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相続 - 守口門真総合法律事務所 - Page 2

なぜ「争族」は起きるのか?―弁護士が見た、相続が複雑化する3つのリアルな火種

2026年01月30日|弁護士コラム, 新着情報, 相続

はじめに:「うちは仲が良いから大丈夫」が危ない理由

守口門真総合法律事務所の弁護士村上和也です。
相続の相談で最も多いのが「まさか自分の家で揉めるとは思わなかった」というお言葉です 。

法律の世界では、一見公平に見えても、当事者からすると「不公平」に感じるルールがいくつかあります 。また、相続人の数が増えるほど、誰か一人が「判を押さない」だけで、すべての手続きがストップしてしまうリスクも抱えています 。

今回は、私が実際に担当した事案をベースに、揉め事に発展しやすい「3つのパターン」をわかりやすく解説します 。

1. 相続人が「大勢」になり、連絡が取れなくなるケース

お子さんがいないご夫婦の相続などでよく見られるパターンです 。 例えば、亡くなった方の兄弟姉妹が相続人になる場合、その兄弟が既に亡くなっていると、その子供(甥・姪)が代わって相続人になります(代襲相続) 。

  • 実際の事例:相続人を調べたところ、20人以上の相続人が存在するケースがありました 。相続人が多い分、1人あたりの相続割合が少ないケースもあり、最も少ない相続割合は144分の1というケースもありました。
  • 起きた問題:ほとんどの親戚は「遺産はいらない」と協力してくれましたが、たった一人、返信がない親戚がいただけで、預金の解約ができなくなりました 。
  • さらに深刻な事態:その連絡がつかない方が高齢で判断能力が低下している場合、その人のために「成年後見人」を立てなければ話し合いが進まないという、非常に高いハードルが待ち受けています 。

ポイント: 残された奥様が、亡くなられた夫の自宅や預金を相続したくても、会ったこともない親戚全員の印鑑証明が必要になることもあるのです。

(なお、このケースでは、遺言書さえあれば奥様が全部相続できて、かつ、兄弟姉妹には遺留分がないため、完全な解決が実現できていましたので、遺言書の作成が推奨されます) 

2. 「あいつだけ、生前にお金をもらっていた」という不満(特別受益)

兄弟間で最も揉めるのが、生前贈与をめぐる問題です 。

  • よくある火種:「弟は家を買う時に1,000万円出してもらった」「借金の肩代わりをしてもらった」といった過去の事情です 。
  • 法律の考え方(特別受益):民法では、こうした生前贈与を「遺産の先渡し」と考え、残った遺産にその分を足して計算する「持ち戻し」というルールがあります 。

例えば、遺産が3,000万円で、弟が1,500万円の贈与を受けていた場合、合計4,500万円を兄弟2人で分ける計算になります 。この場合、兄は2,250万円、弟は既に受け取った1,500万円を引いて750万円、というのが法律上の「公平」な結論です 。

ポイント: 「本人は『忘れた』『もらっていない』と言い張ることも多く、証拠の有無で泥沼化しやすいのがこの問題の特徴です 」

3. 「家はあるが、分ける現金がない」ケース(代償分割)

「長男が親と同居して家を守っているが、預貯金はほとんどない」という状況も危険です 。

  • 状況:自宅が3,000万円、預金が1,000万円の計4,000万円の遺産がある場合、兄弟2人なら2,000万円ずつが法定相続分です 。
  • 起きた問題:長男が家(3,000万円)を相続すると、次男から「預金だけだと1,000万円足りないから、長男のポケットマネーから払ってくれ」という請求(代償金請求)がなされることがあります 。
  • 現実的な困難:長男に1,000万円もの貯金がなければ、最悪の場合、住んでいる家を売って現金を作るしかなくなります 。

ポイント: 「不動産の評価額を『路線価』でみるか『実売価格』でみるかでも、代償金の額が大きく変わるため、この点でも揉めることがあります 」

弁護士からのメッセージ

これらのトラブルに共通しているのは、「亡くなった方の意思が形になっていない」ために、残された側が、それぞれの立場から、自ら正当だと思う主張をせざるを得なくなっている点です 。

