます。大きく分けると、「税金に関するもの(準確定申告・相続税など)」「役所への届出や名義変更などの手続き」「葬儀・法要に関するもの」の3つの流れがあります。

このなかで弁護士としてとくに気をつけていただきたいのが、期限が決まっている手続きです。

うっかり過ぎてしまうと取り返しがつかないものもあります。なお、遺言などで取り分を侵害された相続人が最低限の取り分を取り戻す遺留分侵害額請求にも期限があります。

押さえておきたい「3つの期限」

相続放棄は「3か月以内」——提出先は家庭裁判所

亡くなった方に多額の借金があった場合などには、相続放棄をすることで、借金を引き継がずに済みます。

たとえば、お子さんのいないご兄弟が亡くなり、その方が借金を抱えていた——というケースでは、ほかのご兄弟に相続がまわってきて、放棄しておかないと借金を背負ってしまうことがあります。

ここで間違えやすいのが、書類の提出先です。「債権者」でも「法務局」でもなく、正しくは家庭裁判所に申し立てます。

戸籍や除籍を添える少し手間のかかる手続きのため、弁護士にご依頼される方も多くいらっしゃいます。

期限は、亡くなってから——正確には「亡くなったことを知ったときから」——3か月以内です。

準確定申告は「4か月以内」

亡くなった方に不動産収入などがあった場合、その年の所得税は「準確定申告」として申告します。

通常の確定申告(翌年3月15日)とは別のルールで、期限は亡くなってから4か月以内です。

たとえば7月に亡くなった場合は、11月までに申告します。「毎年3月に申告していたから今年も3月で」と思い込まないよう、ご注意ください。

相続税の申告・納税は「10か月以内」

相続税の申告は、亡くなってから10か月以内。

ここで大切なのは、申告だけでなく「納税」まで10か月以内に済ませる必要があるということです。

相続人が複数いる場合は、「誰が何を相続するか」を決める遺産分割協議を経てからでないと、申告内容が固まりません。

四十九日、初盆……と過ごすうちに、10か月はあっという間です。もし10か月以内に遺産分割がまとまらないと、いったん法定相続分どおりに相続したものとして申告することになりますが、このとき配偶者控除などの特例が使えず、本来より多くの税額を納めることになってしまいます。

後日、分割がまとまってから還付を申請できますが、その手続きの負担は決して小さくありません。

できる限り10か月以内に遺産分割をまとめて申告することをおすすめします。

生前贈与は「なかったこと」にできる?——ある兄弟のケース

ここで、実際にご相談を受けた「もめてしまった」事例をご紹介します。

【事例】 父が亡くなり、遺産は3,000万円。相続人は長男と次男の2人。

父は生前、次男の借金返済のために1,500万円を援助していました。この1,500万円を、相続でどう扱えばよいのでしょうか。

立場によって、主張は正反対になります。長男は「弟は生前に1,500万円も先にもらっている。今回の相続はそれを踏まえて分けるべきだ」と考えます。

一方の次男は「生きているうちにもらったお金は“贈与”であって、“相続”とは別の話だ」と主張します。

計算してみましょう。次男の言い分が通れば、遺産3,000万円を1/2ずつで、長男・次男とも1,500万円です。

これに対して長男の言い分では、生前贈与の1,500万円をいったん遺産に「持ち戻して」計算します。

3,000万+1,500万=4,500万を1/2ずつで2,250万円。次男は既に受け取った1,500万円を差し引いて750万円となり、結果は長男2,250万円・次男750万円と大きく変わります。

では、民法はどちらを原則としているのでしょうか。答えは長男の主張——生前贈与を遺産に持ち戻して計算するのが原則です。

この生前贈与を「特別受益」といい、民法はこうして公平を図るのが妥当だと考えています(ただし、実務では特別受益と認められるための要件があり、常に持ち戻しが認められるわけではありません)。

とはいえ、こうした原則を当事者が知っているとは限りません。「そんな話は聞いていない」「あの贈与は借金の肩代わりで、そもそももらっていない」——争いは感情的にこじれ、ご兄弟が不仲になってしまうことも少なくありません。

