門真市にお住まいの独居男性から,遺言を作成したいとの御相談がありました。
ご家族構成としては,最近配偶者妻が死亡し,子が居ないため,法定相続人は兄弟姉妹だけだが,皆それぞれ経済的に独立している。それゆえ,兄弟姉妹を気にすることなく遺言内容を決めることができる,とのことであり,希望する遺言書の内容としても,お世話になった方に,全ての遺産を譲りたい,ということでした。
まず,自筆証書遺言と遺言公正証書,どちらの遺言を作成すべきかを検討しました。
上記のとおり,遺言の内容がシンプルでしたので,自筆証書遺言が良いと考えました。自筆証書遺言だと,費用がかからないメリットもあります。また,実際問題として,遺言者は高齢であり,必要書類の収集に時間がかかる遺言公正証書は適さないと思料されました。
次に,不動産の有無を調査しました。お伺いしましたところ,遺言者は自宅(土地及び建物)を所有されているとのことでしたので,実際に,不動産登記簿を取得して,確認しました。
そこで,遺言執行者を指定する一文を入れていただくことにしました。
こうして,自筆証書遺言という方針が決まり,かつ,内容も固まりましたので,当職において,御自宅に出張相談をさせていただきました。
自筆証書遺言を作成する用紙は,法律上定められているわけではありませんので,お手持ちの便箋を使っていただきました。
筆記用具についても,鉛筆は不可ですが,ボールペン等消えないものであれば何でも良いため,遺言者が使い慣れているボールペンを使用していただきました。
内容的には,事前に御相談を受けていたとおり,お世話になった方に,全遺産を譲る(「遺贈する」と記載します)という内容です。ここはスムーズにお書きいただきました。
もっとも,遺言執行者を指定する一文は,少々長く,かつ,書きなれない文字もあるため,誤記が目立ちました。自筆証書遺言の作成中に誤記があると,訂正するためには,①訂正する箇所を二重線で消し,その近くに訂正後の文字を記入し,②(訂正前の文字が読めるように注意しながら)訂正箇所に押印し,③訂正箇所の欄外に,「●字削除 ▲字加入」と記入し,その下に遺言者の署名が必要になりますので,ハードルが高くなります。
そこで,本遺言者については,遺言執行者の指定文言を入れずに作成することにしました。
遺言執行者の指定文言が無かったとしても,相続発生後に,受遺者が家庭裁判所に対して,遺言執行者の選任申立てをして,選任してもらうことも可能ですので,その旨,ご説明させてただきました。
作成後は,当職が持参した封筒をお使いいただき,表面に「遺言書」を,裏面に日付と署名を,御記載いただき,封入していただいたあと,当職が預かり保管することとなりました。
遺言者は,自筆証書遺言を作成し,当職に預けられたあと,安堵の表情をされていました。
守口門真総合法律事務所では,このように,御自宅に出張して自筆証書遺言の作成サポートもしておりますので,御関心がある方は,いつでもお気軽にお問い合わせください。
弁護士村上和也のプロフィール
所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言・相続(遺産分割・遺留分・遺言執行)・成年後見
講演歴:①「今日から始める相続対策」(終活セミナーでの講演)
②「相続・遺言・遺留分・金銭管理・成年後見」
(地域包括支援センター家族介護教室での講演)
③「金銭管理・成年後見・個人情報保護」
(認知症サポーター養成講座での講演)
弁護士からの一言
・早い段階で御相談いただくほうが良い解決につながることが多いですから、ささいなことでも結構ですので、お早めにお問い合わせください。
・相続問題は、遺産分割調停・遺留分減殺請求訴訟等、様々な紛争を扱う、紛争処理のプロである弁護士に御相談ください。
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