「特別受益」があるなら、なぜそれをあげたのか 。家を継がせたいなら、他の兄弟にはどう配慮するのか 。 これらを元気なうちに「遺言書」として一筆残しておくだけで、残された家族はどれほど救われるかわかりません 。

次回の記事では、こうしたトラブルを未然に防ぐための強力な武器、「遺言書」の種類と使い分けについてお伝えします。

弁護士 村上和也のプロフィール

所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言(自筆証書遺言・公正証書遺言・危急時遺言)・相続(遺産分割協議
・遺産分割調停)・成年後見・死後事務委任契約
講演歴:
1 守口市地域包括支援センター家族介護教室での講義(相続・遺言・遺留分・金銭管理
・成年後見)
2 守口文化センターでの講義(「はじめての遺言と相続」)
3 守口市内の会社様での講義(「経営者として知っておきたい相続の知識」)
4 終活セミナーでの講義(テーマ「今日から始める相続対策」)
5 かどま大学(門真大学)における講義(「相続全般・遺産分割協議」「遺言書の作成
・遺言書の種類」「生前対策・成年後見制度」

弁護士からのメッセージ

・早い段階で御相談いただくほうが良い解決につながることが多いです。
・特に相続の分野は、元気なうちに早めに対策しておくことが大事です。
・遺言書は、一度作成しても、あとからいつでも作成し直せます。
・ささいなことでも結構ですので,お一人で悩まれるよりも、お早めにお問い合わせくだ
さい。
遺言・相続・遺産分割協議でお悩みの場合,まずは守口門真総合法律事務所までお問い合
わせ相談ください。初回は無料で御相談可能です。

遺言・相続に関する詳細はこちら(当法律事務所HP)

<お問い合わせ・ご相談の窓口>

お電話もしくはフォームよりご連絡ください。
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「誰が・何を・どれくらい」相続するのか?弁護士が教える遺産分割のスタートライン

2026年01月20日|弁護士コラム, 新着情報, 相続

はじめに – 意外と知らない「法定相続人」の範囲

守口門真総合法律事務所の村上です。 前回のコラムでは、相続手続きの「期限(デッドライン)」についてお話ししました。

期限を把握したら、次に行うべきは「誰が相続人になり、何が遺産に含まれるのか」を正確に知ることです。

「家族のことだから分かっている」と思っていても、法律のルールに照らし合わせると、思わぬ人が相続人になったり、逆に相続人だと思っていた人が対象外だったりすることがあります。

今回は、セミナーでも盛り上がった「相続人・相続分のクイズ」を交えながら、分割協議を始めるための基本ルールを解説します。

相続の手続きを進める「3つのステップ」

遺産を分ける話し合い(遺産分割協議)をスムーズに進めるためには、次の順番で情報を整理する必要があります:

  1. 相続人の確定:誰が遺産を受け取る権利を持っているか
  2. 相続分の確定:法律上、それぞれがどれくらいの割合(法定相続分)を持っているか
  3. 遺産の確定:預貯金、不動産、株など、どのような財産があるのか

この「誰が・いくら・何を」が曖昧なまま話し合いを始めてしまうと、後から「実は他にも相続人がいた」「隠れた借金が出てきた」といったトラブルになり、せっかくの合意が白紙になってしまいます 。

【クイズで解説】あなたは正解できますか?法定相続のルール

セミナーでは、具体例を使って「誰がどれだけ相続するか」を考えていただきました。特に間違いやすいケースを2つご紹介します。

ケース①:子供がおらず、親が存命の場合

  • 状況:夫が亡くなり、妻と、夫の両親が健在。子供はいない。
  • 答え:妻が 3分の2、両親が あわせて3分の1 です 。

ポイント: 「『子供がいないから全部妻のもの』と思われがちですが、親が存命の場合は親も相続人になります。ここから義理の両親との話し合い(遺産分割協議)が必要になるのです」

ケース②:子供も親もおらず、兄弟姉妹がいる場合

  • 状況:夫が亡くなり、妻がいる。子供はおらず、両親も既に他界。夫には弟と妹がいる。
  • 答え:妻が 4分の3、兄弟が あわせて4分の1 です 。

ポイント: 「この場合、残された奥様は、夫の兄弟姉妹(義理の兄弟姉妹)と遺産分割の話し合いをしなければなりません。これが非常に大きな心理的負担になるケースが多いのです」

