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相続財産に当たるものは?相続方法や相続放棄のポイントも含めて解説

2022年02月|弁護士コラム, 新着情報, 相続

【目次】

  • ・どんなものが相続財産になる?
  • ・相続税の課税対象になるものは?
  • ・相続税の計算は自分でもできる?
  • ・相続税が高すぎてマイナスになるということはある?
  • ・借金などのマイナスの財産も相続しなくてはいけない理由
  • ・相続にはどのような方法がある?
  • ・相続放棄をしたことを他の相続人にも伝えるべき?
  • ・相続放棄をする場合いつまでに決断が必要? タイムリミットは?
  • ・まとめ

「相続」と聞くと、難しそうな印象を持つ方も多いのではないでしょうか。
しかし、親や配偶者などが亡くなった時に、相続は避けては通れない問題です。
今回は、どのようなものが相続財産となるのか、相続にはどのような方法があるのか、相続放棄をする場合のポイントなど、弁護士としての経験を踏まえながら、基本的なポイントをまとめました。
ぜひ参考にしてください。

どんなものが相続財産になる?

民法第896条本文に「被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する」と規定されているとおり、「権利」のみならず「義務」も相続します。
前者は、不動産・預金・現金・有価証券等。
後者は、借入金・住宅ローン・損害賠償義務等です。
保証人としての地位も相続するため、保証債務も含みます。
但し、従業員としての労務提供義務・映画を撮影する債務・カメラマンが撮影する債務等は、その人自身が履行しないと意味が無い債務ということで、相続されることはありません。この点につき民法は、「被相続人の一身に専属した財産」は相続されない、と規定しています。

相続税の課税対象になるものは?

プラスの財産(積極財産)からマイナスの財産(消極的財産)を差し引いて、遺産総額を決めます。
葬儀費用も遺産総額から差し引くことが可能です。
そのうえで、遺産総額から基礎控除額を差し引いたものが、課税対象になります。
なお、基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」です。

相続税の計算は自分でもできる?

遺産に不動産がない場合は、自分で相続税の計算ができる可能性もあります。
他方、不動産がある場合は特例の適用により税額が下がりますが、特例は難解です。
自分で計算をすることは難しいので、税理士に依頼されるほうが良いと思います。
また、基礎控除後もなお課税対象となる資産があるような場合も、税理士に依頼されるほうが良いでしょう。
計算方法は、遺産総額から基礎控除額を差し引いて、いったん法定相続分を相続したと仮定して相続税率を適用し「相続税の総額」を算出。
そのうえで、各相続人に配分し、税額控除等を加味して、各相続人の納付税額を算出することになります。

相続税が高すぎてマイナスになるということはある?

遺産よりも相続税が上回ることはありませんので、マイナスになることはありません。
しかしながら、例えば「遺産不動産が1憶円の価値があるが、遺産預金は300万円しかない」というようなケースでは、マイナスではないけれども、納税する預金が足りないという事態は生じえます。
そのような場合は、遺産不動産を売却して売却金を納税するか、不動産そのものを納める(物納する)ことになります。
物納に関しては要件が複雑ですので、税理士の関与が不可欠です。

借金などのマイナスの財産も相続しなくてはいけない理由

プラスの財産を相続する場合は、マイナスの財産も含めて「一切の権利義務」(民法第896条)を相続することになります。
よって「資産は相続するが、負債は相続しない」と言うことはできません。
また「この資産は相続するが、この資産は相続しない」と言うようなこともできません。

相続にはそどのような方法がある?

相続には「単純承認」「限定承認」「相続放棄」という3つの方法があります。
それぞれの特徴や方法について、解説しましょう。

単純承認

単純承認は、被相続人の資産(積極財産)・債務(消極財産)の全てを相続すること。
積極財産が消極財産を上回る場合に最適な方法です。
以下の3つの場合は、意思表示しなくても、単純承認したものとみなされる(法定単純承認)ので、注意が必要です。
①相続財産の処分、②熟慮期間内に相続放棄等をしない、③相続放棄等をした後に、相続財産を隠匿・消費したりした場合です。

