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任意整理は誰でもできる?注意点は?

2021年12月|借金問題, 弁護士コラム, 新着情報

【目次】


・任意整理とは
・任意整理は誰でもできるもの?
・和解に応じてもらえない場合もある?
・クレジットカードの利用について
・まとめ

任意整理とは

「任意整理」は基本的に,借りたお金の元金のみを分割して支払う手続きです。
銀行や消費者金融でお金を借りた場合,通常,元金と利息を合わせた額を返済することになります。しかし,任意整理をすると,利息を支払う必要がなく,支払った金額はそのまま元金から差し引かれます。
普通に返済していると,返済した額の3分の1程度しか元金が減らない場合もありますが,任意整理をすれば利息の支払いが不要になるので,トータルの支払いは半額以下になることも珍しくありません。
元金自体は減額されませんが,将来にわたって支払うことになっていた利息がなくなり,だいぶ返済が楽になります。

利息や損害金は一切つかない?

ただ,和解日までの利息(「経過利息」といいます)や,損害金は計上される場合も多いので,注意が必要です。
以前は,経過利息をカットしてもらえることが多かったですが,最近は難しくなってきました。

一部の業者だけを整理することは可能

任意整理のメリットとしては,一部の借金についてそのまま返済を続けることが可能という点が挙げられます。
例えば「車を引き揚げられては困るので,車のローンだけは通常どおり払う」「保証人に迷惑を掛けたくないので,保証人がついている借入れだけは通常どおり払う」ということができます。
「借金に悩んでいるけれど,親族・知人に知られたくない」「身近な人の信用を失いたくない」という場合にも向いています。
利息制限法の上限以内の金利で借り入れている場合,任意整理をするべきか迷われるかもしれませんが,将来の利息をカットできるメリットは大きいと思います。
法定の金利内とはいえ,年利15~18%の設定が多く,普通に高金利です。
返済に苦しんでいる場合は,任意整理を検討されることをおすすめします。

任意整理は誰でもできるもの?

現在定職についていない方が「任意整理をしたい」と思われた場合,一般的には「できません」という回答になるかと思います。
返済にあたっては,収入の安定(継続的に返済することができる家計状況か)がポイントになるためです。
もっとも,借入額が小さく,月々の返済も1~2万円程度の方であれば,アルバイト・パートでも差し支えないと思います。
パートタイマーで働く主婦の方で「カードキャッシングの借金をしてしまった」という場合,債務整理をしてパートの収入で返済するパターンもあります。
学生の債務整理も不可能ではないですが,そもそも借入れをする人が少ないです。
低額の借金であれば,アルバイトなどの収入で債務整理を検討できるでしょう。

和解に応じてもらえない場合もある?

消費者金融の会社でも,和解に応じてくれる業者がほとんどです。
ただし,任意整理の交渉をしても和解に応じてもらえない場合はあります。
法的な手続きとはいえ強制力はないので,和解がまとまるかは先方次第のところがあるのです。
最初から和解自体に応じてもらえない場合もあれば,単に条件面で折り合いがつかない場合ももちろんあります。
また,すでに債権者から裁判を起こされ判決を取られている場合や,給与の差押えを受けている場合は,先方のペースで交渉がなされることが多いです。

クレジットカードの利用について

債務整理をすることで心配なのは「クレジットカードを使い続けられるか」という点でしょう。
任意整理の手続きに含める場合,残念ながら利用できなくなります。
本人のカードだけではなく,本人のカードに付帯して作られた「家族カード」も同様に利用ができなくなるので,気を付けてください。
※家族が個人的に作ったクレジットカードは,債務者のクレジットカードとは関係ないので,今までどおり使用できます。
一方,債務整理をしなかったクレジットカードは,通常どおり使える可能性が高いでしょう。
しかし,カード更新の時期などにカード会社が改めて信用情報をチェックすることがあれば,更新を拒否される場合があるかもしれません。
クレジットカードの利用については,カード会社の基準による部分が大きいので,「債務整理手続に含めなければ大丈夫」とも言い切れないのが実情です。
しかし,キャッシュレスが進んだ現代社会においては,カード決済を使えないと不便であることも多いです。その場合,家族が持つクレジットカードで「家族カード」を作ってもらうか,プリペイド式のカードを作成するか,などを検討することになります。

まとめ

任意整理は,借金自体を減らすわけではありませんが,「整理後は利息を支払う必要がなくなる」という大きなメリットがあります。トータルで支払う額を減らすことができるので,早めに行うことが大切です。
中には「契約書をなくしたので,債務整理ができないのでは?」という方もいらっしゃいますが,契約書がなくても大丈夫です。
弁護士が受任すると,弁護士から各業者に通知を送り,債権調査からスタートしますので,契約書は特に必要ありません。
どこから借りているかが分かれば,手続きを進められます。
また「おまとめローンか任意整理かで悩んでいる」という場合もあるかもしれません。
その場合,我々の感覚からすれば,当然任意整理をおすすめします。
おまとめローンは問題の先送りにすぎないからです。
ただし,事業者の場合は,おまとめローンによって経営を立て直す目的がある場合もありますので,メリット・デメリットを考慮して決めていただくと良いと思います。

迷われる場合は,弁護士にご相談ください。

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弁護士村上和也のプロフィール

所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:自己破産(法人・個人)・民事再生・任意整理・通常清算・過払い金返還請求・消滅時効の援用

弁護士からのメッセージ
借金問題を放置しますと,以下のようなデメリットがあります。
・利息や遅延損害金が膨らんで総弁済額が増えてしまう
・提訴されてしまい裁判対応が必要となる
・提訴されて判決まで取られてしまうと,有利な和解をしづらくなる
 このような事態にならないよう,お早めに御相談ください。

弁護士に御依頼いただくことで,以下のようなメリットがあります。
・期限の利益を喪失し,一括請求されていたとしても,分割払いが可能となります
・将来利息をカットした有利な分割払いが実現することがあります。
・個人再生手続を採ることで,自宅を残しながら,住宅ローン以外の借金額を圧縮することができます
・自己破産手続を採ることで,借金支払いをする必要がなくなります(但し,税金等公的な債務を除く)
・利息制限法の低い利息に計算し直すことで過払い金が発生し,支払ったお金が戻ってくることがあります
・最終返済時から5年以上経過していた場合,消滅時効を援用することで,借金を法律上消滅させることができます
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