「隠れた遺産」をどうやって見つけるか

相続人を特定すると同時に、亡くなった方の財産をすべて洗い出す必要があります。

  • 預貯金の調査:銀行に対して「取引明細(履歴)」を請求できます 。これは相続人一人からでも可能です 。
  • 遡れる期間は10年:銀行の記録は10年間保存されており、それ以前のものは消えてしまう可能性があります 。
  • 不動産の調査:特定の市区町村にある不動産を一覧で確認できる「名寄帳(なよせちょう)」という便利な書類があります 。

ポイント: 「亡くなる直前に多額の引き出しがあるなど、使い道がわからないお金(使途不明金)で揉めることが非常に多いです。不信感を抱く前に、まずは客観的な資料(履歴)を揃えることが冷静な話し合いへの第一歩です」

話し合いがまとまらない時は「調停」へ

親族間での話し合いが平行線になってしまった場合、家庭裁判所の「遺産分割調停」を利用することになります 。

最近の大きな変化として、オンラインや電話会議での手続きが可能になりました 。 例えば、「自分は大阪に住んでいるが、相手方が鹿児島に住んでいる」という場合でも、わざわざ遠方の鹿児島家庭裁判所まで何度も足を運ぶ必要がなくなり、心理的・経済的なハードルが下がっています 。

弁護士からのメッセージ

「誰が相続人か」「何が遺産か」を確定させる作業は、戸籍謄本を何通も集めたり、金融機関とやり取りしたりと、非常に手間がかかります。
しかし、ここを疎かにすると、後々の「争族(争う相続)」の火種になります。

まずは、「親族関係図」と「財産目録」を作ってみることから始めてください。 何がわからないかが明確になれば、解決策も見えてきます。

ご不安な方は、初回相談は無料ですので、守口門真総合法律事務所までお問い合わせください。

次回は、実際に起きてしまった「相続で揉めたリアルな事例」をもとに、どうすれば防げたのかを詳しくお話しします。

弁護士 村上和也のプロフィール

所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言(自筆証書遺言・公正証書遺言・危急時遺言)・相続(遺産分割協議
・遺産分割調停)・成年後見・死後事務委任契約
講演歴:
1 守口市地域包括支援センター家族介護教室での講義(相続・遺言・遺留分・金銭管理
・成年後見)
2 守口文化センターでの講義(「はじめての遺言と相続」)
3 守口市内の会社様での講義(「経営者として知っておきたい相続の知識」)
4 終活セミナーでの講義(テーマ「今日から始める相続対策」)
5 かどま大学(門真大学)における講義(「相続全般・遺産分割協議」「遺言書の作成
・遺言書の種類」「生前対策・成年後見制度」

弁護士からのメッセージ

・早い段階で御相談いただくほうが良い解決につながることが多いです。
・特に相続の分野は、元気なうちに早めに対策しておくことが大事です。
・遺言書は、一度作成しても、あとからいつでも作成し直せます。
・ささいなことでも結構ですので,お一人で悩まれるよりも、お早めにお問い合わせくだ
さい。
遺言・相続・遺産分割協議でお悩みの場合,まずは守口門真総合法律事務所までお問い合
わせ相談ください。初回は無料で御相談可能です。

遺言・相続に関する詳細はこちら(当法律事務所HP)

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お電話もしくはフォームよりご連絡ください。
初回は無料で御相談可能です。
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※営業時間外は電話代行にてご伝言をお預かりいたします。

相続は「いつまでに何をするか」が大事-弁護士が教える手続きの全体像

2025年12月26日|弁護士コラム, 相続

はじめに:相続は“あとで考える”では間に合わない

守口門真総合法律事務所の弁護士、村上です。

相続のご相談を日々お受けする中で、
「そんな期限があるとは知りませんでした」
「もっと早く相談すればよかった」
という声を、本当によく耳にします。

親の相続について、次のような不安はありませんか?

