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民法改正 ~瑕疵担保責任から契約不適合責任へ~

2020年06月|不動産, 企業法務, 弁護士コラム, 相続

1 瑕疵担保責任の見直し

平成29年5月26日,民法の一部を改正する法律が成立し(同年6月2日公布),一部の規定を除き,令和2年(2020年)4月1日から施行されています。

民法改正により,売買契約における瑕疵担保責任の規定は大幅に見直されましたので,以下,主な変更点をご説明致します。

2 「瑕疵」から「契約不適合」へ

改正民法においては,現行民法の「瑕疵」という文言は使われなくなり,「引き渡された目的物が種類,品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるとき」との文言に変わりました。これは,「瑕疵」が物理的瑕疵だけではなく心理的瑕疵も含む幅広い概念であることを踏まえたもので,従前の解釈を積極的に変更するものではありません。

瑕疵の存否は,契約の趣旨を踏まえて目的物が有するべき品質,性状等を確定した上で,引き渡された目的物があるべき品質に適合しているかの判断によります。

3 民法改正による主な変更点

(1)対象が特定物に限られないことに

改正前民法においては,瑕疵担保責任の対象は特定物に限られるものとされていましたが,民法改正により,特定物であろうと,不特定物であろうと,契約不適合責任が適用されることになりました。

(2)原始的瑕疵に限られないことに

改正前民法においては,瑕疵担保責任における「瑕疵」とは,原始的瑕疵(契約時点までに発生した瑕疵)に限られていましたが,民法改正により,契約履行時までに瑕疵が発生した場合には,契約不適合責任を負うことになりました。

(3)買主側の法的手段

改正前民法においては,瑕疵担保責任によって買主が責任追及できる手段は,契約目的を達成できない場合の「解除」と損害賠償だけでしたが,民法改正により,追完請求及び代金減額請求が可能になりました。以下,簡単に説明致します。

ア 買主の追完請求権

(ア)買主の追完請求権に関する規定

 改正前民法においては,瑕疵担保責任が「原始的」瑕疵がある場合の規定であったことから,追完請求権の規定はありませんでした。

売主は,売買の目的となった特定物を現状のまま引き渡せば足り,特定物に不具合があったとしても,売主はなすべき給付を履行している以上,買主は追完を求めることはできないとされていたからです。

 しかし,改正民法においては,瑕疵担保責任を債務不履行責任の特則と位置付ける立場から,買主の追完請求権に関する規定が設けられています。

(イ)追完請求権の要件

 買主は,売主の帰責性の有無を問わず,追完請求権を行使することが可能になりました。目的物が種類物又は中古車等の代替可能な特定物であれば,修理や代替物の取得に多大な費用が掛かるなどの事情がない限り,買主の追完請求権が認められます。

 もっとも,売主の追完義務が履行不能になっている場合には,追完は事実上不可能ですから,追完請求権を行使することはできません。

 但し,契約不適合が買主の責任による場合,買主は追完請求権を行使することができません。

(ウ)追完方法の選択

 追完方法については,目的物の修補,代替物の引渡し,不足分の引渡しと定められており,追完方法は一次的には買主の選択に委ねられています。

 但し,売主の選択する追完方法が買主に不相当な負担を課すものでない場合,売主は,買主の選択とは異なる方法で追完することができます。

イ 買主の代金減額請求権

 現行民法では,数量不足及び権利の瑕疵の一部についてのみ,買主の代金減額請求権が定められていましたが,民法改正によって,買主は,物・権利いずれの契約不適合があった場合でも,売主の帰責性を問わず,代金減額請求が可能になりました。

 代金減額請求権は,契約の一部解除と同様の機能を営むため,代金減額請求を行うには,原則として,先に相当の期間を定めて追完を催告し,当該期間内に追完がないことが必要です。但し,①追完が不能な場合,②売主が追完を拒絶する意思を明確に示した時,③定期行為について売主が追完をせずに時期を経過したとき,④その他催告をしても追完の見込みがないことが明らかな場合は,追完不要とされています。

 契約不適合が買主の責任による場合,代金減額請求ができない点は,追完請求権の場合と同様です。

ウ 解除権及び損害賠償請求権

(ア)解除権

 現行民法では,解除権の要件として,5632項及び565条の場合,①残存する部分のみであれば買主が買受けなかったこと及び②買主の善意が,566条及び570条では,ⓐ契約目的を達成することができないこと及びⓑ買主の善意が規定されています。

 もっとも,民法改正によって,現行民法の条文は全て削除され,買主の解除権発生の要件は,債務不履行の一般原則に委ねられました。

したがって,売主は,買主の解除に対しては,契約不適合が軽微であることを主張して,解除の効力を争っていくことになります。なお,契約不適合が軽微であることの主張・立証責任は売主の負担となります。

 また,買主は,①売主の追完義務が履行不能であるかまたは履行の追完を拒絶する意思を明確に示しており,残存部分のみでは契約目的を達成できないとき,②その他追完の催告をしても契約目的を達するに足りる追完を受ける見込みがないときなどには,売主に対して無催告解除を行うことが可能です。

(イ)損害賠償請求権

 改正民法では,損害賠償請求権の要件・効果は債務不履行の一般原則に委ねられているため,要件としては売主の帰責事由が必要になり,効果としては履行利益の賠償まで認められることになります。すなわち,契約不適合が存在する場合であっても,それが契約及び取引の社会通念に照らして売主の帰責性によるものではない場合,売主は免責されることになります。

 なお,改正民法では,「数量」の不適合の場合,一般の消滅時効によって規律されることになります。これは,数量の不適合は,売主にとって比較的容易に判断できるため,売主の期待を保護する必要性に乏しいからとされています。

(4)担保責任の期間制限

目的物の種類・品質の契約不適合の場合,買主は,契約不適合を知ってから1年以内に不適合を通知しなければ,権利行使ができないものとされています。

現行民法では,「契約の解除又は損害賠償の請求」という権利の行使を1年以内にする必要があったのに対し,民法改正によって,「不適合の事実の通知」に緩和されました。また,売主が目的物を引き渡す際に,不適合の事実について悪意・重過失であった場合,買主は同期間経過後も失権しません。

なお,改正民法では,「数量」の不適合の場合,一般の消滅時効によって規律されることになります。これは,数量の不適合は,売主にとって比較的容易に判断できるため,売主の期待を保護する必要性に乏しいからとされています。

 

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