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保証会社に解除権を付与する条項の適法性

2019年08月|不動産, 弁護士コラム

賃貸借契約と,これに伴う保証契約とは,本来,別個の契約となります。しかし,ほとんどの場合,同時に締結されており,相互に密接な関係を有している契約といえます。

今回は,家賃債務保証会社による賃貸借契約の解除権を認める契約条項が違法ではないとされた裁判例(大阪地裁令和元年6月21日判決)をご紹介します。

この判断が維持されれば,家賃滞納等が発生した場合の対応につき,家賃債務保証会社だけでなく不動産オーナーを含めた賃貸業界への影響が大きいと考えられます。裁判自体は,当事者双方から控訴が検討されているため,今度の動きに注目です。

1 家賃債務保証会社の説明

家賃債務保証業者とは,一般に,賃貸借契約において,賃貸人と賃借人との契約締結の際に,家賃債務保証業者が予め用意した契約用紙を用いて,賃借人との間で家賃債務保証委託契約を締結し,また,賃貸人との間で家賃債務保証契約を締結して,賃借人から委託保証料を受領する。その後,家賃滞納などが発生した場合,賃貸人からの請求に応じて滞納家賃に係る保証債務を履行し,その前後に,賃借人に対して保証に基づく求償権を行使しその支払いを受けるという業務を行っている会社です。

賃貸人としては,所有建物を賃貸するにあたって,賃借人の賃料不払いによる未収リスクを抱えているところ,家賃債務保証業者と家賃債務保証契約を締結したときは,当該業者から迅速,確実に滞納家賃を回収することができ,その賃料の未収リスクを大幅に低減することができます。

賃借人としては,家賃債務保証業者に保証委託をすることで,賃借人自身の資力を補う信用供与を受けることができ,よって住居となる建物を賃借することが容易となります。

このように家賃債務保証契約には,賃貸借契約の当事者双方にメリットがあります。

2 問題とされた契約条項の概要

第13条(保証受託者等の賃貸借契約解除権)

保証会社は,賃借人が支払いを怠った賃料等の合計額が賃料3カ月以上に達したときは,無催告にて賃貸借契約を解除することができる。

 

この契約は,もととなる賃貸借契約の存在を前提として,保証会社と賃貸人との間で締結される連帯保証契約,保証会社と賃借人との間で締結される保証委託契約等の複合契約と解され,上記賃貸借契約解除権などの賃貸借契約の債務の履行に関する条項は,賃貸借契約に基づいて賃貸借契約当事者が負う権利義務自体に変容をもたらすものであって,賃貸借契約の特約と解釈されます。

本件では,この特約が,無催告での解除を認めている点と,賃貸借契約の当事者以外の保証会社に解除権限を認めている点とで,消費者契約法に違反して無効ではないかが争われました。

3 今回の裁判例の判断のポイント

まず,賃貸借契約解除権の発生について,賃借人が賃料等の支払いを賃料3か月分以上怠り,これがため賃貸借契約を解除するにあたり催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情が存する場合に限り,保証会社が無催告で解除権を行使することができる旨を定めた規定であると限定解釈しました。

そして,賃貸借契約解除権の定めは,賃貸人と保証会社との利害関係に関わって,賃料不払いが継続したときに賃貸借契約を継続させるか否かの判断及び決定権限を,賃貸人だけでなく保証会社にも付与するものとみることができ,保証債務の未収リスクを負担する保証会社に,自ら負担するリスクをコントロールすることができる権限を与えることは不合理なことではないと指摘しました。他方,賃借人としても,解除権が発生するのは上記限定解釈された場合であるため,もともと賃貸人から解除を求められたならば賃貸借契約は解除され終了させられるという不利益を受任せざるを得ない地位にあります。

そのため,賃貸借契約解除権の定めは,消費者契約法に違反しないとしました。

4 コメント

弊所でも,賃貸人が行方不明となり,保証人が賃貸人から滞納賃料の請求を求められ,また賃貸借契約の解除や建物の明渡しを求められた案件がありました。

今回の裁判例で認められたように,保証人が賃貸借契約の解除をする権限をもっていれば,滞納賃料が蓄積するまえに早期の対処をすることで,保証人にとっても最低限の負担とすることができます。

今後は,個人保証人は,極度額の定めが置かれることとなりますし,賃借人の不払いが長期間放置された場合には,保証人からの保証契約の解除が認められたり,保証債務の請求が権威の濫用として否定されたりすることもあります(横浜地裁平成31年1月30日判決。判タ1460号191頁)。

賃貸借契約における保証契約を見直す必要が生じてきているといえます。

 

 

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