  • 親が亡くなったが、何から手をつけていいかわからない
  • まだ元気だが、将来の相続が不安
  • 兄弟姉妹で揉めないか心配

相続は、財産の話であると同時に、期限がはっきり決まっている手続きでもあります。
「あとで考えればいい」と思っているうちに、選べたはずの選択肢が消えてしまうことも少なくありません。

今回のコラムでは、11月19日に開催した「遺言相続の基本」セミナーの内容をもとに、
相続手続きの全体像と、特に注意すべき期限について、弁護士の立場からわかりやすく解説します。

相続が始まったら、まず知っておくべき「全体の流れ」

人が亡くなると、相続手続きは自動的に始まります。
しかし多くの方が、「何から始めればいいのか」が分からないまま、時間だけが過ぎてしまいます。

相続の流れを大まかに整理すると、次のようになります。

  • 相続の開始(死亡)
  • 相続人の調査・確定
  • 財産(遺産)の調査・把握
  • 相続するかどうかの判断
  • 遺産分割協議
  • 名義変更・解約などの実行

この中で特に重要なのが、期限が定められている手続きです。

【重要】相続手続きの5つのデッドライン

相続では、次の期限を必ず意識する必要があります。

相続手続きのチェックリスト

  • 3か月以内
     相続放棄・限定承認
     → 借金が多い場合などは特に重要
  • 4か月以内
     準確定申告
     → 亡くなった方が自営業・不動産所得があった場合は要注意
  • 10か月以内
     相続税の申告・納付
     → 1日でも過ぎると、延滞税などのペナルティが発生することもあります
  • 1年以内(遺留分侵害を知ったときから)
     遺留分侵害額請求
     → 不公平な遺言に対抗するための期限
  • 3年以内
     相続登記(※2024年4月から義務化)
     → 正当な理由なく放置した場合、10万円以下の過料の対象となる可能性があります

