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不動産売買契約で失敗しないポイント

不動産は重要な財産であるため、契約書を作成するのが一般であり、一般取引上は売買契約書を作成した時が契約締結の時となることが多いといえます。 以下には、不動産売買契約で失敗しないポイントを掲載しています。 個別の契約書については、弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

(1)重要事項説明とは

不動産を購入する場合、宅地建物取引業者(宅建業者)を通じて購入することが多いですが、宅建業者から土地建物を購入する場合、宅建業者の側で重要事項説明が必要とされています。 具体的には、その不動産に関する登記された権利の種類・内容などの法定の事項について説明が必要になります。 重要事項説明について宅建業者が事実と異なることを告げ、これを事実と誤認して契約者が契約の申し込み・承諾の意思表示をした場合は、売買契約を取り消すことができます。

(2)登記簿を確認する

売主がその不動産を所有しているのか、所有しているとしても他の共有者がいるのではないか、抵当権などの制限物権が設定されているのか、を登記簿謄本で確認する必要があります。

(3)現地(不動産)を調査する

建物を買う場合、その建物が賃貸されていても建物の借家権は登記簿謄本には表示されません。 そこで、実際に建物を買った後に、その建物が賃貸されていたためにその建物を使用することができなかった、という不利益を被らないように、建物を実際に調査する必要があります

(4)用途地域を確認する

土地を買ってその上に建物を建てようとする場合、建物の種類・建ぺい率・容積率・高さ制限などが法律により規制される場合があります。それが都市計画法上の用途地域です。 用途地域は、住居・商業・工業など市街地の大枠としての土地利用を定めるもので、第一種低層住居専用地域など12種類があります。 用地地域は、各地方自治体で販売している都市計画図で確認することができます

(5)申込証拠金について

申込証拠金とは、マンションや建売住宅の分譲販売の際、購入希望者から販売業者に対し交付することのある金銭を言います。 申込証拠金は不動産取引実務の中で生じてきたものであり、法律上規定のあるものではありません。 そのため、申込証拠金の法的性格については争いがありますが、購入希望者の購入意思の確認と、当該希望者の申込み優先順位の確保を目的として預託される金銭であるとする考え方が有力です。 また、申込証拠金は売買契約成立前に交付されるものであるとするのが一般的です。 申込証拠金を交付する場合は、売主から預かり証の交付を受けましょう。 申込証拠金は、売買契約をキャンセルした場合、返還される場合が多いです。

(6)売買契約に際しての、手付の支払いについて

不動産売買契約を締結する場合は、不動産の重要性から契約の締結の際、手付を交付することが多く行われます。 手付はいわゆる解約手付と推定され、契約の相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付を放棄することによって契約が解除でき、売主は手付の倍額を支払うことによって契約解除ができます。 また、契約が解除された場合は互いに損害賠償請求ができません。これはあくまで法律上の推定ですから、当事者でこれと異なる取り決めを行うこともできます。 そこで、手付を交付する際は売買契約書内において手付の法的性質を明記する必要があります。 なお、宅建業者が売主となっている場合は、法律上、解約手付となります。 相手方が契約の履行に着手した場合は、手付によって解除することはできなくなります。

(7)購入した建物に欠陥(瑕疵)があった場合

従来は、民法上の請求として損害賠償請求および契約の目的を達成できない場合に契約を解除することができるにとどまっていました(いわゆる瑕疵担保責任)。 また、この瑕疵担保責任を追及できる期間は、瑕疵の存在を知ってから1年以内に限られていました。 しかし、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、請求できる範囲が拡大しています。 具体的には、新築住宅の取得契約について、基本構造部分の瑕疵担保責任を、建物の完成引渡から10年間請求できるようになります。 瑕疵担保責任の内容も、損害賠償請求・解除だけではなく、修補請求ができるようになります。 ちなみに、品確法は平成12年4月1日以降に締結された新築住宅の取得契約(売買・請負)について適用されます。

(8)農地の売買に関する注意点

農地を売買する場合で、買主がその農地を農地として使用する場合は、農業委員会または都道府県知事の許可が必要となります。 また、買主が農地を農地として使用しない場合も、原則として許可が必要となります。 農地法の許可が必要な場合において、許可よりも先に売買契約を締結しても契約は有効ですが、土地所有権は許可がなければ移転しません。 そこで、農地を売買する場合は、契約書に「許可が得られなかった場合は、当然に契約を解除する」との条文を入れる必要があります

個別の契約書については、弁護士にご相談ください。

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