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相続は「いつまでに何をするか」が大事-弁護士が教える手続きの全体像

2025年12月|弁護士コラム, 相続

はじめに:相続は“あとで考える”では間に合わない

守口門真総合法律事務所の弁護士、村上です。

相続のご相談を日々お受けする中で、
「そんな期限があるとは知りませんでした」
「もっと早く相談すればよかった」
という声を、本当によく耳にします。

親の相続について、次のような不安はありませんか?

  • 親が亡くなったが、何から手をつけていいかわからない
  • まだ元気だが、将来の相続が不安
  • 兄弟姉妹で揉めないか心配

相続は、財産の話であると同時に、期限がはっきり決まっている手続きでもあります。
「あとで考えればいい」と思っているうちに、選べたはずの選択肢が消えてしまうことも少なくありません。

今回のコラムでは、11月19日に開催した「遺言相続の基本」セミナーの内容をもとに、
相続手続きの全体像と、特に注意すべき期限について、弁護士の立場からわかりやすく解説します。

相続が始まったら、まず知っておくべき「全体の流れ」

人が亡くなると、相続手続きは自動的に始まります。
しかし多くの方が、「何から始めればいいのか」が分からないまま、時間だけが過ぎてしまいます。

相続の流れを大まかに整理すると、次のようになります。

  • 相続の開始(死亡)
  • 相続人の調査・確定
  • 財産(遺産)の調査・把握
  • 相続するかどうかの判断
  • 遺産分割協議
  • 名義変更・解約などの実行

この中で特に重要なのが、期限が定められている手続きです。

【重要】相続手続きの5つのデッドライン

相続では、次の期限を必ず意識する必要があります。

相続手続きのチェックリスト

  • 3か月以内
     相続放棄・限定承認
     → 借金が多い場合などは特に重要
  • 4か月以内
     準確定申告
     → 亡くなった方が自営業・不動産所得があった場合は要注意
  • 10か月以内
     相続税の申告・納付
     → 1日でも過ぎると、延滞税などのペナルティが発生することもあります
  • 1年以内(遺留分侵害を知ったときから)
     遺留分侵害額請求
     → 不公平な遺言に対抗するための期限
  • 3年以内
     相続登記(※2024年4月から義務化)
     → 正当な理由なく放置した場合、10万円以下の過料の対象となる可能性があります

 ポイント:
「最近は“相続登記が義務になった”ことをご存じない方も多いですね。
  相続は『終わったつもり』が一番危険です。」

「準確定申告」を見落としてはいけない理由

相続というと、相続税ばかりが注目されがちですが、
準確定申告(4か月以内)を忘れてしまう方も少なくありません。

準確定申告とは、亡くなった方の所得税を、相続人が代わりに申告する手続きです。

特に注意が必要なのは、次のようなケースです。

  • 自営業をしていた
  • 不動産収入があった
  • 年金以外の収入があった

「自分には関係ないと思っていたら、実は対象だった」という相談も珍しくありません。

10か月を過ぎると起きる、現実的な問題

相続税の申告期限である10か月は、想像以上に短い期間です。

相続人が複数いる場合、

  • 相続人の確定
  • 財産の調査
  • 遺産分割協議

これらを進めているうちに、期限が迫ってきます。

セミナーでも紹介しましたが、
遺産分割がまとまらないまま10か月を過ぎてしまい、
一旦、法定相続を前提に多額の相続税を納めることになったケースもあります。

あとから分割が決まっても、納税時点での資金繰りが大きな負担になることは少なくありません。

「遺留分」とは何か

遺留分とは、一定の相続人に法律で保障された「最低限受け取れる相続分の権利」です。

たとえば、

  • すべてを特定の相続人に相続させる遺言
  • 配偶者や子が極端に不利になる内容

このような場合でも、遺留分を請求できる可能性があります。

ただし注意点があります。
自分に不利な遺言があることを知ってから1年以内に、
意思表示をしなければ、この権利は失われてしまいます。

ポイント:
「裁判を1年以内に終わらせる必要はありません。
まずは“期限内に動いたかどうか”が重要です。

具体的なお話としては内容証明を発送する必要が有ります」

なぜ相続はこじれやすいのか

相続は、法律だけで割り切れる問題ではありません。

  • 介護をしてきた人の不満
  • お金に対する価値観の違い
  • 「そんな話は聞いていない」という感情

こうした思いが絡み合うと、話し合いは一気に難しくなります。

だからこそ、
感情が表に出る前に、全体の流れと期限を把握しておくことが非常に重要なのです。

弁護士からのメッセージ

こうした背景から、相続は「法律の知識」だけでなく、
進め方そのものが結果を左右する分野だといえます。

相続相談で多いのは、
「もう少し早く相談していれば、選択肢があったのに」というケースです。

相続は、問題が起きてから対応するものではありません。
期限を意識し、先を見据えて動くことが、トラブルを防ぐ最大のポイントです。

まずは「自分の目の前の課題が、どの期限に当てはまるか」を確認してください

  • すでに相続が始まっている方
  • 将来の相続に不安を感じている方

どの期限が関係してくるかは、人によって異なります。
「まだ大丈夫」と思わず、まずは一度、ご自身の状況を整理することをおすすめします。

相続や遺言について、「今どの期限にいるのか分からない」という段階でも構いません。
どうぞお気軽に守口門真総合法律事務所までご相談ください。

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