 ポイント:
「最近は“相続登記が義務になった”ことをご存じない方も多いですね。
  相続は『終わったつもり』が一番危険です。」

「準確定申告」を見落としてはいけない理由

相続というと、相続税ばかりが注目されがちですが、
準確定申告(4か月以内)を忘れてしまう方も少なくありません。

準確定申告とは、亡くなった方の所得税を、相続人が代わりに申告する手続きです。

特に注意が必要なのは、次のようなケースです。

  • 自営業をしていた
  • 不動産収入があった
  • 年金以外の収入があった

「自分には関係ないと思っていたら、実は対象だった」という相談も珍しくありません。

10か月を過ぎると起きる、現実的な問題

相続税の申告期限である10か月は、想像以上に短い期間です。

相続人が複数いる場合、

  • 相続人の確定
  • 財産の調査
  • 遺産分割協議

これらを進めているうちに、期限が迫ってきます。

セミナーでも紹介しましたが、
遺産分割がまとまらないまま10か月を過ぎてしまい、
一旦、法定相続を前提に多額の相続税を納めることになったケースもあります。

あとから分割が決まっても、納税時点での資金繰りが大きな負担になることは少なくありません。

「遺留分」とは何か

遺留分とは、一定の相続人に法律で保障された「最低限受け取れる相続分の権利」です。

たとえば、

  • すべてを特定の相続人に相続させる遺言
  • 配偶者や子が極端に不利になる内容

このような場合でも、遺留分を請求できる可能性があります。

ただし注意点があります。
自分に不利な遺言があることを知ってから1年以内に、
意思表示をしなければ、この権利は失われてしまいます。

ポイント:
「裁判を1年以内に終わらせる必要はありません。
まずは“期限内に動いたかどうか”が重要です。

具体的なお話としては内容証明を発送する必要が有ります」

なぜ相続はこじれやすいのか

相続は、法律だけで割り切れる問題ではありません。

  • 介護をしてきた人の不満
  • お金に対する価値観の違い
  • 「そんな話は聞いていない」という感情

こうした思いが絡み合うと、話し合いは一気に難しくなります。

だからこそ、
感情が表に出る前に、全体の流れと期限を把握しておくことが非常に重要なのです。

弁護士からのメッセージ

こうした背景から、相続は「法律の知識」だけでなく、
進め方そのものが結果を左右する分野だといえます。

相続相談で多いのは、
「もう少し早く相談していれば、選択肢があったのに」というケースです。

相続は、問題が起きてから対応するものではありません。
期限を意識し、先を見据えて動くことが、トラブルを防ぐ最大のポイントです。

まずは「自分の目の前の課題が、どの期限に当てはまるか」を確認してください

  • すでに相続が始まっている方
  • 将来の相続に不安を感じている方

どの期限が関係してくるかは、人によって異なります。
「まだ大丈夫」と思わず、まずは一度、ご自身の状況を整理することをおすすめします。

相続や遺言について、「今どの期限にいるのか分からない」という段階でも構いません。
どうぞお気軽に守口門真総合法律事務所までご相談ください。

弁護士 村上和也のプロフィール

所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言(自筆証書遺言・公正証書遺言・危急時遺言)・相続(遺産分割協議
・遺産分割調停)・成年後見・死後事務委任契約
講演歴:
1 守口市地域包括支援センター家族介護教室での講義(相続・遺言・遺留分・金銭管理
・成年後見)
2 守口文化センターでの講義(「はじめての遺言と相続」)
3 守口市内の会社様での講義(「経営者として知っておきたい相続の知識」)
4 終活セミナーでの講義(テーマ「今日から始める相続対策」)
5 かどま大学(門真大学)における講義(「相続全般・遺産分割協議」「遺言書の作成
・遺言書の種類」「生前対策・成年後見制度」

弁護士からのメッセージ

・早い段階で御相談いただくほうが良い解決につながることが多いです。
・特に相続の分野は、元気なうちに早めに対策しておくことが大事です。
・遺言書は、一度作成しても、あとからいつでも作成し直せます。
・ささいなことでも結構ですので,お一人で悩まれるよりも、お早めにお問い合わせくだ
さい。
遺言・相続・遺産分割協議でお悩みの場合,まずは守口門真総合法律事務所までお問い合
わせ相談ください。初回は無料で御相談可能です。

遺言・相続に関する詳細はこちら(当法律事務所HP)

<お問い合わせ・ご相談の窓口>

お電話もしくはフォームよりご連絡ください。
初回は無料で御相談可能です。
守口門真総合法律事務所(京阪守口市駅西出口すぐ)
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相続財産に当たるものは?相続方法や相続放棄のポイントも含めて解説

2022年02月25日|弁護士コラム, 新着情報, 相続

【目次】

  • ・どんなものが相続財産になる?
  • ・相続税の課税対象になるものは?
  • ・相続税の計算は自分でもできる?
  • ・相続税が高すぎてマイナスになるということはある?
  • ・借金などのマイナスの財産も相続しなくてはいけない理由
  • ・相続にはどのような方法がある?
  • ・相続放棄をしたことを他の相続人にも伝えるべき?
  • ・相続放棄をする場合いつまでに決断が必要? タイムリミットは?
  • ・まとめ

「相続」と聞くと、難しそうな印象を持つ方も多いのではないでしょうか。
しかし、親や配偶者などが亡くなった時に、相続は避けては通れない問題です。
今回は、どのようなものが相続財産となるのか、相続にはどのような方法があるのか、相続放棄をする場合のポイントなど、弁護士としての経験を踏まえながら、基本的なポイントをまとめました。
ぜひ参考にしてください。

どんなものが相続財産になる?

民法第896条本文に「被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する」と規定されているとおり、「権利」のみならず「義務」も相続します。
前者は、不動産・預金・現金・有価証券等。
後者は、借入金・住宅ローン・損害賠償義務等です。
保証人としての地位も相続するため、保証債務も含みます。
但し、従業員としての労務提供義務・映画を撮影する債務・カメラマンが撮影する債務等は、その人自身が履行しないと意味が無い債務ということで、相続されることはありません。この点につき民法は、「被相続人の一身に専属した財産」は相続されない、と規定しています。

相続税の課税対象になるものは?

プラスの財産(積極財産)からマイナスの財産(消極的財産)を差し引いて、遺産総額を決めます。
葬儀費用も遺産総額から差し引くことが可能です。
そのうえで、遺産総額から基礎控除額を差し引いたものが、課税対象になります。
なお、基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」です。

相続税の計算は自分でもできる?

