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親の面倒をみる場合に気を付ける点は?介護した場合の相続はどうなる?

2021年01月|弁護士コラム, 相続

守口門真総合法律事務所の弁護士村上和也です。
「介護等で親の面倒をみる場合に、気を付けるべき点はどのようなことでしょうか」と、よく御相談を受けますので、本日はこの点の解説をさせていただきます。

親への扶養義務とは?

親の介護を子どもが行うことは、「扶養義務」にあたります。
民法では、「一定範囲の親族同士で、経済上や心身上の理由などにより自力で生活することができない親族がいる時には、その人の支援をしなければならない」と定められています。

扶養義務を負う親族の範囲については、原則「直系血族」「兄弟姉妹」となっているため、直系血族(子ども、孫など)が、親や祖父母の介護を行うことは、自然なことと捉えられます。
もちろん、夫婦間にも扶養義務があるので、配偶者が介護をするパターンも珍しくありません。

扶養義務の内容について

扶養義務には、「身上の面倒をみる」「経済的な支援をする」の2種類があります。
身の上の面倒をみる場合、同居する以外に、老人ホ ームを選ぶことも該当します。

扶養義務については、本人の希望にもよりますが、経済的な支援だけでも法的には問題がありません。
扶養義務を負う人(子どもや孫)が、「収入などに応じた生活ができる範囲で、親や祖父母を支援すればよい」と考えられているからです。

親族間で誰がどのような扶養義務を負うか、話し合いでまとまればよいですが、上手くいかない場合もあります。 その場合は、家庭裁判所に申し立てて決めることも可能です。

介護と相続について

現在日本国内では4人に1人が65歳以上の高齢者であり、2035年には3人に1人の割合に増加するほどの高齢化社会になっています。
人間誰しも老化は避けられず、いつまでも元気でいてほしい親も介護が必要になる日は突然やってきます。

有料老人ホームなどの介護施設に入居できればいいのですが、経済的事情や入居希望者多数で順番待ちになるなど、スムーズに行かないことも多いはずです。

そういった場合、兄弟の1人が親と同居して介護するという選択肢はよく選ばれます。

兄弟のひとりがメインで介護をした場合の相続は?

相続が発生した際、兄弟の1人が同居して親の介護をしていた場合は、トラブルになりがちです。
揉めない相続を実現するためには、他の兄弟と事前に話し合いをしておくことが重要です。

しかし、親を介護している段階で将来の相続の話をすることは、「財産目当ての介護なのでは?」と思われそうで、なかなか気の進むものではありません。

それでも、親の介護に伴い、事前に相続財産について話し合うことはとても大切なのです。
なぜなら、現実の介護は生易しいものではないからです。

身体が不自由になった親の食事や排泄の補助程度であれば可能、という方はいらっしゃるでしょう。
育ててくれた感謝の気持ちがあれば、容易とまでは言えないにしても、何とか対応していけるだろうと思います。

しかし、認知症を発症してしまうと、徘徊や異食症や暴力行為等に繋がることもあり、そうなるとそれまでの何倍にも苦労は増えます。

徘徊の場合は、警察に行って身柄を引き受ける苦労を余儀なくされます。
ご飯を食べさせても、それを忘れて1時間後にまたご飯を催促されるようなこともあります。

時には、自分で財布を置き忘れて見つけられないような時に「盗ったでしょう!?」と疑われることもあると聞きます。

そうすると、時には仕事を辞めて介護に専念しなければいけない状況にまでなります。
このような過酷な介護は、年数が決まっているわけではありません。
終わりなき介護に疲れ果てしてしまう方も増えていますし、なかには精神を患ってしまう方もいます。

またよくあるトラブルとして、介護される親がたまに顔を出してくれる他の兄弟にかまって欲しいと思うあまり、介護している者の悪口や不満を言ってしまうということがあります。

当然、親の不満を聞いた兄弟は、介護している兄弟に対して不信を抱くでしょう。
そして、現実に日々介護している兄弟は、やるせない思いになったり、腹立たしく感じたりしてしまい、関係が悪化してしまうのです。

親の介護で兄弟間トラブルを起こさないための具体策

兄弟関係を悪化させないために、一方が同居して介護をする際には具体的に次のようなことを事前に話し合っておくべきでしょう。

1、寄与分の認定や遺産分割協議のために準備をしておく

寄与分とは、被相続人の財産の維持または増加に貢献した場合に、その貢献の度合いに応じた金額を法定相続分に加えてもらうことのできる制度です。

子どもが親を介護することは法律上当然の義務であって、形式的には財産の維持・増加に貢献しているわけではありません。
そのため、相続の際に介護の功績は過小評価されることが多いのが現状です。
財産目当ての気持ちは全くないとしても、苦労して介護を続けた者が相続財産について他の兄弟と等分であることに不満を持つのは、人間感情として十分に理解できるものです。

そこで、親の財産を混合しないように明確に通帳を分けたうえで、兄弟の1人が介護することで浮いた費用(有料老人ホーム入居費用やペルパー費用)を計算したり、介護のためにかかった費用の家計簿をつけたり領収書を保管したり、できる範囲で記録を残しておくことをおすすめします。

たとえ法律的には寄与分が認められなくとも、このように客観的な証拠を残しておくことで、遺産分割協議の際に兄弟間の話し合いが感情論にならずに済むはずです。
そして、実質的に公平な遺産分割協議が実現する可能性が高くなります。

2、遺言書を書いてもらう

親が認知症になる前の段階で、遺言書を書いてもらうことも有益です。
遺言書という大それたものでなくとも、普段のやり取りのなかで日頃の介護を感謝する手紙やメモを残してもらってください。
書面に残しておくことで、介護をしていない他の兄弟も「親の言うこと」として納得しやすいはずです。

また、生前贈与を受けている場合は、遺言のなかに「生前贈与した財産は、相続財産に戻さないように」と加えてもらうと「持ち戻しの免除」となります。
その結果、生前贈与を受けた財産を遺産から除外して、あまりの遺産のみを分割対象にすることができます。

このように、遺言書・生前贈与及び持ち戻し免除により、実質的に公平な遺産分けが実現できるようにしたいものです。

弁護士村上和也のプロフィール
所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言・相続(遺産分割・遺留分・遺言執行)・成年後見
講演歴:①「今日から始める相続対策」(終活セミナーでの講演)
    ②「相続・遺言・遺留分・金銭管理・成年後見」
(地域包括支援センター家族介護教室での講演)
③「金銭管理・成年後見・個人情報保護」(認知症サポーター養成講座での講演)

弁護士からの一言
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