1,被相続人の死亡,遺産の状況
被相続人が死亡し,法定相続人は,兄弟姉妹が6人,甥姪(代襲相続人)が5人の合計11人という事例でした。
被相続人の遺産としては,まず,預金は数万円しかなく,また,遺産不動産(自宅の土地建物)がありましたが,門真市の連棟で,老朽化した建物の解体費用を考慮すると高い資産評価ができるものではありませんでした。他方,負債としては,ある信販会社への未払クレジット債務が百数十万円存在することはわかっていましたが,それ以外の負債状況が明らかではありませんでした。よって,債務超過の可能性も否定できない状況でした。
そこで、法定相続人として,どういう対応をすべきかわからない,ということで,守口門真総合法律事務所に御相談いただき,相続処理を目的として委任契約を締結するに至りました。
2,相続放棄,期間伸長の申立て,遺産調査を経て単純承認へ
まず,債務超過の可能性があるため,1名を除いた他の相続人10人(兄弟姉妹5人,代襲相続人5人)が相続放棄を希望されましたので,大阪家庭裁判所に対し,相続人10人につき相続放棄の手続をしました。
他方,残りの1名の相続人についても,単純承認するのは心配な状況でしたので,3か月間の相続の放棄または承認の期間伸長の申立てをしました。
そして,その3か月間で,弁護士において,未だ判明していない債務の存否を調査し,他方,不動産の査定を実施して,遺産調査に基づいて遺産目録を作成しました。
その遺産調査の結果,債務超過ではないことの確証を得ることができましたので,相続人の1名は,その後,単純承認をしました。
3,遺産処理(不動産売却・債務の弁済)
次に,遺産不動産の相続登記を実行しました。その際は,相続放棄をした相続人の相続放棄受理証明書を添付しました。
その後,遺産不動産を売りに出したところ,運良く,一般のエンドユーザーへの売却ができました。依頼者としても,おそらく買い手が付かず,業者買いになると覚悟されていましたが,一般のエンドユーザーの購入希望者があらわれたため,業者買いよりも3割程度,高い金額で売却することができました。不動産売却金については,債務の支払いに充てる必要がありましたので,弁護士の預り金口座で管理させていただきました。
そして,その不動産売却金でもって,信販会社への未払クレジット債務を弁済いました(弁護士による弁済代行)。なお,相続発生後,支払いまでに相当な長期間が経過しているため,本来は,数十万円の遅延損害金が発生していたのですが,弁護士の交渉により,遅延損害金をカットすることに成功しました。また,その他の小口債務を数口ありましたので,これらについても,弁護士の弁済代行により,完済するに至りました。
4,税務処理
まず,相続税については,相続放棄をする相続人がいるくらいの状況でしたので,当然,控除枠の範囲内であり,相続税は発生しませんでした。
次に,遺産不動産の譲渡所得税については,売却金額と前主(被相続人)が遺産不動産を購入するときに設定した抵当権の被担保債権額とを比較して,後者が前者を大きく上回りましたので,譲渡所得税もかからないだろう,との見込みをたてました。
5,最後に
債務超過の可能性があり,当初は相続人の方も不安なご様子でしたが、遺産調査を経て,御安心いただきました。
相続人が相続放棄をする場合は,相続が発生したことを知ってから3か月以内に家庭裁判所に対する申立てが必要ですので,ご不安な方は早急に,守口門真総合法律事務所に御相談ください。
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