遺産に不動産がない場合は、自分で相続税の計算ができる可能性もあります。
他方、不動産がある場合は特例の適用により税額が下がりますが、特例は難解です。
自分で計算をすることは難しいので、税理士に依頼されるほうが良いと思います。
また、基礎控除後もなお課税対象となる資産があるような場合も、税理士に依頼されるほうが良いでしょう。
計算方法は、遺産総額から基礎控除額を差し引いて、いったん法定相続分を相続したと仮定して相続税率を適用し「相続税の総額」を算出。
そのうえで、各相続人に配分し、税額控除等を加味して、各相続人の納付税額を算出することになります。

相続税が高すぎてマイナスになるということはある?

遺産よりも相続税が上回ることはありませんので、マイナスになることはありません。
しかしながら、例えば「遺産不動産が1憶円の価値があるが、遺産預金は300万円しかない」というようなケースでは、マイナスではないけれども、納税する預金が足りないという事態は生じえます。
そのような場合は、遺産不動産を売却して売却金を納税するか、不動産そのものを納める(物納する)ことになります。
物納に関しては要件が複雑ですので、税理士の関与が不可欠です。

借金などのマイナスの財産も相続しなくてはいけない理由

プラスの財産を相続する場合は、マイナスの財産も含めて「一切の権利義務」(民法第896条)を相続することになります。
よって「資産は相続するが、負債は相続しない」と言うことはできません。
また「この資産は相続するが、この資産は相続しない」と言うようなこともできません。

相続にはそどのような方法がある?

相続には「単純承認」「限定承認」「相続放棄」という3つの方法があります。
それぞれの特徴や方法について、解説しましょう。

単純承認

単純承認は、被相続人の資産(積極財産)・債務(消極財産)の全てを相続すること。
積極財産が消極財産を上回る場合に最適な方法です。
以下の3つの場合は、意思表示しなくても、単純承認したものとみなされる(法定単純承認)ので、注意が必要です。
①相続財産の処分、②熟慮期間内に相続放棄等をしない、③相続放棄等をした後に、相続財産を隠匿・消費したりした場合です。

限定承認

限定承認は、相続人が相続によって得た財産の限度で、被相続人の債務の負担を受け継ぐ方法。
「被相続人の債務がどの程度あるか不明であり、債務が相続財産を超過する可能性もある」という場合に最適です。
熟慮期間内に、家庭裁判所に、財産目録を提出して申立てをすることで可能な方法ですが、相続人全員で申立てをする必要がある点には要注意です。

相続放棄

相続放棄は、一切の遺産を相続しない方法。
資産(積極財産)よりも債務(消極財産)のほうが多い場合に最適です。
方法としては、家庭裁判所に対して申立てをすること(財産目録の添付は不要)。
注意点としては、「熟慮期間内の申立てが必要であること」「相続財産の一部のみの放棄はできないこと」が挙げられます。

相続放棄をしたことを他の相続人にも伝えるべき?

第1次相続人が相続放棄をすると、相続の権利は第2次相続人へと移行します。
さらに第2次相続人が相続放棄をすると、第3次相続人へと相続権は移っていきます。
そのため「債務が多いので誰も相続をしない」という場合、第1次相続人が相続放棄した後に、第2次相続人が相続放棄し、その次に第3次相続人が相続放棄をする流れとなります。
例えば、夫が死亡した場合、第1次相続人である妻及び子が相続放棄し、続いて第2次相続人である夫の親が生存している場合はその親が相続放棄をする。
そして、次に第3次相続人である夫の兄弟姉妹が相続放棄をします。

相続放棄を次順位の相続人に伝えるかどうかですが、事案によっては、第1次相続人が相続放棄したことを、第2次相続人に伝えないケースもあります。
伝えないことで、熟慮期間がスタートしませんので、理論上、第2次相続人はいつまででも相続放棄ができることになります。
伝えるか伝えないかはケースバイケースですが、当職の経験則上「将来、次順位の相続人に迷惑をかけたくない、きちんとしておきたい」というケースでは、伝えます。
また、債権回収に勤勉な債権者がいる場合は、第2次相続人に請求していくこともありますので、あらかじめ伝えて、第2次相続人に相続放棄を促すケースもあります。

相続放棄をする場合いつまでに決断が必要? タイムリミットは?