どうしておけばよかったか——「遺言書」と「動画」

このトラブルを避けるには、父(被相続人)に、「生前贈与は遺産に持ち戻して計算してほしい」という内容の遺言書を書いておいてもらうのが有効です。

頑固で遺言を書いてくれない場合でも、せめて「次男には生前に1,500万円を援助したから、相続では長男に多めに渡したい」という趣旨を動画に残しておくだけでも効果があります。

いまはスマートフォンで手軽に動画を撮れます。ちょっとした一手間が、後々の大きな争いを防ぎます。

相続放棄は3か月、準確定申告は4か月、相続税は10か月——まずは「期限」を意識すること。

そして、生前贈与のように後でもめやすい事情があるなら、遺言書や動画で意思を残しておくこと。

これが「その時」に慌てないための第一歩です。

次回は、「葬儀費用は誰が負担するのか」「実家をどう分けるのか(代償分割)」という、身近なトラブル事例をご紹介します。

相続トラブル事例シリーズ(全3回)

相続の関連コンテンツ


相続は、「その時」が来てから動き出すと、選べる手立てが限られてしまいます。ささいなことでも結構ですので、お早めにお問い合わせください。守口門真総合法律事務所では、初回のご相談を無料でお受けしています。

守口門真総合法律事務所
弁護士 村上 和也(大阪弁護士会所属)
〒570-0056 大阪府守口市寺内町2-7-27 ステーションゲート守口5階(京阪守口市駅 西出口から徒歩1分)
TEL:06-6997-7171(受付:平日9:00〜18:00)/LINEでのお問い合わせも承っております。

【最終回】遺言書に「想い」をのせて一歩踏み込んだ活用法と、私たちが大切にしていること

2026年03月7日|弁護士コラム, 新着情報, 相続

はじめに:遺言書はもっと「自由」でいい

守口門真総合法律事務所の所長弁護士村上和也です。 

全5回にわたってお届けしてきた相続コラムも、今回がいよいよ最終回です。

これまでは「法律のルール」を中心にお伝えしてきましたが、最後は「どうすれば自分らしい形で財産を託せるか」という、より実践的な活用法についてお話しします。

1. 「もしもの時」を想定した書き方(予備的遺言)

遺言書を書く際、多くの方が「妻(夫)に全財産を」と考えます 。

しかし、もしも相続の時点で、受け取るはずの相手が先に亡くなっていたらどうなるでしょうか?

  • 予備的遺言の活用:「妻が先に亡くなっている場合には、長男に相続させる」といった一文を加えておくことができます 。
  • メリット:これがないと、せっかく書いた遺言書が無効になり、結局、親族間での話し合い(遺産分割協議)が必要になってしまいます 。

2. 「条件」をつけて財産を託す(負担付き遺贈)

「財産は譲るけれど、その代わりにお母さんの面倒を見てほしい」といった、条件付きの指定も可能です 。

  • 負担付き遺贈:相続の「負担」として、残された配偶者の介護や生活のサポートを義務付けることができます 。
  • 不履行への対策:もし相続人がこの約束を守らずに財産を使い込んだ場合、遺言の取り消しを裁判所に請求できます 。

3. お金以外のこと:お墓、ペット、そして社会貢献

遺言書では、次のような「お金」以外の希望も形にできます。

  • 祭祀(さいし)の承継者:お墓を守る人(墓守)を指定できます 。
  • ペットの飼育:信頼できる友人にペットを託し、その飼育費用として一定額を遺贈することも可能です 。
  • 社会への恩返し(遺贈寄付):守口市などの自治体や、日本赤十字社、がんセンター、自然保護団体などへ寄付を希望される方も増えています 。

エンディングノートと遺言書の「使い分け」

セミナーでは「就活ノート(エンディングノート)」もお配りしました 。

  • 遺言書:法的効力があり、財産の分け方を決めるもの 。
  • エンディングノート:法的効力はありませんが、自分の今の情報や、家族への日常的なメッセージを伝えるのに適しています 。

