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後見

父親が亡くなった時に遺産相続で気を付けたいこと

2020年12月15日|弁護士コラム, 後見, 相続

守口門真総合法律事務所の弁護士村上和也です。
片親が亡くなった場合の相続につき、よく御相談を受けますので、本日はこの点の解説をさせていただきます。

両親のうち父親が先に亡くなった場合、母親と子どもが法定相続人です。
ただし、遺産総額によっては相続税がかかりますので、後述のように「母親に全財産を相続してもらって納税を回避する」という選択をする方もあるかもしれません。

今回は、このような事例の際に気を付けたいことについて考えていきます。

配偶者控除の利用と節税

相続税を納付するだけの原資が不足しているときに、物納できる制度もありますが、要件が厳しいため原則として物納は認められません。

そこで、手持ちに納税原資が無く、かつ、相続財産に現金・預貯金が少ない場合には、相続税の納付に困ってしまいます。その場合、母親に相続を集中させると、母親の配偶者控除という税法上の特例により、大幅に税額を軽減できるため、配偶者控除による節税はよく使われます。

ところが、母親に相続財産を集中させたことで、今度は母親が亡くなると夫婦の財産が一気に子へ相続されてしまいます。相続税は累進課税方式で、課税対象が高額なほど税率も高くなって税額が多額になりますので、長期的には子どもも少しずつ相続して、適宜、相続税を納付しておいたほうが節税になる可能性もあります。

父親が先に亡くなった場合は、配偶者控除の特例を活用するかどうか、相続税の納税額も考えて検討したほうが良いと思います。

相続を先送りすると後でトラブルになる

相続争いを避けたいために、母親に全てを相続させて問題を起こさないようにすることも少なくありません。

しかしながら、遺産分けを話し合うことができない不仲なきょうだい間では、母親が亡くなったときにいずれ相続争い(「争族」「争続」)が起こるのは必至です。

とりあえず採った回避策が後で大きな争いにならないようにするには、母親だけに相続させるのではなく、母親が生きている間に母親の関与(口添え)のもと、きょうだいで良く話し合う必要があります。

残された親をどうするか

母親が健康な間は親の存在が大きく、きょうだいは争わずに過ごすでしょう。それでも、配偶者を失った親は気持ちが沈んで病気を患うかもしれませんし、病気をしなくても高齢になると介護の問題もあります。

現在は親と同居する子世代が少なくなっていますので、両親のどちらかが亡くなった場合、残された片親の面倒をどうするのかも問題になることが多いです。
例えば父の死をきっかけに弟が母親の面倒を見ることになったとき、弟の妻は不満をもらし、兄は弟が母親の財産を使ってしまわないか疑念を持つようになってしまうケースもあるかもしれません。

母親に認知症の傾向が現れた場合は、「自分に都合のよい遺言書になるように、母親を言いくるめているのでは?」と、きょうだい同士で疑念を持つケースもあり、親の奪い合いが始まることもあります。

母親と離れて暮らす兄が、同居している弟に無断で、財産の減少(流出・散逸)を防ぐために、成年後見選任を申し立てる可能性もあるでしょう。

認知症の親を被後見人とする成年後見選任申立ては、既に相続争いが始まっていることを意味します(相続争いの前哨戦という表現で説明しています)。

ここからもし兄(または兄が依頼した弁護士)が成年後見人に選任されると弟は嫌な気持ちになりますし、母親も気がしっかりしているときに、成年後見を申し立てた兄に不満を感じるかもしれないのです。

片親が亡くなったときこそ相続が重要

元々スムーズな話し合いができないきょうだいは、問題を先送りすることで感情のもつれが激しくなってしまい、母親まで亡くなったときには遺産分割協議が紛糾します。

したがって、片親が亡くなって相続が発生したタイミングこそ、残された親の介護も含めて、きょうだいが、生存している親を含めて、十分に遺産分割協議をして遺産承継することが適切であると考えます。

弁護士村上和也のプロフィール
所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言・相続(遺産分割・遺留分・遺言執行)・成年後見
講演歴:①「今日から始める相続対策」(終活セミナーでの講演)
    ②「相続・遺言・遺留分・金銭管理・成年後見」
     (地域包括支援センター家族介護教室での講演)
    ③「金銭管理・成年後見・個人情報保護」(認知症サポーター養成講座での講演)
<弁護士からの一言>
・早い段階で御相談いただくほうが良い解決につながることが多いですから,ささいなことでも結構ですので,お早めにお問い合わせください。
・相続問題は,遺産分割調停・遺留分減殺請求訴訟等,様々な紛争を扱う,紛争処理のプロである弁護士に御相談ください。

遺言・相続・成年後見のことでお悩みの場合,まずは守口門真総合法律事務所までお問い合わせ相談ください。初回は無料で御相談可能です。
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成年被後見人の遺言作成(民法973条)の事例

2020年01月13日|後見, 解決事例

1 相談内容

相談内容は,相談者のお父様が過去に交通事故に遭い,頭部外傷を受けて一時寝たきり状態となっていたが,現在では回復し,将来の相続に備えて遺言を作成したいというものでした。

当初の相談の主旨は,お父様が交通事故に遭った後,寝たきり状態の頃に,成年後見制度を利用し,相談者が成年後見人に就任していたことから,遺言を作成することはできないのではないか,この成年後見を取り下げることはできるか,という相談でした。

2 成年後見の取消し?