タイムリミットは、「熟慮期間」と言い、相続の発生を知ってから3か月以内です。
もっとも、債権債務が複雑であり、同期間内で相続放棄すべきかどうかを判断できない場合は、期間伸長の申立てが可能で、その場合は3か月間延長してもらえます。
この申立ては、比較的、簡単に認められます。
その3か月内に、信用情報機関に調査をかけたり、郵便物をチェックしたりして、債務の有無を調査して、相続放棄すべきかどうかの判断材料とします。

まとめ

今回は、相続財産となるもの、相続の種類と方法、相続放棄について解説しました。
相続に関して、弁護士に依頼すべきかどうか悩まれる方も多いと思いますが、限定承認は難解な手続ですので、弁護士に依頼されることをお勧めします。
また、相続放棄については、御自身でもできなくはないですが、除籍や戸籍を収集したり、申立書を作成したり、印紙額を調べて購入したり等、かなりの手間が発生します。
また、誤って法定単純承認をしてしまったりすると取り返しがつきません。そのため、相続放棄をする場合も弁護士に相談・依頼されることをお勧めします。

弁護士村上和也のプロフィール

所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言・相続(遺産分割・遺留分・遺言執行)・事業承継・成年後見
講演歴:①「相続・遺言・遺留分・金銭管理・成年後見」(地域包括支援センター家族介護教室での講演)
    ②「今日から始める相続対策」(終活セミナーでの講演)
    ③「金銭管理・成年後見・個人情報保護」(認知症サポーター養成講座での講演)
    ④「成年後見と財産管理における弁護士のかかわり方,法定後見,任意 後見,見守り契約,死後事務委任契約等」
    (介護福祉支援員に対する講演)
    ⑤「意思決定支援」(三市合同社会福祉士連絡会での講演)

弁護士からのメッセージ
・早い段階で御相談いただくほうが良い解決につながることが多いですから,ささいなことでも結構ですので,お早めにお問い合わせください。
・相続問題は,遺産分割調停・遺留分減殺請求訴訟等,様々な紛争を扱う,紛争処理のプロである弁護士に御相談ください。
・税理士・司法書士とも連携し,ワンストップサービスを御提供していますので,相続税申告・準確定申告・相続登記についても,御心配は無用です。
・遺言作成や遺産分割協議を数多く手掛けてきており,危急時遺言の作成実績もある数少ない法律事務所です。

遺言・相続・成年後見のことでお悩みの場合,まずは守口門真総合法律事務所までお問い合わせ相談ください。初回は無料で御相談可能です。
守口門真総合法律事務所(京阪守口市駅西出口すぐ)
TEL:06-6997-7171
遺言・相続や成年後見(財産管理)に関する詳細はこちら(当法律事務所HP)

相続について知っておきたい基礎知識 法定相続人と相続割合

2021年11月29日|弁護士コラム, 新着情報, 相続

守口門真総合法律事務所の弁護士村上和也です。
相続が必要になったときに、誰にどのような割合で遺産が相続されるのか、気になられる方は多いのではないでしょうか。
そこで本日は、相続のルールについて解説をさせていただきます。

法定相続人とは?

被相続人(亡くなった方)と一定の親族関係にあった方を、法定相続人といいます。法定相続人に該当するのは、配偶者・子(またはその代襲者・再代襲者=孫やひ孫)・直系尊属・兄弟姉妹等が該当します。「直系尊属」という単語は最近使うことが少なくなったかもしれませんが、両親や祖父母のことをいいます。

法定相続人優先順位

法定相続人の優先順位は ①子(またはその代襲者・再代襲者=孫やひ孫)・②直系尊属(※)・③兄弟姉妹です。
配偶者は常に相続人になります。

(※) ②直系尊属については、親等の近い人から相続人になります。具体的には、父親と祖父がともにいる場合は、父親です。

●法定相続人となるはずの子どもが他界している場合
子どもがすでに他界している場合、孫が代襲相続人として、相続人になります。
孫も他界していて、ひ孫がいる場合、ひ孫が再代襲相続人として相続人になります。