まずはノートで情報を整理し、法的な部分は遺言書で固める。

この「二段構え」が最も安心です 。

所長弁護士村上和也の想い:なぜ「地域」で相続を語るのか

最後に、少しだけ私自身の話をさせてください。

私が司法試験を受験していた頃は、合格率が2%程度の非常にシビアな時代であり、何度も不合格を経験しました 。

アルバイトで生計を立てながら、何回も挑戦し、合格しました。

合格後も数年間は「不合格だった夢」を見るほど深層心理に刻み込まれた苦しい受験生活でした。

不合格の度に、「また苦しい1年間を過ごせるだろうか。そこまでして自分は何がしたいのか。」と自らに問い、そして、「自分はやはり、弁護士になって人の役に立ちたいんだ」との想いを強くしました。

その経験があったからこそ、今、地域の皆様のお役に立ちたい、切実なお悩みに寄り添いたい、という強い想いがあります 。

相続は、単なる事務手続ではありません。

一族が築いてきた歴史や想いをつなぐ大切な機会・節目です。

私たちは、難しい知的財産や特殊な医療問題を除き、地域の方々の悩みはほぼすべてお受けしています 。

最後に

「いつかやらなければ」と思っているうちに、気が付けば何年も経過していた、

と、よく耳にします。

今日が一番のタイミングではないでしょうか 。

 遺言書はいつでも書き直せます 。

まずは一歩、遺言の無料相談という形で踏み出してみませんか。

皆様のこれからの人生が、より安心で豊かなものになるよう、守口門真総合法律事務所は全力でサポートいたします。

本連載をお読みいただき、ありがとうございました

弁護士 村上和也のプロフィール

所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言(自筆証書遺言・公正証書遺言・危急時遺言)・相続(遺産分割協議
・遺産分割調停)・成年後見・死後事務委任契約
講演歴:
1 守口市地域包括支援センター家族介護教室での講義(相続・遺言・遺留分・金銭管理
・成年後見)
2 守口文化センターでの講義(「はじめての遺言と相続」)
3 守口市内の会社様での講義(「経営者として知っておきたい相続の知識」)
4 終活セミナーでの講義(テーマ「今日から始める相続対策」)
5 かどま大学(門真大学)における講義(「相続全般・遺産分割協議」「遺言書の作成
・遺言書の種類」「生前対策・成年後見制度」

弁護士からのメッセージ

・早い段階で御相談いただくほうが良い解決につながることが多いです。
・特に相続の分野は、元気なうちに早めに対策しておくことが大事です。
・遺言書は、一度作成しても、あとからいつでも作成し直せます。
・ささいなことでも結構ですので,お一人で悩まれるよりも、お早めにお問い合わせくだ
さい。
遺言・相続・遺産分割協議でお悩みの場合,まずは守口門真総合法律事務所までお問い合
わせ相談ください。初回は無料で御相談可能です。

遺言・相続に関する詳細はこちら(当法律事務所HP)

<お問い合わせ・ご相談の窓口>

お電話もしくはフォームよりご連絡ください。
初回は無料で御相談可能です。
守口門真総合法律事務所(京阪守口市駅西出口すぐ)
[受付時間]平日9:00~18:00 06-6997-7171
▶お問い合わせフォーム
※営業時間外は電話代行にてご伝言をお預かりいたします。

遺言書は「家族への最後の手紙」種類と使い分け、最低限守られる権利(遺留分)とは

2026年02月13日|弁護士コラム, 新着情報, 相続

はじめに:遺言書は「書き直し」ができるからこそ、早めに

守口門真総合法律事務所の所長弁護士村上和也です。 

これまで相続における各種手続の期限やトラブル事例をお話ししてきましたが、それらを一挙に解決できる最強のツールが「遺言書」です 。

「まだ元気だから」「書くと死ぬ準備をしているようで気が引ける」とおっしゃる方も多いですが、遺言書は何度でも書き直しが可能です 。まずは今の気持ちを形にしておくことが、残される家族への最大の思いやりになります 。

今回は、自分に合った遺言書はどれか、そして作成する際に避けて通れない「遺留分」のルールについて解説します。

遺言書の3つの選択肢:自分に合うのはどれ?

