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自筆証書遺言が無効である,と争われる場合

2021年01月|弁護士コラム, 相続

守口門真総合法律事務所の弁護士村上和也です。
本日は,自筆証書遺言が無効である,と争われる場合について,解説します。

このような事例を考えてみてください。
父が死亡し,法定相続人は母,長男(相談者),次男の3名である家族があるとします。
ここで,父から次男に全部相続させる内容の自筆証書遺言があり,次男が保管していた,というものです。
もっとも,生前の父と次男の関係性からすると,父が,次男に対して全遺産を相続させるという内容の遺言を書くわけがない,しかも,遺言書作成日の時点では父は認知能力が低下しており作成するような心身の状態では無かった,そのような事例を想定してみてください。

このような状況下でしたので,長男(相談者)が,弁護士に依頼して,その自筆証書遺言は無効であることを主張しました。無効の理由としては,①自筆証書遺言は偽造である,②偽造ではない(父が書いた)としても,遺言能力が無かった,という2点です。

ただ,万一,自筆証書遺言が有効であった場合に備えて,次男に対して,遺留分侵害額請求権も行使します。この権利行使は,あとで行使の事実を立証する必要があるので,内容証明郵便を使います。

長男(相談者)の相続分を具体的に分析しますと,まず,①遺留分侵害額は,法定相続分(4分の1)の2分の1ですから,8分の1です。次に,②自筆証書遺言が無効であることの理由が,遺言能力の不存在である場合は4分の1です。他方,③自筆証書遺言が無効であることの理由が,次男による偽造であれば,次男は欠格事由があるため相続権を失う結果,2分の1となります。

このように,ケースによって長男(相談者)の相続分は大きく異なってきます。

そこで,長男(相談者)からの依頼を受けた弁護士としては,まず,自筆証書遺言が次男により偽造されていないか調査するために,被相続人かつ遺言者である父の筆跡と次男の筆跡とを照合します。

具体的には,弁護士会が提携している筆跡鑑定業者に,簡易鑑定を依頼します。簡易鑑定ですから,費用は10万~20万円程度です。

その際は,自筆証書遺言と,父の筆跡サンプルと,次男の筆跡サンプルとを,筆跡鑑定業者に送付します。サンプルは多い程,鑑定の精度が高まり,また,コピーより原本を送るほうが,鑑定精度が高まります。

そして,事前調査の結果をみて,他方,偽造の可能性が高そうであれば,遺言書が適法に作成されていないことを理由とする遺言無効確認調停を申立てします。いきなり裁判することはできずに,先に調停を申立てる必要があります(調停前置主義といいます)。もっとも,調停において,偽造者が偽造を認める可能性は低いでしょうから,調停は不調に終わります(なお,不調で終わることがほとんどですから,裁判所に対して上申をすれば,調停申立てをすることなく,いきなり遺言無効確認訴訟を提起できることもあろうかと思います)。

そこで,弁護士としては,遺言無効確認訴訟を提起します。訴訟においては,裁判所から選任された鑑定人に,筆跡鑑定をしてもらいます。費用は50万円程度かかることが多いです。

そして,次男による偽造という鑑定結果が出れば,次男は欠格事由があるため相続権を失う結果,長男(相談者)は遺産の2分の1を取得できることになります。

他方,偽造の可能性が無さそうであれば,遺言能力が不存在であることを理由とする遺言無効確認の調停申立てをします。遺言能力が存在するかどうかは,カルテ・診断書・看護記録・介護保険認定に関する資料(認定調査票・主治医意見書・要介護認定結果・介護保険費通知書)等から判断します。

その判断結果として,遺言能力が不存在であれば,長男(相談者)の相続分は4分の1であることを前提に,遺産を分割することができます。

他方,遺言能力が存在していれば,自筆証書遺言が有効であることを前提に,遺留分侵害額請求権を行使し,遺産の8分の1相当額の遺産を取得します。
相続について気になることがありましたら,ぜひ気軽にご相談ください。

弁護士村上和也のプロフィール
所属:大阪弁護士会
重点取扱分野:遺言・相続(遺産分割・遺留分・遺言執行)・成年後見
講演歴:①「今日から始める相続対策」(終活セミナーでの講演)
    ②「相続・遺言・遺留分・金銭管理・成年後見」
     (地域包括支援センター家族介護教室での講演)
    ③「金銭管理・成年後見・個人情報保護」(認知症サポーター養成講座での講演)

弁護士からの一言
・早い段階で御相談いただくほうが良い解決につながることが多いですから,ささいなことでも結構ですので,お早めにお問い合わせください。
・相続問題は,遺産分割調停・遺留分減殺請求訴訟等,様々な紛争を扱う,紛争処理のプロである弁護士に御相談ください。

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