●もともと子どもがいない場合
第2順位として直系尊属である親が相続人になります。親が死亡しており、祖父母は健在の場合は、祖父母が相続人になります。

●被相続人(亡くなった人)が未婚の場合
第2順位として直系尊属である親が相続人になります。
親が死亡しており祖父母は健在の場合は、祖父母が相続人になります。兄弟がおらず、両親、祖父母、曾祖父母も他界している(法定相続人がいない)人で、遺産がある場合は、最終的に国庫に帰属する(国のものになる)ことになります。

遺産の割合について

遺言があればそれに従います。
遺言がない場合は民法900条の規定に従って、割合が決まります。
①子及び配偶者=各1/2
②配偶者及び直系尊属=2/3と1/3
③配偶者及び兄弟姉妹=3/4と1/4
④子、直系尊属、兄弟姉妹が数人いるときは、頭割り。
※但し、半血の兄弟姉妹(異父兄弟・異母兄弟)は、全血(被相続人とその配偶者の子ども)の1/2。

②と③のケースでは「配偶者が全部相続する」と誤解されている方がたまにいますが、このように、直系尊属や兄弟姉妹も相続人となります。
③のケースにおいては、例えば、配偶者妻と被相続人の姉(嫁と小姑)のような場合、被相続人の生前から不仲な事例もあり、争族となることもあります。

内縁の妻との間の子どもの相続分
いわゆる婚外子は、非嫡出子として、昔は嫡出子の1/2でした。
嫡出子の相続割合を多くすることの理由(立法趣旨)の1つとして「法律婚の尊重」が挙げられます。
しかし、平成25年の最高裁判決は「個人の尊重という観点から、法律婚という制度の下で父母が婚姻関係にないという子にとって自ら選択ないし修正する余地のない事柄を理由として子に不利益を及ぼすことが許されないこと」より、憲法14条に反すると判示しました。
その後、民法改正により、非嫡出子と嫡出子の区別は無くなりました(相続分は同じ)。

未成年者が相続人になった場合は?
未成年者は行為能力がないため、遺産分割協議を有効に成立させることができません。ここで、一般的には、未成年者については親が法定代理人として代理します。
もっとも、遺産分割協議の場面においては、一方の取り分が増えると他方の取り分が必然的に減る(「遺産」というパイは決まっているため)という利益相反状況にあります。そのため、親は代理人になれません。
「利益が相反するかどうか」については、実質的ではなく形式的に判断されるからです。
そこで、家庭裁判所に、特別代理人の選任を申立て、その特別代理人が未成年者を代理して、遺産分割協議に参加することになります。
「特別代理人の選任申立ての進め方が分からない」「手続きが煩わしい」といった場合は、弁護士のサポートを受けることで、スムーズに進められます。

まとめ

遺言書がない場合は法定相続人間で遺産分割協議をしますが,遺産分割協議を実施する際には,民法に定められた相続割合を参考にしながら,遺産分割協議を進めていくことになります。
「相続の割合を指定したい」「法定相続人以外の人に、遺産を遺贈したい」といった希望がある場合、遺言書を作成することで叶えることができます。
昨今、相続人同士での争いが起きないように、生前に遺言書の作成を検討される方も増えています。
「遺言書の作成を考えたい」という場合は、相続の経験・知識が豊富な弁護士にご相談ください。

弁護士村上和也のプロフィール
所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言・相続(遺産分割・遺留分・遺言執行)・成年後見
講演歴:①「今日から始める相続対策」(終活セミナーでの講演)
    ②「相続・遺言・遺留分・金銭管理・成年後見」
     (地域包括支援センター家族介護教室での講演)
    ③「金銭管理・成年後見・個人情報保護」(認知症サポーター養成講座での講演)

弁護士からの一言
・早い段階で御相談いただくほうが良い解決につながることが多いですから、ささいなことでも結構ですので、お早めにお問い合わせください。
・相続問題は、遺産分割調停・遺留分減殺請求訴訟等、様々な紛争を扱う、紛争処理のプロである弁護士に御相談ください。

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