民法上,成年後見については,「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある」という成年後見の原因が消滅したときには,家庭裁判所は,申し立てにより成年後見の審判の取消しをすることとなります(民法10条)。

しかしながら,一度,成年後見の審判を経た方について,家庭裁判所が成年後見の取消しをするのは,ハードルが高いように思われました。

手続上は,家庭裁判所は,明らかにその必要性がないと認めるときでない限り,成年被後見人の精神の状況につき医師の意見を聞く必要があります(家事事件手続法119条2項)。場合によっては,家庭裁判所によって医師による鑑定がなされることも考えられました。

そして,家族からみても,お父様が,これまで相談者が後見人として行ってきた財産管理をご自身でするということは,能力的,意欲的に困難であるといえました。

3 成年後見そのままで遺言作成

(1)そこで,成年後見はそのまま維持して,成年被後見人の遺言(民法973条)を検討することとなりました。

成年被後見人が遺言を作成するには,以下の要件が必要となります。

①成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時

②医師二人以上の立会い

③立会医師による,遺言者が遺言をする時において精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態になかった旨の遺言書への付記,署名押印

この場合にも,医師の協力が不可欠でありますが,遺言作成時の状況について,立会のもとで判断してもらえれば,遺言作成は可能となっています。家庭裁判所の手続が不要であるため,現実的な方法であると考え,遺言作成の方針をとりました。

 

(2)そして,これら要件の具備を担保するため,これを公正証書によって遺言することとしましたので,以下の要件も必要となりました。

④証人二人以上の立会い

⑤遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること

⑥公証人が,遺言者の口授を筆記し,これを遺言者及び証人に読み聞かせ,閲覧

⑦遺言者及び証人の署名押印

 

(3)本件では,遺言者であるお父様が入所されている施設の担当ケアマネジャーの方にご協力頂き,施設での遺言作成を行うこととしました。

そして,訪問医療にて担当頂いている病院の協力を頂き,医師2名の立ち合いをお願いしました。

公証人とは事前の打ち合わせのもと,遺言書の案文を作成し,施設への出張を依頼しておりました。

当日は,公証人と立合い医師2名,担当ケアマネジャーと弊所から証人となる弁護士2名が施設に赴き,遺言者であるお父様の意思確認を行い,滞りなく,公正証書作成を行うことができました。

4 成年被後見人による遺言作成

今回,成年被後見人による遺言作成を行い,相談の時から3か月余で,相談者の目的であった将来の相続に備える目的は達成できました。もし,成年後見審判の取消し手続を行っていた場合には,家庭裁判所の審理期間があるため,時間がかかっていたかもしれません。

成年被後見人による遺言作成は,弊所でも初の試みでしたが,担当頂いた公証人も初の事例であったようです。珍しい事例でありましたが,必要書類を整え,滞りなく遺言作成を実現できたことは,相談者にとって良い結果となったと思います。

遺言作成については,法律上の要件は上記記載のものでありますが,適用の可否や立会医師への説明,公証人との打ち合わせ等,専門家の関与が不可欠な案件でありますので,弁護士にご依頼ください。

 

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増える高齢者の消費者被害

2018年08月16日|弁護士コラム, 後見, 相続

 現在、高齢社会の進展に伴い、高齢者単身世帯の増加などを背景として、高齢者を狙った悪質な消費者被害が増加の一途をたどってきました。

 高齢者の消費者被害の類型としては、次の2つの点に大きく分かれると言われています。
①高齢者が被害に遭いやすい「特殊詐欺」
②認知症患者の被害が多い「訪問販売」

 

 ①の具体例としては、オレオレ詐欺・還付金詐欺・架空請求詐欺などであり、②の具体例としては販売購入型の被害,不必要なリフォームの勧誘などが挙げられます。

 また、高齢者の消費者被害の手口の大きな特徴は、全体に比べて電話勧誘や訪問販売の割合が高く、さらに認知症高齢者については、訪問販売による被害が全体の4割を占めるという顕著な傾向があります。

 更に、政府広報によれば、2020年に開催される東京オリンピックを利用した「オリンピック詐欺」という詐欺についても注意喚起がなされています。

 

 こうした高齢者の消費者被害を防止する対策としては、やはりご家族の方が、こまめに様子を確認することが重要となってきます。また、ご自身による防止策としては、家族の約束事,合言葉を紙に書いて電話のそばに貼っておくことや、電話は留守電などの設定をするなどの対策をしておくことが大切でしょう。

 振り込め詐欺の被害に遭われてしまった場合には、振り込め詐欺救済法による被害救済をすることも可能です。同法により、オレオレ詐欺・架空請求詐欺・還付金詐欺等の被害にあわれた方は、同法の定める手続を経て、失権した振込口座の残高を上限として、被害回復分配金の支払を受ける方法により、被害回復を受けることができます(もっとも、犯人が預金口座等からお金を引き出してしまうと救済は受けられません)。

詳しくは金融庁HPhttps://www.fsa.go.jp/policy/kyuusai/furikome/index.html)をご覧ください。

 万が一、上記のような消費者被害に遭ったかもしれないという方は、一度弁護士に相談に行かれてはいかがでしょうか。

 

参照:政府広報オンライン「高齢者詐欺・トラブル予防はみんなが主役!」

   https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/korei_syohisya2016/new_teguchi/

 

 

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