以前は「自分で作成する」か「公証役場に作成してもらうか」かの二択でしたが、法改正により便利な制度が加わりました 。

1. 自筆証書遺言(自分で作成する)

  • メリット:費用がかからず、いつでもどこでも、誰にも知られずに作成できます 。
  • 注意点:全文を自筆する必要があり、形式を間違えると無効になるリスクがあります 。また、死後に裁判所での「検認(けんにん)」という手続きが必要で、相続人に手間をかけてしまう面もあります 。

2. 公正証書遺言(公証人に作成してもらう)

  • メリット:公証人が作成するため、形式不備で無効になるリスクがほぼありません 。原本が役場に保管されるため紛失や改ざんの心配もなく、「検認」も不要です 。
  • 注意点:数万円の費用がかかるほか、現在は作成まで「3~4ヶ月待ち」になることもあるため、早めの動き出しが必要です 。

3. 【新制度】法務局の保管制度

  • 自分で書いた遺言書を法務局に預けることができる制度です 。自筆の手軽さと、紛失・改ざんを防げる安全性の「いいとこ取り」ができます 。この制度を利用すれば、面倒な「検認」も不要になります 。

ポイント:1と3の自筆証書遺言について、 「財産目録については、パソコンで作成したものも認められるようになり、以前より格段に作成しやすくなりました 」

覚えておきたい「最低限の取り分」:遺留分(いりゅうぶん)

遺言書を作成する際に、必ず考慮しなければならないのが「遺留分」です 。これは、残された家族の生活を守るために、法律で保障された「最低限の取り分」のことです 。

  • 対象者:配偶者・子・親が対象です 。
  • ポイント:たとえ遺言に「愛人に全額遺贈する」とあっても、子は本来の相続分の2分の1を請求する権利があります 。
  • 注意点:「兄弟姉妹」には遺留分がありません 。

ポイント: 「お子さんがいないご夫婦の場合、夫が妻に『全財産を相続させる』という遺言を書いておけば、夫の兄弟姉妹から遺留分を請求される心配はなく、奥様を完全に守ることができます 」

万が一の時の「特別な遺言」

セミナーでは「危急時遺言(ききゅうじいごん)」についても触れました 。 病状が急変し、公証役場の手続きを待てないような場合に、証人3名の立ち会いのもとで口頭で意思を残す特別な方法です 。 非常に稀なケースですが、こうした緊急時の対応も法律には用意されています 。

弁護士からのメッセージ ~「付言事項」の活用~

遺言書は、単なる「お金の分け方」の指定ではありません 。 「なぜこのような分け方にしたのか」 「家族にどう生きてほしいか」 こうした想いを書き添える「付言(ふげん)事項」こそが、家族の争いを鎮める大きな力になります 。

相続は、誰にでもいつか訪れるものです。 「まだ早い」を「今、やっておこう」に変えることで、未来の安心を手に入れてください 。 守口門真総合法律事務所では、あなたとご家族に最適な形での遺言作成をサポートしています 。

弁護士 村上和也のプロフィール

所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言(自筆証書遺言・公正証書遺言・危急時遺言)・相続(遺産分割協議
・遺産分割調停)・成年後見・死後事務委任契約
講演歴:
1 守口市地域包括支援センター家族介護教室での講義(相続・遺言・遺留分・金銭管理
・成年後見)
2 守口文化センターでの講義(「はじめての遺言と相続」)
3 守口市内の会社様での講義(「経営者として知っておきたい相続の知識」)
4 終活セミナーでの講義(テーマ「今日から始める相続対策」)
5 かどま大学(門真大学)における講義(「相続全般・遺産分割協議」「遺言書の作成
・遺言書の種類」「生前対策・成年後見制度」

弁護士からのメッセージ

・早い段階で御相談いただくほうが良い解決につながることが多いです。
・特に相続の分野は、元気なうちに早めに対策しておくことが大事です。
・遺言書は、一度作成しても、あとからいつでも作成し直せます。
・ささいなことでも結構ですので,お一人で悩まれるよりも、お早めにお問い合わせくだ
さい。
遺言・相続・遺産分割協議でお悩みの場合,まずは守口門真総合法律事務所までお問い合
わせ相談ください。初回は無料で御相談可能です。

遺言・相続に関する詳細はこちら(当法律事務所HP)

<お問い合わせ・ご相談の窓口>

お電話もしくはフォームよりご連絡ください。
初回は無料で御相談可能です。
守口門真総合法律事務所(京阪守口市駅西出口すぐ)
[受付時間]平日9:00~18:00 06-6997-7171
▶お問い合わせフォーム
※営業時間外は電話代行にてご伝言をお預かりいたします。