限定承認

限定承認は、相続人が相続によって得た財産の限度で、被相続人の債務の負担を受け継ぐ方法。
「被相続人の債務がどの程度あるか不明であり、債務が相続財産を超過する可能性もある」という場合に最適です。
熟慮期間内に、家庭裁判所に、財産目録を提出して申立てをすることで可能な方法ですが、相続人全員で申立てをする必要がある点には要注意です。

相続放棄

相続放棄は、一切の遺産を相続しない方法。
資産(積極財産)よりも債務(消極財産)のほうが多い場合に最適です。
方法としては、家庭裁判所に対して申立てをすること(財産目録の添付は不要)。
注意点としては、「熟慮期間内の申立てが必要であること」「相続財産の一部のみの放棄はできないこと」が挙げられます。

相続放棄をしたことを他の相続人にも伝えるべき?

第1次相続人が相続放棄をすると、相続の権利は第2次相続人へと移行します。
さらに第2次相続人が相続放棄をすると、第3次相続人へと相続権は移っていきます。
そのため「債務が多いので誰も相続をしない」という場合、第1次相続人が相続放棄した後に、第2次相続人が相続放棄し、その次に第3次相続人が相続放棄をする流れとなります。
例えば、夫が死亡した場合、第1次相続人である妻及び子が相続放棄し、続いて第2次相続人である夫の親が生存している場合はその親が相続放棄をする。
そして、次に第3次相続人である夫の兄弟姉妹が相続放棄をします。

相続放棄を次順位の相続人に伝えるかどうかですが、事案によっては、第1次相続人が相続放棄したことを、第2次相続人に伝えないケースもあります。
伝えないことで、熟慮期間がスタートしませんので、理論上、第2次相続人はいつまででも相続放棄ができることになります。
伝えるか伝えないかはケースバイケースですが、当職の経験則上「将来、次順位の相続人に迷惑をかけたくない、きちんとしておきたい」というケースでは、伝えます。
また、債権回収に勤勉な債権者がいる場合は、第2次相続人に請求していくこともありますので、あらかじめ伝えて、第2次相続人に相続放棄を促すケースもあります。

相続放棄をする場合いつまでに決断が必要? タイムリミットは?

タイムリミットは、「熟慮期間」と言い、相続の発生を知ってから3か月以内です。
もっとも、債権債務が複雑であり、同期間内で相続放棄すべきかどうかを判断できない場合は、期間伸長の申立てが可能で、その場合は3か月間延長してもらえます。
この申立ては、比較的、簡単に認められます。
その3か月内に、信用情報機関に調査をかけたり、郵便物をチェックしたりして、債務の有無を調査して、相続放棄すべきかどうかの判断材料とします。

まとめ

今回は、相続財産となるもの、相続の種類と方法、相続放棄について解説しました。
相続に関して、弁護士に依頼すべきかどうか悩まれる方も多いと思いますが、限定承認は難解な手続ですので、弁護士に依頼されることをお勧めします。
また、相続放棄については、御自身でもできなくはないですが、除籍や戸籍を収集したり、申立書を作成したり、印紙額を調べて購入したり等、かなりの手間が発生します。
また、誤って法定単純承認をしてしまったりすると取り返しがつきません。そのため、相続放棄をする場合も弁護士に相談・依頼されることをお勧めします。

弁護士村上和也のプロフィール

所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言・相続(遺産分割・遺留分・遺言執行)・事業承継・成年後見
講演歴:①「相続・遺言・遺留分・金銭管理・成年後見」(地域包括支援センター家族介護教室での講演)
    ②「今日から始める相続対策」(終活セミナーでの講演)
    ③「金銭管理・成年後見・個人情報保護」(認知症サポーター養成講座での講演)
    ④「成年後見と財産管理における弁護士のかかわり方,法定後見,任意 後見,見守り契約,死後事務委任契約等」
    (介護福祉支援員に対する講演)
    ⑤「意思決定支援」(三市合同社会福祉士連絡会での講演)

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・税理士・司法書士とも連携し,ワンストップサービスを御提供していますので,相続税申告・準確定申告・相続登記についても,御心配は無用です。
・遺言作成や遺産分割協議を数多く手掛けてきており,危急時遺言の作成実績もある数少ない法律事務所です。

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