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事業承継について―会社の10年後の将来像について語り合える後継者候補はいますか。

2020年02月|企業法務, 弁護士コラム

1 「人手不足」関連倒産

2020年1月,東京商工リサーチは,2019年の企業の倒産状況につき,「人手不足」関連倒産は426件(前年比10.0%増)で,調査開始以来最多を記録したことを発表しました(http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200109_01.html)。「人手不足」関連とは,代表者や幹部役員の死亡等による「後継者難」(270件。構成比63.3%)をはじめとし,「求人難」(78件。構成比18.3%),「従業員退職」(44件。構成比10.3%),「人件費高騰」(34件。構成比7.9%)と続いています。

「人手不足」関連倒産の増加傾向をみると,事業の継続ができるにもかかわらず,後継者等の人材を確保することができずに,廃業を選択せざるを得ない状況が増加している実態があります。廃業となると,これまでの事業運営で培ってきた貴重な経営資源が失われてしまうことになります。

2 中小企業の経営者の約4割が65歳以上

そして,現在,中小企業の経営者のうち,65歳以上の経営者が全体の約4割を占めており,今後数年で,多くの中小企業が,事業承継にあたって,後継者問題に直面するといって過言ではありません。

取引先とのつながりや経営に関する様々なノウハウ,従業員などの貴重な経営資源を守りながら,中小企業が活躍していくためには将来を見据えた計画的な事業運営が欠かせません。中小企業が今後も事業を継続・発展させていくために,次世代にスムーズに「事業承継」を進めることが必要となってきています。

スムーズな事業承継のためには,自社株式の取得に伴う相続税や贈与税の負担,経営権の分散リスク,事業承継後の資金繰りなどの様々な課題に対応することが求められます。

3 事業承継に伴う経営権の分散リスク

会社の経営権を安定させるためには,後継者に集中的に自社株式を承継することが望ましいですが,何らの対策をしなかった場合,遺産分割協議の結果やほかの相続人からの遺留分減殺の請求によって,自社株式の保有者が分散してしまうリスクがあります。

4 経営権分散を防止する事前の対策

① 先代経営者から後継者へ生前贈与

自社株式の分散を防止するための最もシンプルな方法は,経営者が生きているうちに後継者へ承継を進めておくことです。

自社株式の生前贈与には,贈与税が課税されますが,暦年課税制度や,相続時精算課税制度,事業承継税制を活用することで,贈与税の負担軽減を図ることが可能です。

 

② 安定株主(役員・従業員持株会)の導入

後継者が総ての株式を取得することが税負担の問題で困難な場合,他の者に承継させることとなります。このような場合には,基本的に現経営者の経営方針に賛同し,長期間にわたって保有を継続してくれる株主(安定株主)を導入する方法があります。候補としては,役員・従業員持株会などが挙げられます。

 

③ 遺言の作成

先代経営者が遺言を残しておくことは,相続争いや遺産分割のトラブルを回避することに有効です。先代経営者の意思に適った相続を期待することができます。

遺言を作成するには,法律上の要件を満たしている必要があるほか,相続させる対象を特定する必要があります。

 

④ 遺留分減殺請求を踏まえた生前対策

遺言を作成していても,後継者となる相続人だけにすべての財産を相続させて,それ以外の相続人には一切相続させないというような遺言の場合には,後継者以外の相続人から遺留分減殺請求がなされる可能性があります。遺言を作成する際には,遺留分減殺請求の権利を有する相続人に配慮する必要があります。

また,遺留分減殺請求にかかる紛争防止のため,中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律では,遺留分に関する民法の特例が設けられています。

後継者を含めた推定相続人全員の合意の上で,先代経営者から後継者に贈与等された自社株式について,一定の要件を満たしていることを条件に,遺留分の算定の基礎となる相続財産から除外したり,株式の評価額を固定したりするなどの取り決めが可能となっています。これにより,後継者が確実に自社株式を承継することができます。

 

⑤ 種類株式の発行

経営者の相続財産の大部分を株式が占める場合,後継者に株式を集中させると,他の相続人から遺留分の主張が行われる可能性があります。おこで,後継者には,普通株式を相続させ,他の相続人には無議決権株式を相続させることで,遺留分減殺請求による株式(議決権)分散リスクの低減を図ることができます。

5 その他の対策

事前の対策には,上記のほかに,信託の活用や,持株会社の設立といった対策もあります。

株式などが分散してしまった後の事後的な対策としては,自社株買いに関するみなし配当の特例を活用して,会社法上の制度として相続人等に対する売渡請求,特別支配株主による株主等売渡請求などの手段をとることもできます。株主の把握のために名義株・所在不明株主の整理などを行う必要があるかもしれません。

6 事業承継の相談は守口門真総合法律事務所へ

守口門真総合法律事務所では,事業承継に関するご相談を承っております。上記のとおり,事業承継は専門的知識を要し,また一朝一夕で完成するものではなく,長期的な視点で検討する必要があります。

弁護士は,事業承継を検討するにあたり,経営権の分散リスクに対する事前の対策をとることができます。対策をとる事前の相談から,事前対策の実施,事業承継を実施するに際しての法的問題点の抽出,解消につき支援することができます。また,中小企業や経営者の代理人として,事業承継を進めるにあたり,金融機関や株主,従業員等の利害関係者への説明・説得を行い,円滑な事業承継を進める役割を担います。

守口門真総合法律事務所では,協力税理士がおりますので,事業承継に関するご相談についてワンストップにてお受けすることができます。

 

本テーマの副表題「―会社の10年後の将来像について語り合える後継者候補はいますか。」について,候補者候補がいる方もいない方も,ぜひ守口門真総合法律事務所へご相談ください。

 

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